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2019年06月10日

ナモラーゼ

1992年ジョージア生まれ(その後ハンガリー、いま米国在住)のピアニスト、ニコラス・ナモラーゼのリサイタル@東京文化会館です。
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曲は:
・スクリャービンのピアノソナタ9番「黒ミサ」
・バッハのシンフォニア9番、パルティータ6番
休憩挟んで
・シューマンのアラベスケ、暁の歌
・ナモラーゼ自作のアラベスク、練習曲1,2,3番
アンコールがなんと6曲!!!
・ナモラーゼ自作の「屈折した月」(「荒城の月」に基づく変奏曲)
・スクリャービンの前奏曲 Op.42-5, 8-12, 42-8, 2-1, 42-4

アンサンブルやインタビューも課されるカナダのホーネンスコンクールで2018年に優勝した、学究肌のコンポーザー=ピアニストらしいということを予習していたので、随分と思弁的なのかなと思っていましたが、がっつりテクニック系でした。まずピアノの限界に達したと思えるほどの弱音からぶっ叩きまでダイナミクスが幅広く、指もよく回ってます(手つきはなんとなく若い頃のポゴレリチに似てる)。

内声の聞かせ方などをみると、構成もよく研究されてるようです。黒ミサからシンフォニアへ意外にスムーズに移行したあと、べたべたロマンから「あなたリゲティ好きでしょ」って言いたくなる練習曲へ跳躍するというプログラム作りも意外で面白かった。で結局、アンコールまで聴いて「この人はスクリャービンが合ってる」と確信しました。

一方、コスモロジーはやや未分化だと感じた。テンポの制御も疎かに感じた部分はありました。現状を一言で言うと「上手な若い人」。生演奏で手練れが醸す「ぞっとする凄味」を会得するには、もう少し歳を取る必要があるのかも。

それはおいても、この人のノリはよい。たぶんナイスガイ。予定のプログラムを終えたあと、拍手を続けてると、1度出てきて、引っ込んで、もう1度出てきたらすぐアンコールを弾いてくれちゃう。それを6回。2回が相場なので、3回目からはナモラーゼが椅子に就くたびにどよめきが起きました。最後は聴衆が「もうさすがに申し訳ないよね」と思って拍手をやめるというw

用意したCDが前半終了後の休憩時間に瞬殺で完売してましたが、これは用意した数が少なすぎだったのでは……。終演後のサイン会は早すぎる品切れを受けてか「CD買ってなくても並んでOKです」と、これもまた変わったサービス。

よかったよかった。寒い日曜の午後でした。会場を出たら霧雨。

2018年12月08日

ポゴレリチ、久しぶりに

2010年の連休にえらいこっちゃな演奏を聴いてからもう8年余り経過したという、このね、なんというか。ポゴレリチです。その後、長い心の患いから回復したらしい。正直、チケットを買ったときは「あれをもう1回聴く必要があるのかな」とちらっと思った。でも点が二つあれば方向は分かる。何が患いのせいで、何が個性をなすものかも判別できるだろう、そんなつもりで。
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8年前と同じサントリーホールでした。前回は春、今回は冬。演奏者背後の2階席から見ると、空席が目立ちました。開場後に練習する人だったんだっけ。ちっちゃい音でリストをさらっていました。

曲目はモーツァルトのアダージョK.540、リストのソナタ。ここで休憩が入って、シューマンの交響的練習曲(遺作変奏付き)。アンコールはなし。

リストのソナタは弊管理人の好きな曲で、黒い海に沈潜していくような音階や論争めいた高速のパッセージ、中年のロマンスみたいなw旋律と次々と面相を変えながら前半生を総括する重厚さを楽しんでいます。(すごいまとめ感なんだけど、リストは作曲時にまだ40歳前後なんですよね)

ポゴレリチの演奏は、伴奏とメロディに分かれた2本の線が進んでいく一般的なやり方ではなくて、もやもやしたガスの中に凝結核を投げ込みながら主題を出現させるような独特のものでした。音の強弱よりも、ペダリングと、ハンマーが弦を叩く音を出すかどうかで色の違いを出していたように感じます。

(もちろん「キーを押してぎりぎり音が出るか出ないか」というレベルの弱音から体重を乗せた爆音まで、ピアノというメカの可能性を余さず使って見せる凄みもあるのですけど)

このやり方は、ピアノを起点に音楽を射出するのではなく、環境中に音が満ちている感覚、演奏者が頭の中で歌う音楽の中を浮遊している感覚を与えるものでした。また、脇に置いたメトロノームや速度記号のように外部から強いられた「1,2,3,4……と刻む客観的な時間」に支配されずに、時間の経過を忘却して「見ていたい風景の見ていたい部分を見ていたいだけ見る」曲の味わい方が、あの解体的に聞こえてしまう解釈の正体だったのではないかと思います。

そう考えながら聴くと、重度に解体していた8年前に比べて、今回はずいぶん統一感を回復したなあという印象を持ってしまいます。音、音、音、という要素たちの凝視から一歩引いた(「フツーに戻った」)パターン認識のレベルへ。そういっていいなら、「音の束として聞かせたほうがいいものは、そのように聞かせる」という割り切り。ポゴレリチの世界に聴衆が浸るというスタイルは変わらないけれども、ポゴレリチの知覚の中には前より多くのもの(多分聴衆も)が映っているように思いました。

19時に始まって、終わると21時半でした。
「浸るスタイル」と書いておいてそれと反するようですが、「なんだこれ」とずっと考えさせられていて、なんかとても疲れました。

* * *

昼飯は西新宿のFISHで限定の牡蠣カレーとキーマをあいがけで。
今季そういえば牡蠣を食べていなかったところ、思いがけず賞味できてすごい満足だった。

演奏会後はおつきあいのお酒などあり、土曜はやけにいろんな人と会う日になってしまいました。

* * *

ここ3,4年、大学の試験期間前くらいになると弊日記へどっかの大学からのアクセスが増えるんですが、今年も迷い込んでこられたようです。有斐閣アルマ、教科書として人気なんですかね。あと、今年は初めて、オックスフォード大学のドメインから文化人類学の英語教科書のメモに飛んでこられた方がいました。わからんでしょうに。

忘れっぽい弊管理人は安心して忘れ・そして後から見て思い出しやすいように、箇条書きでも比較的文章っぽく書いているのでまだましかもしれないけど、他人のレジメって基本読む気がしないし、レジメを作るプロセスそのものが勉強になるんじゃないのかな。

高校のころ、友人と二人で「小室総研」という非公然組織を作って(小室哲哉全盛期だったためだが命名は弊管理人ではない)英語のリーダーの全訳を作ったり、解説をすっとばしがちだった数研出版の問題集の詳しい解法を載っけた解説書を作ったりして配布していました。1学年400人のうちそれなりの数の手に渡り、しかし結局それを使った誰よりも点取ってたのは弊管理人でした。当然ですわな。

大学ではもっとシステマティックに、クラスで試験対策のプリントを手分けして用意し共有していたようですが、もらっても質はいろいろでね……

どうでもいいけど、そんなことを思い出しました。

2014年01月18日

歩きながら聴く

移動がわりと多い生活をしています。電車だと乗っている時間が20分くらいあれば本を読むのですが、混んでるとそれも難しい。徒歩の移動だともちろん読書は無理です。そんな時のためにラジオを録音して持ち歩いては聴いています。TBSラジオの「伊集院光 深夜の馬鹿力」なんて大好きなのですが、放送大学にもお世話になっています。

■録音に使っている機器は、放送をMP3に変換しながらメモリに録音できるラジカセ、ソニーのICZ-R51です。

( http://www.sony.jp/products/picture/large/ICZ-R51.jpg )

タイマーが20コも設定できるのが長所。音質等も今のところ満足です。

2013年度2学期が終わったので、これまでに不真面目に聴いた科目と不真面目な感想。

■国際理解のために(2013、高橋和夫)★★★★★
高校で世界史を取らなかった受講生のための、宗教と東アジア情勢入門。
NHKのカルチャーラジオくらいのノリで、講義というより講演を聴いているよう。歩きながら聴くのに最適です。弊管理人の場合とくに曖昧にしか知らなかったゾロアスター教の話が面白かった。領土問題という危ない話題にも上品に踏み込んでいる。

■現代哲学への挑戦(2011、船木亨)★★★★★
近代哲学で助走して、実存主義、構造主義、ポストモダニズム、サイボーグあたりへと飛び込む。
ベルグソンやメルロ=ポンティ、フーコーなどをただ紹介する講義では全然なく、講師が自分の解釈を喋りまくる。テキストは書店でちらっと見ただけが、ほぼこれを朗読しているのではないか。情報と視点とアイディアの種がごちゃまぜで流れていくので、この講義だけは時間を置いて2回通して聴いたが2回目に発見したことのほうが多かった。

■西洋音楽史(2013、岡田暁生)★★★★★
いま耳にする音楽たちの祖先に戻り、進化の過程を描く。
グレゴリオ聖歌を出発点として、音の装飾がつき、通奏低音がつき、モノフォニーからポリフォニーになり、楽器が伴奏(伴走)を始め、和声が重視され、情感がこもり、宮廷や教会に所属しないフリーランスの作曲家が生まれ、オリジナリティの概念が生まれ、コンサートホールに住処を移し、そのうちに録音されだし、調性が壊れ、とうとう博物館に引きこもったクラシックをジャズが見捨てる。歴史がきれいに流れすぎてる感もあるが、やはり職人芸の整理と言いたい。音楽は社会と技術のはしためか?

■功利主義と分析哲学(2010、一ノ瀬正樹)★★★
むかしから最近までのイギリスの哲学者を概観してみようという企て。
感覚器官を通じて蓄積した経験によって形成された、1940-50年代生まれの大学教員は教え下手だという弊管理人の信念に対する反証にはなっていないし例外とまでは言えないかな、くらいの分かりやすさ。キーワードの展示会としては有用と思った。

■公衆衛生(2009、多田羅浩三+瀧澤利行)★★★★
生政治とか考えるならこのへんの知識は必須だと思う。

■ことばとメディア(2013、宮本徹+大橋理枝)★★★
前半は古い中国とわりと古い英国の話で、ラジオや電話やネットが出てきて格好よさげなメディア史になるのは後半になってからだが、どれもそれなりに楽しい。講師の一人がなんかちょっと時々自分の言葉にウケながら喋るのが気になるのだが、なんなのだろう。

■「ひと学」への招待(2012、内堀基光)★★★★
初年度生むけ人類学。それにしても自然人類学はともかく文化人類学に先はあるのか、門外漢は余計なお世話と知りつつひそかに心配しています。

2013年02月17日

ビッグデータ社会の希望と憂鬱

■森健『ビッグデータ社会の希望と憂鬱』河出文庫、2012年。

筆者が2005年に出した本をアップデート・補筆・改題したもの。
ユーザーの行動を逐一追跡し、数値化し、保存し、データ同士を結びつけ、探知し、予測し、フィードバックする。そうした情報技術の進化は、制度を作る企業や官庁から描けば便利で安全で自由な明るい未来像を結ぶことでしょう。しかし、その裏面にあるのは悪用や誤用だけでなく、善意の使用までもがあいまって成立するユーザーの監視と馴致と不自由というディストピアかもしれない。
さらにややこしいのは、そうした危なっかしいシステムを要請したのは、効率や利便や可視化を望み、ポイントという報酬をもらう見返りに承認しつづけてきたユーザー側だったということ。実際、障害を持った人や中山間地に住む人の生活を改善したりしているのも承知している。電力も情報もそうですが、依存しているものを批判するのはかくも難しい。

オーウェル、フーコー、レッシグなど分析の際に援用する枠組みは他でもお目にかかるものですが、何よりジャーナリストの本領は公式、非公式を問わず膨大に読んで聞いて並べて見せること。それに成功している本だと思います。05年までのITはもう歴史になってしまった(ICタグなんて懐かしい響き、02年サッカーワールドカップのときの顔認証システム導入もほとんど琥珀色の記憶です)。いや去年のことだってちゃんと覚えてなんかいない。でも昔のことを知っていないと構造が分からない、失敗は繰り返すし、予防もできない。

6年前に読んだ大屋本を思い出しながら読了。

■ギンジン(Pf)のラフマニノフ:ピアノ協奏曲1番と4番オリジナル版(ONDINE: ODE977-2)

これ、すごく面白かった。
よく演奏される情感豊かな2、3番と違って、パキパキ進んでさっと終わる1、4番。普段耳にするものは改訂版で、こちらはオリジナル版(世界初録音)とのこと。メロメロロマンチックな味付けがより濃く効いていてこっちのほうが好みという人もいるのでは。

2012年02月12日

舘野ラフ3


舘野泉さんが1980年にデビュー20周年を記念して行ったコンサートの録音。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番と、伊福部昭の「七夕」が入ってます。
え、そんな録音あったの?と意外に思いました。それもそのはず、LP時代に非売品として出たことがあるそうですが、その後、音源は行方不明に。2009年にCDで復活したのがこれだそうです。

渡邉暁雄さんが指揮する日フィルはひどい伴奏で、3楽章の最後のほうのハイライトでは、それまでもかなり危なっかしかった管がハインリッヒの法則に従ったかのように重大事故を起こしたりしてくれます。舘野さんは技術的にに追いついてなかったり、オケとの合奏の入りでへぐったりしてる箇所がちょいちょいありますが、でもなんというか、日本人ぽくない、安全運転を重視しない運び方で結構面白いです。持っている人が周りにいたら貸してもらって聴くといいと思います(わざわざ所蔵するほどではない)。

* * *

昨日、今日と自宅周辺での待機がかかり、せっかくの天気のいい週末を不自由に過ごしました。

昼は自分でステーキを焼いて食べましたが、焼くときに出た脂がしっかりこびりついたフライパンを洗うのに難儀。固まる温度が低い油脂って体によくなさそうだなあとやや反省。こういうのは自分で料理しないとなかなか痛感しないですね。

そこで、待機の解けるのを待って、夕飯は気分直しに錦糸町の「アキンボ」にカレーを食べにいきました。現在、東京で最も信頼しているカレーです。店主さんとお話していて、押上の「スパイスカフェ」と経堂の「ガラムマサラ」の名前を聞いたので、来月にも食べに行ってみようと思ったのでした(自分メモ)。

2011年08月26日

モントルー’75


(画像をクリックするとAmazonに飛びます)

オスカー・ピーターソン。数年前に鬼籍に入った技巧系ジャズピアニストです。
最近この映像(youtube)を見て「これほしい!」と思って探し当てたのが上のDVDでした。
Nica's Dreamのアレンジ、DVDではMirageという名前になっていたので探しにくかったのですが、1975年のMontreux Jazz Festivalの映像だというのを手がかりに辿り着きました。

リズムやキータッチがあまりにも安定しているせいか「つまらない」という評もあるようですが、同系列の先輩格にあたるアート・テイタムよりも熟れた和声は、弊管理人はかなり好きです。

グレン・グールドといいオスカー・ピーターソンといい(ついでに最近あんまり聞かないけどマルク=アンドレ・アムランといい)、カナダってあまりピアニストの産地という印象はないですが、列挙してみると濃ゆい。

2011年05月19日

別府(1日目)

ゴールデンウィークがないことを嘆いておりましたが、この日に休めなかったらグレる、くらいの勢いで上司に迫ったところ、いただけました、19日からの4連休。
なんでそんなに気合いが入ったかというと、大分県別府市で開かれている「別府アルゲリッチ音楽祭」のコンサートのチケットを1月に取っちゃっていたからなのです。

■19日(木)

前日は午前1時半くらいまで仕事をしていたので、へろへろになりながら10時台の飛行機に乗りました。
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国東半島にある大分空港へ。実は生まれて初めての九州上陸です。
実は音楽祭に仕事で行く会社の後輩と、ちょうど同じ便に乗ってました。二人で別府中心部までバスで出て、昼ご飯にします。

ご当地のものをということで、「グリルみつば」でとり天定食(1050円)。
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要は鶏肉の天ぷらなんですが、ここにちょっと甘いタレがかかっていてウマイ!!!!
後輩と二人で「アリだ、これはアリだ!」と言いながらがつがつ食いました。
あとで地元民に聞いてみると、家庭でも普通に食すことの多いというとり天、食べ方は一つではないとのこと。「みつば」は最初からタレをかけるもので、これは異端なのだとか。ポン酢、かぼす、洋からしあたりを使って好みのつけつゆにして食べることが多いそうです。

後輩は夕方までの仕事に向かい、弊管理人は別府駅からバスで30分ほどの「鉄輪温泉(かんなわおんせん)」へ。
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「地獄めぐり」だそうですが、これはまあ、ふうんという程度のもの。
でも街を歩いていると、いたるところで温泉や湯煙の噴出が見られて、すごい迫力です。
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開渠が温泉成分でか緑色になってます。

中心部に戻ってホテルにチェックインしました。
「エール」という、楽天でなんとなく決めただけのホテル(素泊まり5600円)。でも部屋は広いし、なにより屋上に作ってある露天風呂がいい!
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海と、遠く大分市の町並みまで見えます。
お湯も熱過ぎなくて、ずっと入っていられます。
結局、湯めぐりなどはせず、ここのお風呂にばかり入っていました。

夕方、後輩と合流してちょっと早めの晩飯を。
やっぱり何かご当地ものをということで、冷麺にしました。
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何カ所か店舗があるらしい「大陸ラーメン」で680円。満州からの引き上げの際に持ち込まれたものらしい。つゆは和風な感じ、麺は日本そばの混ざった独特な冷麺です。これもまたうまい。キムチやゆで卵をおかずに麺を食べる感じというのかな。

■コンサート

さて、最大の目的だった室内楽コンサートは、ビーコンプラザという施設で行われました。
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アルゼンチン生まれのピアニスト、マルタ・アルゲリッチを招いて毎年開催されている「別府アルゲリッチ音楽祭」は今年13回目(なんだか温泉がずいぶんお気に入りのようで)。今年は彼女もとうとう古稀を迎えるということです。

10日余りの期間中、何度かコンサートが開かれるのですが、今年は弊管理人としてはぜひ出向いて聞きたい理由がありました。
1998年、大学3年のときに聞き逃したショパンのピアノ協奏曲第1番が今回のプログラムに入っていたためです。1991年、初めて買ったCDもアルゲリッチのものでしたが、生演奏はこれまで見たことがありませんでした。出会いから数えて20年とすれば、最も見たかった演奏が見られる機会を、誰がやったってできるような仕事なんかでフイにできるわけないでしょう?

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本番では40分弱の演奏中、一音たりともおろそかに聴かないよう全力で味わいつくしました。

とにかくテクニックと駆動感が特徴的な彼女ですが、過去の映像を見るとオーケストラを引っ張る暴れ馬のようなところもあって、必ずしも心地よい演奏ではないのかなあと思っていたところもありました。

しかし、目の前にあったのは、弦楽器の仲間たちと調和しながら、しかもパワフルかつ情感いっぱいに「あたしの歌」を歌いきるという難しい統一が完遂された演奏でした。こぶしを回しながら、拍を乱さない。均整が取れて粒立っているのに流れている装飾音。ぞくっとするような弱音。すごいスピードで難しいフレーズに突っ込んでも危なげなく制圧してみせる―。
最後の音から手が離れないうちに拍手が起こり、カーテンコールが4回。休憩を挟むために会場が明るくなっても拍手がやまず、最後にアルゲリッチが出てきて深々とおじきをするのを観客が総立ちで迎えるという熱気でした。

弦のみの曲も含めてプログラムをすべて終えるとアルゲリッチが再登場。「ハッピー・バースデー」のファンファーレが鳴り(6月5日生まれらしい)、大きなバラの花束が手渡されました。歳の数=70本あったのかな。それを太い片腕で軽々と(?)抱え、バイバイして去っていくアルゲリッチに観客もバイバイして終わる。そんな温かい音楽の「祭」。感激しながら堪能しました。

2010年07月03日

音から探す

(自分用メモを兼ねて)

なんだっけなー、あの曲。
曲想からして絶対、ラヴェルかドビュッシー。
iTunesに入っている彼らの曲をかたっぱしから聴いてみたけど、ない。

そこで検索です。
Musipediaというサイトでは、実際にパソコンのキーボードを鍵盤に見立てて弾いたり、マイクにむかってメロディーを口ずさむことで曲の検索が行えます。
音から音を見つけるという検索。恥ずかしながら部屋でひとりで歌いました。

出た!そうだ
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ドビュッシーの「レントより遅く」。
すばらしい。
そして自分のiTunesには入ってなかった。有名曲なのに落としていたんだねえ。

で、楽譜を探します。
IMSLPでは著作権の切れた曲の楽譜を無料でダウンロードすることができます。

さて、練習しよう。
歳食ってくると、聴く曲が遅くなってくるな。変わるのは食性だけではない。

* * *

ところで、テキスト入力に基づいた検索(Googleとか)ではない検索エンジンの開発が進んできています。たとえば上記のように音から検索するもの、画像から検索するもの。

北海道大学の長谷山美紀教授はテキストだけでなく音、映像をシームレスにつなぐこんな検索エンジンの研究をされてます。どんなものかは記事読んでみて下さい。
日立もこういうソリューションを売り出してます。

2010年05月05日

連休5日目(ポゴレリチ)

100505pogo.jpgイーヴォ・ポゴレリチのコンサートに行ってきました。
曲目は、ショパン/ピアノソナタ第3番、リスト/メフィストワルツ、ラヴェル/夜のガスパール、ほか小品。

1980年のショパン国際コンクールで、独特すぎる解釈で審査員の賛否を分かれさせ、本選前に落選。彼の演奏を買っていた審査員のマルタ・アルゲリッチが憤激してその後の審査を降りた、という有名なスキャンダルを機に名を知られることになった人です(ついでに、その年の優勝者ダン・タイ・ソンが平均して高得点を集めるタイプの演奏家だったことも、ポゴレリチと対照をなしていておもしろい)。

ショパン・コンクールからあと、80年代を中心としたポゴレリチの演奏はyoutubeなどで見聞きすることができますが、いずれも圧倒的な指の回転、爆音と弱音のコントラストや独自の曲運びで存在感を誇示する、まさに誇示する変人系ピアニストだったのではないかと思います。

96年に奥さんを亡くしたのを機に?鬱で何年か演奏活動から離れたあとは、曲のテンポ設定やフレージングをほとんど無視し、あるところではイン・テンポ、別のところでは一音を弾いてほとんど残響が消えるくらいまで次の音を弾かないなど変人度を増しているとのことでした。(youtubeに上がっている99年に米国で演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の音声を参照)

さて今日。かなり暗くされたサントリーホール大ホール。ステージ上にぼやっと浮かんだピアノに就いた大男は楽譜を譜面台に置いて、次か、次の次の曲の楽譜を床にぽんと投げ、さっさと演奏を始めました。

予想通りの遅いテンポ、というか、もうところどころ和音がただただ連続しているだけの状態になっていました。突然、強い打鍵で内声が強調され、かと思うと靄のかかった夜のように気分の晴れない(でも美しい)ピアニシモでメロディが歌う。ショパンの夜想曲とソナタ、リストのメフィストワルツが終わった段階で1時間半(!!)が経っているのに気付きました。

観客席の自分は、尻をずらして浅く座り、頭を背もたれにつけて天井を仰ぐ。目を閉じる。座り直してポゴレリチを見つめる。そうやって都合3時間ちょいの演奏を聴いていました。(休憩明けには突如、ブラームスの間奏曲がプログラムに挿入されることがアナウンスされました。興が乗っていたんだろうか?)

当初は変人による脈絡のない楽曲の破壊、なのかと思いましたが、いろいろ考えながら聴いていると全然そんなことはない。このとんでもなく意外なテンポ設定とダイナミクスは、聴いている人たちがポゴレリチと「いっしょに歌う」ことを許さない仕掛けなのではないか、そう思えてきます。

つまり、クラシックのコンサートなら、ほとんどの場合、聴衆は自分の知っている曲を聴くわけです。録り直したりつぎはぎしたりしてミスを消し去ったいろんなアーティストのCD録音を聴いた記憶と、目の前で進行するライヴをリアルタイムに照合しながら、いいとか悪いとかここトチったとかここ好きだとかいった、安易な感想を抱かせてもらえる。

それに対してポゴレリチの独特すぎる演奏は、知っているはずの有名な楽曲が孕んでいるハーモニーの全体、そしてメロディの重層性を解体、分解、腑分け(これらは破壊ではない)して示すことで、あるいは「リスト的な和声とはこういうもので、それはショパン的なものとこのように異なっているのではないか?」という仮説を、あるいはその曲が普段見せない相貌の見せ方に関する試論を、聴衆に問い掛けているのではないでしょうか。
知っているはずなのにトレースできない。過去に聴いたその曲の演奏と、目の前で演奏されている演奏のギリギリとした拮抗感が彼の芸当の髄のような気がしました(あるいは、その演奏に触れた人にこうやっていろんな言葉でその感想を表現させるという機能もまた……)。つまり酔狂ではなく、逆にたいへん思弁的な演奏のように見えたわけです。

でも、これはしかし次も絶対行くぞー!という興奮には繋がらなかった。スカルボでは、30年前の映像のシャープな指さばきの影はなかったし、なにより3時間にわたって聴いているなかで、途中から「次はこうなるかな」と展開が読めるようになってきた(つまり意外ではあっても「不規則」ではないわけだ。まさにそのためにこの演奏が思弁的だと思ったんですけど)。いまやダリの絵がどうもわざとらしく見えるように、そのうちポゴレリチも「『変人売り』というキャラ」として馴れられていくのではないかと思う。いや、もう聴衆は馴れているのかもしれない。最後の満場の拍手とスタンディング・オベーションをぼうっと眺めながら、そう感じました。

2010年03月14日

グルダ・プレイズ・ショパン


■フリードリヒ・グルダ/グルダ・プレイズ・ショパン(UCCG-1486/7)

メンデルスゾーンの無言歌の全集を買いに行ったものの、こっちを買ってしまいました。2月にリリースになったばかりの盤。amazonでは3500円してますが、きょう新宿のタワレコで見たら輸入盤ですが1990円でした。

1950年代、つまり20代なかばのグルダによるショパンの録音です。監修は愛息パウルさん。ライナーノートもお書きになっています。

疾走するピアノ協奏曲第1番(バラキレフ版)はロンドン・フィルとの息がよく合っていてうきうきします。バラキレフが管弦楽部の音を厚く、より聴き応えがするようにしてくれてあるせいか、とてもよくできた19世紀国民楽派系ポップス(つまり田舎くさい)というか、そんな感じになっています。

24の前奏曲はダラダラしておらず、集中が途切れず聴ききれます。バラードやノクターンもちょっと気取ったロマンティックさで、音の粒がパチンコ玉みたいにずっしり、きらきらしているのは当時からそうだったんだねー、楽器のせいだけじゃなかったんだねー。初めて聞く若いグルダはなかなかセクシーです。

2009年08月22日

きた!

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新しい電子ピアノがきました。ローランドのDP-990Rってやつです。

奥行き34センチ、重さ48キロという同型機種の中ではおそらく最もコンパクトなところと、鍵盤が象牙っぽいさわり心地だったのと、それでも音やタッチが同価格帯の機種と同等だったことでほとんど他の可能性を考える余地なくこれに決めました。島村楽器で3週間、ヨドバシカメラでは2か月待たされることもあるというヒット作です。なんかわかる。

昼前に届いて、それから何度か触ってますが、期待した通りの音とタッチ。あと筐体もほんとのピアノっぽい艶で美しいんです。譜面台も広くていいね。うわー大切に使おう。うわー

これでやっとワンルーム生活がちゃんと始まった感じです。

2009年08月21日

図書館とNML

通勤途中にある千代田区立図書館の利用カードを作りました。
ということからわかるように、千代田区の場合は在勤、在住者でなくても資料が借りられます(冊数や電子書籍の利用など、在勤在住者が優遇されるサービスはある)。

それだけだとわりと普通なのですが、すげえと思ったのは、利用カードを持っている人は誰でもNaxos Music Libraryが使えること。
これ、何度も弊サイトに出てきているように、NAXOSなど178レーベル(!)が参加した、35000枚超のCDがストリーミングで聞けるサービスです。絶版、レアものの曲も含め相当豊かなライブラリで、クラシックだけでなくジャズもわりと充実。最近ではクライバーン・コンクール終了後に予選と準決勝、決勝の演奏をラインナップに加えるなど野心的です。

個人で契約すると月1890円かかるのですが、図書館利用者のアカウントだと無料。音質は128kbpsとCDに比べるとやや劣りますが、PCからミニコンポにでも繋いで聞けばBGMには十分だと思います。資料的関心などから知らない曲のCDを買う前に試聴、なんて使い方も自分はしています。

いくら払っているのか知りませんが、CD媒体で資料を購入したり更新したりする費用と手間と陳列スペースのことを考えれば、図書館としても利用するメリットは十分あるのでしょう。うまいこと考えるなあ。

ほかには大学図書館でも利用が始まっているようです。

2009年07月06日

ぴあのれっすん(18終)

転勤前最後のレッスンに行ってきました。

のっけから「この間、東京でコンペの審査員やってきたけど、あなただったら(予選)通ったわよー」と乗せられ(なぜだ)、ひとしきり東京や札幌の住宅事情などについてしゃべくってからプーランク。

フランス現代のひとたちは楽譜に事細かに指示を書き込んでおり、弾く方もそれをちゃんと読み込んでそのとおりに演奏するとサマになってしまう、というのが特徴なのだそうです。まあ私は読み落としばっかでしたけど(笑)

去年3月から通い始めたレッスンでしたが、不規則な勤めと怠惰で結局月いちくらいのペースで曲を見てもらう感じに終始してしまいました。それでも久しぶりに発表会に出て人前で演奏したり、キッズの上手さに驚いたり、子供のときは全然それと意識していなかったテクニックの数々を教わったりと、とても貴重な時間を過ごすことができました。

「お元気でね」
「ありがとうございました」
と言葉を交わす、はからずも札幌での最初のお別れとなりました。
転勤先でも、できれば先生を見つけて時間を盗んでレッスンに通いたいと思います(その場合、タイトルは「ぴあのれっすん2」になることでしょうw)。

■プーランク/メランコリー

2009年05月15日

ぴあのれっすん(17)

結局、転勤の時期にかなり近いなど仕事の状況などを考えて、コンクールは見送りにしました。

引き続きスクリャービンのノクターンです。
今日は普段レッスンで使うヤマハではなく、先生のベーゼンドルファーを使わせていただきました。
とても抑制的な音ですが、意外と嫌いじゃないです。これまでキラキラした派手目な音が自分の好みだと思っていたのですが。

引っ越しを契機として、「鍵盤にさわれればいいかな」程度の気持ちで会社に入ったときに買った安い電ピ(10万円程度)を手放して、少しいいやつ(20万円台)にしようかなと思ってます。新しく住む部屋の広さにもよるんですけど、やっぱりペダルは3本欲しいと思いました(!!!!!!!!!!!!!!!)

2009年04月15日

ぴあのれっすん(16)

発表会が終わり、やれやれ転勤まであと1曲くらいかなあと思っていたところ、先生から「発表会でやったやつに1曲足してコンクール出ない?」と打診がありまして、それが異動直前なので「ちょ、ちょっと考えさせて下さい」と返答したままとりあえず先生から提案のあった曲に手をつけました。

■スクリャービン「ノクターン Op.9-2」

左手だけで弾く曲です。
スクリャービンが苛烈な練習のせいで右手首を痛めた時期に書かれたものだそう。
作品9-2でノクターンとくれば、ショパンの超有名なノクターンが想起されるでしょう。
この曲もおそらくそれを意識しているんじゃないでしょうか。ロマンティックな曲です。
ゆったりとしたメロディーにアルペジオが寄り添う。チェロとピアノの重奏のように進めるのが理想。
まるで右手と左手で弾いているように聴かせるのがとても難しい。そして、メロディーが連続しているように聴かせるのがとても難しい。微妙にタイミングを測りながら音が極力濁らないように踏むペダリングが難しい。

演奏時間は4分台後半から6分半くらいまで結構幅があります。そしていくつかの演奏を聴きましたが、あまりテンポを落としすぎないほうがいい曲じゃないすかね。

「あら、男性が弾くと男性的な演奏になるのね」
どゆ意味ですか……

2009年04月09日

メランコリー

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フランシス・プーランク「メランコリー」。また海外から通販してしまいました。
プーランクは1899年生まれ、1963年没。この曲は1940年に書かれています。

いーじーりすにんぐみたいのを一段低く見る向きには、プーランクの洒落な作風は素通りされてしまうのかもしれません。ただ、「メランコリー」はプーランクの可能性の極北を指し示していて、うすぼんやりとした色彩、底暗くないのに憂いに満ちた感じ、やるせのない苛立ちといったあいまいな情感がないまぜになった隠れた名曲なのではないかと、個人的に思っています。

音楽史的には最近の人なので、まだ著作権が切れておらず楽譜が高い/入手しにくい。今回はネットに落ちてないか結構探したのですが結局なく、米国のSheetMusicPlusというサイトからの通販となりました。下がってきたとはいえ相変わらずの円高、10日ほどで着くスタンダード・エアメールで送料込み1800円ほど。ちなみに譜面は12ページ。東京のアカデミア・ミュージックにもほぼ同額でありましたが東京からの送料がかかるので没。ほかのサイトでは3500円くらい吹っかけているところもありました。

もともとNAXOSでオリヴィエ・カザールの演奏を聴いて印象に残り、楽譜を取り寄せて自分で弾いてみようと思ったのでした。CDでは5分48秒になっていますが、楽譜の最終ページを見ると5分10秒で弾け、との指示。動きを強調するような但し書きも散見されます。どういうことだろう。フランス現代の人のことだから、あまり湿っぽくならないようボリュームコントロールで揺らしながら駆け抜ければいいのかな。
譜読み始めます。

2009年03月29日

ぴあのれっすん(15)

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発表会いってきました。

解放された感じ=20%
苦い感じ=50%
あまりのことに脳が勝手に記憶のスイッチを切ったのではないかという疑い=30%

私こんなに上がり症でしたっけ、くらい大変でした。
昔のおぼろげな記憶と違うのは、上がってる自分をさらにすごい勢いで記述する自分の声が響くという気味の悪い上がり方。いわく

「あー、上がってる上がってる。筋肉がおかしい」
「ちょっとさ、曲思い出せなくない?」
「でも体の制御がきかないのに演奏が止まらないのはちゃんと身についてるってことかもなー」
「舞台裏の先生の顔、見たくなーい」
「うわー、あと1ページ。もうすぐ終わるー」

など。

昨年3月の「ぴあのれっすん(1)」では、先生の前で弾くだけで上がっていたのですが、1年やる間にほぼ大丈夫になりました。
たぶん人前でやるっていうのも、今回のように数年単位の間をあけずに時々やっていると慣れていくのでしょう。

夜半に先生からメールをもらいました。2曲やったうちの1曲についてはわりと好評だったとのことで、もう何日か生きていける感じです(笑)

【翌日追記】
予想通り私ひとりオッサンだったのですが、なんとなくざわめいてプログラムに載ってた私の前後のキッズたちを検索してみたら、コンクール入賞者ばかりでした。怖!

2009年03月24日

ぴあのれっすん(14)

週末はもう本番なのですが、えええこの時期にそのポイント?的な指摘をいくつかいただいてしまいました。
同じリズムが最初から最後まで続くシベリウスは、どこを区切りにし、どこを追い込む(調子を保つ)のかをはっきり決めていなかったのですが、それをここにきていろいろと検討することになりました。

それは、それとして。

今回、前回の2回のレッスンではおのおの冒頭で1回、自分の演奏を通して録音し自分の演奏を聴くということをやりました。このときはミスタッチを引きずることなくなんとか弾ききることはできましたが、これよりさらに「一回こっきり性」の高まる本番で自分の生理に何が起きるのか、楽しみでもあり恐怖でもあります。

2009年03月09日

ぴあのれっすん(13)

今日は暖かかったので、仕事を終えてから、職場からピアノの先生のお宅まで歩いていきました。
地下鉄で4駅、徒歩1時間。

-------あとは見苦しい文章が続いてるので今回はここに区切りを-------

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2009年02月05日

ぴあのれっすん(12)

3月にある発表会のプログラムができてました。
周りは上手なちびっ子ばっかりっぽい。
おっちゃん恥ずかしいよ。

「ピアノ(弱音で弾くこと)って自分が思ったほどピアノになってないの。自分の演奏を録音して聴くとわかるわよー」

それもすっげえ恥ずかしい!!
でもやらなきゃ……

■メトネル「おとぎ話」Op.20-1
■シベリウス「即興曲」Op.5-5

2009年01月31日

ラフ3を楽譜で楽しむ

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アメリカのamazonに注文していたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の楽譜が12日で届きました。速い!

円高のいま、やるべきことは海外で楽譜を買うことでしょう、と勇んで探したところ、新品・送料込みでも1999円。ていうか送料のほうが高い(笑)。輸入楽譜を日本のヤマハなどで買うと6000円くらいするので、かなりお安く個人輸入できることになります。

映画「シャイン」の主題ともなった曲。
楽譜を見ると、そのしっかりとした構成と艶やかな和声が、この曲が史上最も難しいピアノコンチェルトと言われながらもスタンダードナンバーとなった理由を浮かび上がらせてくれます。耳からだけでは気づかなかった音にも気づかされます。

実はちょっと自分でも手をつけられるんじゃないかという驕慢な下心もあったのですが、数回生まれ変わらないと無理、と断念させられました。でも、努力に努力を重ねれば第1楽章はなんとかなるのでは(まだ言うか)

2009年01月17日

ライヴ!(3)

朝11時とかに電話かかってきて「13時45分、Kitara集合」と。
行けなくなった人の穴埋めでライヴ!(3)は……「東京都交響楽団ハーモニーツアー2008→2009」でございます。

曲目は

 ■ブラームス: ハンガリー舞曲第1番
 ■チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲
    ソロ: ウート・ウーギ Uto Ughi
 ■ドヴォルジャーク: 交響曲第9番「新世界より」

指揮はレオシュ・スワロフスキー Leos Svarovsky

指揮もソロイストも知らない人でしたけど、チャイコンは面白かったです。
チャイコフスキーってメロディメーカーなんだけどなんか田舎くさいよなー、と思っていましたが、この曲はコンサートピースとして優秀ですね、ライヴで聴くと。
伴奏に徹したお行儀のいいオケをバックに、ピッチずれや気まま編曲あり、走ったり飽きてみたりとやりたい放題のソロ・悪いおじさん64歳(笑)。7歳から演奏活動をやってるそうです。コンクール出身だとこうは育ちません(笑)
イタリア出身。エネスコの弟子らしい。へぇ~

新世界(と聞くと大阪を思い浮かべてしまうが)もいい合奏でした。都響は弦がいいなあと思いました。管がいいなあと思った札響とは対照的。チェコ人の曲をチェコ人が振ると味噌汁臭さがわりと抜けるのが素敵です。

2009年01月14日

ぴあのれっすん(11)

「ピアニシモの曲はフォルテシモで練習するのよ」

ガガーン!!!!知らなかったwwwwwwwww

■シベリウス「即興曲 No.5」

2008年11月27日

ぴあのれっすん(10)とライヴ!(2)

■ぴあのれっすん(10)

フランス人のドビュッシーと、発表会でやる予定のロシア人のメトネルの2曲を見ていただいたんですが、先生がぽろり「あなたロシアのほうが好きなのね」。そうでーす(汗)
前夜の食べ過ぎ(焼き鳥、そば、チゲ鍋)で胃がもたれまくり、飲み過ぎでアタマがぐらぐらする中でのレッスンでした。大反省。

メトネル おとぎ話Op.20-1

■ライヴ!(2)

ファジル・サイのコンサート@Kitara。
プログラムはこの通り↓

  ハイドン: ピアノソナタ ハ長調 Hob.X VI:35
  ムソルグスキー: 展覧会の絵
  サイ: Inside Serail
  ラヴェル: ソナチネ
  プロコフィエフ: 戦争ソナタ 

 アンコール
  サイ: Black Earth
  サイ: Summer Time Fantasy
  サイ: Alla Turca Jazz

CDは「春の祭典」しか持っておらず、あとはYoutubeなんかで見るくらいだったのですが、ライヴで見ると、唸り、足を踏み鳴らし、弾き振りのような仕草を見せ、上体を大きく揺らしながら弾く独特のスタイルの人でした。
ハイドンは特に感想なし。展覧会の絵は、これまで居眠りせずに聴き通したことのない曲ですが、今回は一瞬落ちるくらいで済みました。幽玄でも華麗でもないが、抑揚のうまい人だと感じた。ラヴェル、プロコフィエフを聴いて、やっぱりこの人は近現代のリズムの中でこそしっくりくるのかなと思いました。ミスが少なくとても安心して聴いていられるのがよかった点。
アンコールは3曲やってくれて「いいやつじゃん」と思った(笑)。でもアンコールまで含めてやっとサイのコンサートを聴いたっていう感じになります。自作曲とほかのナンバーで明らかに音の輝きが違う。きらきらとした硬質のピアノは自作曲でしか聴かせていなかったですね。

立って拍手をしていたのはほとんど女性。終了後はサイン会。リアル千秋様とかマキシムとかよりはマシなんでしょうけど、こういう売り方なのね。
また行くかと問われれば「曲目が面白そうなら喜んで」です、はい。

2008年10月21日

ぴあのれっすん(9)

前のレッスンのあと、出張したり風邪ひいたり東京行ったり風邪引いたり仕事が込んだり東京行ったり風邪引いたりしていたらうかうかと1ヶ月経ってしまいました。あああよくない。

先生から発表会出ませんかと誘われました。
いやー、発表会!久しぶりだ。
「やっぱり人前で弾かないと上手くならないからねえ」そうです、その通り。
というわけで3月に向けて2曲ほど用意することになりそうです。

ドビュッシー/「版画」より「塔」

2008年09月27日

奏楽堂で演奏会

学生時代に所属していたピアノサークルのOBが中心になって演奏会をやるというので聴きに行ってきました。

場所は上野、旧東京音楽学校(現在の東京藝大音楽学部)奏楽堂という、最古の木造音楽ホール。
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外観はこんな感じ。
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中はこんな。スタインウェイ。外の光が差し込むステージって珍しいですよね。

プログラムは20あり、13時半から入れ替わり立ち替わり弾いて19時までかかりました。
もちろんアマチュアの集まりなのですが、全体のレベルは高く、コンクール入賞者も複数名います(ついでにいうと「ドクター」と呼ばれる人も相当数いる)。ステージ上に世界を展開する人、現代音楽のピースの演奏前に資料を見せながら解説する人、初めて会った12年前からますますダイナミズムを増している人、指は回るが音楽が分節できてない人……。タイプはいろいろで、聴き心地の善し悪しも演奏者によってかなりばらつきがありますが、商業ベースのコンサートでは取り上げられることの少ない曲が生で聞けるのが醍醐味といえましょう。

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うむ、うまい人はたたずまいからして違う。

2008年09月10日

ぴあのれっすん(8)

前のエントリー以来、コーヒーをちびちびちびちび飲みながら暮らしており、しかし今朝は粉を水から揚げるのを忘れたままいそいそと出勤してしまったため、8時間でいいところを20時間近く出してしまったちょっと苦みのあるコーヒーを飲みながらこれを書いている次第です。

習い始める前は、最近の電子ピアノはキーも音もなかなか大したもんだなあと思っていましたが、やはり実物で「ピチカートのように鍵盤を弾く」「鍵盤を下まで押し込まずに弾く」「ペダルを踏んだまま弾き始める」などでいちいち音が変わるのを聴くと、やはりいつかはRC造の持ち家、そしてグランドピアノ、子犬の横には あなた あなた あなたがいてほしい(小坂明子)とか思ってしまうとです。

今日は曲をクリアできずもう一回となりましたが、5分ほどの小品だったため追加でドビュッシーをアサインされました。譜読みがしにくそうであります。

リスト/ため息

2008年08月12日

ぴあのれっすん(7)

悲愴ソナタは1楽章の分散オクターヴが鬼門だったのですけれど、これは単なる練習不足だったらしく、少し時間をかけて繰り返しているうちに余裕が出てきました。

今回の「へえ」はフィンガーペダル。
3楽章の左手=伴奏は分散和音が続くのですが、8分音符の連続として弾いていると「パカパカ聞こえる」とのご指摘。そこで最初の音を8分音符より少し長く保持する。つまり足でサステインペダルを踏まずに指で鍵盤を押さえる時間を少し長くすることでペダルを踏んだような効果を出す→流れ感を出す、ということ。

ていうかさあ、こんなに毎回基礎的なことでへえへえ言っているのってどうなのかね。
ええ、というわけで悲愴は今回で終わりました。

次はリストいきます。

2008年07月23日

ぴあのれっすん(6)

引き続き悲愴ソナタ。
前回からまた1ヶ月空いたうえにいっそがしくてあまり練習できていない。

今日の「ですよねー」

・トリルは隣り合う指(23232323…など)より隣り合っていない指(13131313…など)でやるとよい
・腕の自由を奪うので、前屈みになるのは避ける

あー、この曲は2回でクリアにならなかった。
引き続き悲愴やります。

2008年06月21日

ライヴ!

札幌交響楽団の定期演奏会、いってきました。
場所は家から徒歩3分のコンサートホール「Kitara」。

昼間の公演です。中島公園の中にあり、外は緑がきれい。
団員によるロビーコンサートが行われていました。
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サービスいいんですねー。

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座ってみたらいい席!ピアニストの指が見える~

■ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番、高関健(指揮)コンスタンチン・リフシッツ(ピアノソロ)
リフシッツの演奏は初めて聴きます。
この曲はヒヤヒヤさせず弾ききるだけで及第点だと思ってますが、及第点をはるかに超えるいい演奏でした。難曲中の難曲ですが「弾けるかも」と思わせる(笑)のは不思議だ。
弱音に強い。見せ場もちゃんと作る。でもルバートはあんまりかけないね。ときどき意外なアクセントがつく。
粒を際立たせるより流れを見せる感じ。テンポは構成がよくわかる程度、でも「遅い」とは感じなかった。
無音部分に緊張感を満たさせる(聴衆の呼吸を止める)ことができる。
CDで聴いて印象に残るかはわからない。

それにしてもやっぱりライヴはいい!指を見ながら聴くと、CDでは聞こえない音が聞こえますね。
あと、やっぱり聴く方の集中力が違う。フィナーレのカタルシス感は鳥肌でした。

■ストラヴィンスキー/春の祭典
札響の合奏、いいねー

というわけでやっぱりライヴはいい。また行こう。

2008年06月17日

ぴあのれっすん(5)

前のれっすんからひと月経ってしまったわけ。
超忙しかった。といってもそれは言い訳。なぜかって、今回のれっすんの前の日には最近の札幌としては異例の大きな案件がはじけていて、それでも先生にアポイントを入れていたのでちゃんと抜け出してれっすんに行けたわけで。

ええまあ、それで、今回勉強したこと。
一本の手でメロディと伴奏を両方やることはよくあるんですが、メロディが伴奏の音の連続に埋没してしまわないためには、メロディを弾くほうの指を立ててやることが必要。と同時に、伴奏のほうは鍵盤をなでるだけ、くらいの弱さが要求されることがある。
これは電子ピアノではなかなか再現されにくいポイントであると思いました。
先生につくことのメリットとして、第一には頭打ちになりがちな技術の向上が図れるということがあるんですが、第二に重要なのは、いい生ピアノに触れることで電ピにはないダイナミクスを実感することなんですなあ、と気づきました。

■ベートーヴェン/ソナタ『悲愴』

2008年05月12日

ぴあのれっすん(4)

今日の仕事は一日出歩いてへとへと。

3本あるペダルのうち、真ん中のやつ(ソステヌートペダル)の使い方がやっとわかりました。
保持したい音の鍵盤を押す→ペダルを踏む→その音だけが保持されて、別の鍵盤を弾いてもその音は残らない。すげー!不思議!1874年の発明だそうです。クラシックでいうと相当最近ですね。ショパン没後、リスト老年。

プーランク/エディット・ピアフ讃

2008年04月21日

ぴあのれっすん(3)

ラフマニノフ/前奏曲op.3-2

ひととおり弾いたあと、先生から「函館の正教会って行ったことある?」と聞かれました。
ありません。後で調べるとハリストス正教会のことのようです。鐘がガンガン鳴るので「ガンガン寺」と地元では呼ばれてもいるそうです。

16重和音がsfff(なんて読むんだろう?sf=スフォルツァンド=特に強く、のさらにさらに強意ということですが)の大音量で鳴るこの曲。ガンガン寺には一度行ってイメージを豊かにする必要がありそうです。
ラフマニノフの曲にはロシア正教会の鐘の音がよく出てきます。有名なのはピアノ協奏曲第2番の導入部。今回練習した前奏曲の終結部の構成がそのままひっくり返った造りになってます。

今回わかったこと。自分はサステイン・ペダルで長い音を出しているとき、打鍵してからすぐ手を離す癖があるのでした。押さえるところ、離すところ。使い分けられるよう注意したいと思います。

2008年03月24日

ぴあのれっすん(2)

昨夜、うっかり21時ごろにアイスコーヒーを飲んだら3時半まで眠れず、今朝は6時半覚醒。ていうか同じ過ちを先週日曜にもやらかしていたっつうの。
大好きなのに意地悪。そんな愛憎劇、アイスコーヒー。

で、今日はそんな状態のまま仕事して、頭ぼんやりしながらレッスン行ってきました。
・運指は科学。正しい指遣いで弾かないと難しいパッセージは余計難しくなる
・鍵盤を下まで押す、表面だけ撫でる、親指で叩く、人差し指で叩く、鍵盤の上で跳ねる、押さえつける―全部違う音が出ます。長いこと電子ピアノを使っていた自分が知らないうちに使い分けできなくなっていたことに気づかされました。
今日の教訓はこんなところ。1週間後にはまたチェックが入る、と思うと独りでやるのとは練習の丁寧さが違います。上手くなるかな?(自信はない)

シベリウス/奇想曲
ショパン/スケルツォ第2番

2008年03月16日

ぴあのれっすん(1)

高校3年のときに受験で中断して以来12年を経て、また先生についてピアノをやることにしました。
つっても、あてもないのでPTNA(全日本ピアノ指導者協会)のページから市内の先生をピックアップして申し込み。今日、顔合わせをしてきました。

とりあえず一曲やって、ということになりショパンのスケルツォ第2番。ぎゃー!弾けねぇー!鼻水と変な汗でてきた!
そう、緊張すると鼻水出るんだった、という12年ぶりに思い出した自分の性質。
あと、変な汗は、臭う。

いいとして。

趣味としてやるにしても行き詰まりはずっと感じていて何とかしたいと思っていました。
人に見られないと上手くならない。期限がないと練習しない。やっぱりこれはレッスンやらないと解決しなさそうです。仕事の間隙を縫って月3-4回通おうと思ってます。
「ピアノやってたの?一曲披露して」と言われたときに満足に弾けるものがいくつかできるようになるのが当面の目標です。

2007年11月11日

CDのMP3化

ここのところ、持っているCDをiTunesを使ってMP3に変換しつつHDDに落とし込む、という作業をやっておりましたが、今日さきほど完遂しました。
当初128kbpsのフツー音質で取り込みはじめたのですが、192kbpsだとCDとほぼ遜色ないという友人の入れ知恵(?)もあり大半を高音質でエンコードし終えました。確かに128と192では明らかな音質の差があります。恥ずかしながら目から鱗です。

で結果、16.85GB。2783曲あり、全部再生すると9日と4時間余かかるということが判明。
つまり80GBのiPodを買えば余裕ですべてを収納できるということ(買わないけど)。
意外にCD持ってないな自分、という感想でした。
9割5分クラシック、残り5分でジャズその他といった構成です。聴くジャンルが後期ロマン派を中心として前後に薄く広がっているだけなので、レパートリーが少ないというのは当然といえば当然かもしれない。

こうして持っているCDソフトをまとめるというのは、CDを入れ替えながら音楽を聴くのと2つの点で大きく変わるのかなと思っています。

(1)シャッフル機能によってこれまで買ったきりあまり聴いていなかった曲が否応なく耳に飛び込んでくることがあったりいきなりコンチェルトの緩徐楽章が飛び込んできたりといった意外な選曲を「聴かされる」体験ができるようになる

(2)複数枚のCDにわたる大曲が通して聴けるようになる。演奏時間4時間を要するソラブジのピアノ曲「オプス・クラヴィチェンバリスティクム」なんかも途中でとぎれることなく再生できる。オペラなどもしかり。

映画館で2時間座っていることさえできない自分ですので(2)のメリットはあまり大きくないですが。ま、今後はいろいろな音楽を持ち出して聴く楽しみも増えます。
あと、CDを延々入れ替えるという単純作業を通じて、あらためて自分はこういう非クリエイティヴな作業が苦にならない人間だということも確認しました。まあこれは余談(というかすべて余談)。

2007年01月10日

メトネルのピアコン

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メトネルのピアノ協奏曲を収めたCD(BIS-CD-1258)、2か月ほど前に買ったんですけど、意外に引き込まれてヘビロー中です。

ライナーノートによれば、メトネルNikolai Karlovich MEDTNER(1880-1951)はロシアの作曲家。モスクワ音楽院を金メダルを得て卒業して以来、ピアニストとしての活躍を期待されていましたが、作曲への興味は捨てがたく、ピアノ曲を中心に60余の作品をのこしました。ちなみにスクリアビンやラフマニノフと同じ師匠についたそうです。

1915年には音楽院のピアノ教授になりましたが、革命後の1921年にドイツへ、そのあと米国、パリと移り、1935年にロンドンに落ち着きました。

インド・マイソール藩王国の最後の藩王(マハラジャ)だったジャヤ・チャマラヤ・ワディヤールJaya Chamaraja Wadiyar(1919-1974)の資金援助を受けて自作品の録音を開始。心臓疾患により全曲を録音することはできませんでしたが、楽譜には現れない作曲者のニュアンスを伝える貴重な資料です。こちらのサイトによると、ワディヤールは20代からヨーロッパへの外遊を行い、ロンドンでの人脈もあったようです。哲学や音楽に興味を持ち、著書もあるそう。1949年にはメトネル協会を立ち上げたほどだそうですから、よほど気に入っていたんでしょう。メトネルはピアノ協奏曲第3番「バラード」を彼に献呈。

ハーモニーはラフマニノフっぽくありながら、ポップ寄りのラフマニノフよりも微妙に古風なロマン派の匂いがする。でも時々思いがけないリズム感が飛び出したりして面白いです。ピアノが上手い作曲家の作品によくあることですが、どれもよく聴くとピアノソロがかなり難しそう。

2006年12月30日

ツィマーマンの弾き振り

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ポーランド出身のピアニスト、クリスティアン・ツィマーマンKrystian Zimermanのソロと指揮によるショパンのピアノ協奏曲第1番と第2番のCDです。(ドイツ・グラモフォンPOCG-10245/6)
ツィマーマンの経歴はwikipediaの項目などを参照。

2曲は超有名曲ですが、ショパンは管弦楽をピアノという刺身のツマくらいにしか思っていなかったのではないかというほど(まあポーランドに刺身のツマがあるかどうかは知らんが)、どの録音を聞いてもオケを聴かせられた感じがしなかった。
ところがこの録音では、ねっとり&こってりしたオケを聴かされます。もちろんピアノも存在感たっぷりです。ツィマーマンが私費を投じて(というか借金したそうなので信用を投じたわけだな)編成したポーランド祝祭管弦楽団を、しかも自分で指揮している。音楽のすべてを自分のコントロール下に置くことで、曲をまとめ上げている。

細部まで考え抜いて、というか自身を浸潤させて作った音楽は、大胆な強弱とスピードコントロールに満ちていて、さすがに重い。おいしいが脂ギトギトの料理を食っているかのような感じ。ショパンがハタチそこそこでこれらの2曲を書いたことを考えると、もっと青くさく弾くのがいいような気もする。ただここまで作り込まれた演奏は聴くほどに味が出てきて(慣れてきて?)、フレーズをよく噛まずに嚥下してしまうような演奏なんか聴いていられなくなるというのも賛成。賛否はあるでしょうがどちらにしてもこの曲のCDのなかで屹立した一枚であることに間違いはないと思います。
聴いているうちに慣れてきてやみつきになる人も多いと思う。

2006年10月31日

ウイーン

職場の空調が変わって乾燥度が猛烈にアップ、風邪引きが続出するなかで「こんな職場にはおれん」と飛び出したのが14時、しかし行くあてもなく。

タワレコでメトネルのCD (Medtner: The Three Piano Concertos, etc. - Madge, BIS-CD-1258) を衝動買いしたあと、ふらり足は狸小路へ。

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狸小路7丁目にある名曲喫茶(というジャンルなのだそうだ)「ウイーン」に入る。喫茶店ではまずアイスコーシー(500円)を頼むワタクシですが品切れだとのことでレモンジュースに。妊婦か。

店内にはいつもより多め?の先客4人。壁面にしつらえられた大きなスピーカーからは音楽が流れてます。ガサガサと音を出すのも憚られるなか、資料読み。今日はホロヴィッツ(たぶん)のスクリャービン、リスト、それからなんかオケの曲になっちゃったのでいつしかウトウト。

座席はおおかたスピーカーに向いていて、各々本を読んだり目を閉じて聴き入ったりしていました。こんどは「これかけて下さい」ってCD差し出してみようかな。

ええ明日は頑張ります、明日は。

2006年10月22日

絶対音感

ネットに落ちているテストをいろいろやってみましたが、次の2つがまあお勧め。

(1)♪相対音感/絶対音感テスト
(2)音感テスト

両方とも相対音感(移動ドの音階が分かる。ハ長調のレをニ長調のドと認識できる)と絶対音感(固定ドの音階がわかる。ニ長調のドを聴いてハ長調のレと認識できる)の両方を試せます。

(1)のほうは12音(ド、ド#、レ、……、ラ#、シ)しか出てこないが、テスト形式を工夫してあり、難しい。
(2)は絶対音感のハイクラスが特徴で、1Hz未満の音の違いが聞き分けられるかテストされます。

やってみたところ、自分は相対音感はあるみたいですが、絶対音感に関しては中途半端なよう。つまり(2)の絶対音感・ハイクラスはほとんど聞き分けられませんでした。

しかしながら、自分のように「12音のうちどの音かは聞き分けられる(が、1Hz未満の微細な違いは分からない)」というタイプの絶対音感といわれるものは、要は440HzのA(「ラ」の音)がどんな音かを記憶していて、それとの距離で音を識別している気がする。つまりこれも相対音感の一種なんじゃないかしら。っていうか結局、(Aの音を正確に覚えているという)記憶力の問題なんじゃないかしら。

自分の場合は6つになるちょっと前からピアノを習い始めて、小学校の終わりくらいからは楽典をちょこっと習う中で聴音(先生が弾く和音やメロディを楽譜に書き起こす作業)の練習をやっていたというプロセスで育った音感だとは思いますが、これを絶対音感と呼ぶのはちょっと気が引けるな。多くの人が修得できるもので、なんか「絶対音感」という言葉がまとう天才っぽいイメージと違う(笑)。

ピアノという、自分でチューニングをやる必要のない楽器で育ったことも、12音以外の音に鈍感になった原因かも、と思います。弦楽器のように低い音から高い音まで連続している楽器をやっていたら、また感受性が違ったのかもしれません。

2006年04月22日

ショスタコのピアコン

■SHOSTAKOVICH: Piano Concertos Nos 1 and 2 / Concertino (hanssler CD93.113)

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲。
トランペットによるオッペケペー節(1番)と、ハノン・ハノン・ハノン(2番)というダブルバカ協奏曲(愛称は勝手につけました)のエッセンスは2台ピアノのためのコンチェルティーノに詰まっており、「2台~」だけ聞けばいいやという気になりました。結構気に入ったけど。

ついでに
■ショスタコーヴィチ:ベルリン陥落/忘れがたき1919年 (Marco Polo 8.223897)
SHOSTAKOVICH: Fall of Berlin / Unforgettable Year 1919 (The)

ベルリン陥落:1949-1950年に作られた戦争映画。スターリンがベルリン空港に降り立ち、大衆に向けてスピーチを行う場面がフィナーレだが、それを含めフィクションの要素も多いらしい。
「独裁者スターリンはクレムリンに自分の映写室を持ち、夜な夜な映画を見ていた。それは自分のための作品だ。彼はいつも夜に活動していた―犯罪者がみなそうであるように」(作曲者の回顧)
BGMはいたるところで威勢がよく、そして記憶に残らない。

2006年04月16日

悲しみの三重奏曲

■RACHMANINOV: Trio Elegiaque Nos. 1 and 2 (NAXOS 8.557423)

邦題はなんか安い少女マンガみたいで恥ずかしいですが、曲はかなりいいですよ。
ラフマニノフが、自分の才能を見いだしたチャイコフスキーの死後に書いた曲だそうで、2番に関しては「偉大な音楽家の思い出」という副題がついています。それを知ったうえで聴いてみると、気のせいかもしれませんが、チャイコフスキー的な旋律が聞こえるようです。それがどんなのかというのは、自分には音楽学の知識も、旋律を表現する言葉も足りないので、まあとにかく聴いてみて下さいとしか言えませんが。

2006年02月18日

神風協奏曲

■大澤壽人:ピアノ協奏曲 第3番 変イ長調「神風協奏曲」/交響曲 第3番 (8.557416)

ライナーノートによれば、大澤壽人(おおざわ・ひさと)は1907年神戸生まれ、53年に脳出血で死去。関西学院を卒業したあと30年にはアメリカに渡ってボストン大などで音楽を勉強し、その間にナチスドイツを逃れたシェーンベルクの授業も受けたようです。ここで日本人として初めてボストン響を振っているんですね(へえぇ)。さらに34年にはフランスに移り、36年に日本に戻っています。

当時の日本と西洋の音楽レベルのギャップもあり、戦中の日本ではあまり評価はされなかったようですが、戦後はラジオ番組をプロデュースして自作曲の発表やドビュッシー、ラヴェル、ファリャ、シェーンベルク、ストラヴィンスキー、プーランク、ヒンデミットなどの紹介も行うほか、神戸女学院で教えるなどしていたそうです。死後急速に忘れられた作曲家であったとのこと。

で、神風協奏曲ですが、これは38年作曲。戦争とは関係なく、当時の飛行機の名前で、つまり飛行機に対して献呈されたというんですね。
プロペラのようにくるくる回るテーマが次第に上昇していく、まさに飛行機そのものを描いたような第1楽章は、なんとなくプロコフィエフのピアノ協奏曲第1番を連想するものがあります(なんとなくね)。でも「"当時の日本人"にしてはよく猿真似できてますね」というようなレベルではなくて、後期ロマン派あたりの作曲家が書いたといわれれば「あ、そうなんだ」と思えるくらいの「聴けるコンチェルト」です。で、着陸して終わる(笑)

第2楽章は一転してガーシュウィン。どゆわけかジャジーな緩徐楽章です。でもこういう西洋の伝統的な音楽の流れからちょっと外れたスキマみたいなところに「日本的な音楽」が浸潤する余地を見つけたんじゃないか、という気もするんですよ。

第3楽章になるとまた飛行機とんでます。
最後に拍子が変わったかと思うと急速にテンポが上がってそのまま飛び去ってしまうんですが、ここがとても心地よいです。カプースチンもいくつかの曲でそういう終わらせ方をしてますけど、なんだか「ああ、いっちゃった」という余韻と郷愁を喚起するんですね、意外に。

2006年02月16日

ティオムキン

■Tiomkin: Red River (NAXOS 8.557699)

「ロシアからやってきたカウボーイ」ディミトリ・ティオムキンDimitri Tiomkinの「赤い河」サントラです。世紀転換期のロシアに生まれ、革命とともに西欧に移住、そして流れ着いた合衆国はハリウッドで映画音楽を手がけた人。標題音楽の極致といえば極致ですが、それでもちゃんとした書法で構成いてあるせいか単独で聴くのにも耐えますね。

自分には全然知識がないのでもしかしたら見当はずれかもしれませんが、昔の人ってよく転々と移住しますやね。社会保障とか権利義務とかどうなってたんだろう?と外国移住なんて考えられない自分など思うんですが。

2006年02月11日

だぶるチャイコフスキー

■Tchaikovsky, B.: Piano Concerto / Clarinet Concerto / Signs of the Zodiac (NAXOS 8.557727)

さっきまで結構長めに感想書いてたのにパソの不規則動作で消えました。イライラ
ボリス・チャイコフスキーBoris Tchaikovsky(1925-1996)は、有名なほうのピーター・イリイチ・チャイコフスキーとは特に血縁などないようですが。

ライナーノートによれば、第二次大戦後にモスクワ音楽院でショスタコーヴィチらから音楽教育を受けたそうです。確かに所収のクラリネット協奏曲を聴くとショスタコの影響が聞き取れますね。

60年代以降のソヴィエト・ロシアの作曲家たちが前衛に流れていくなかで、20世紀なりのメロディアスさ(と、リズム)をなんとか構想しようとしているように聞こえるのがピアノ協奏曲。和声の使い方なんか意外と好き。でも「みんな一度は思いつくけど怖くて作品として残せない」パターンであるような気もするです。

声楽では「星座のお告げ」(でいいのかしらん)。これはまあ好きずき…
買ってきたばかりのシーツを洗濯し、干しながら聞いてます。これまで使ってたシーツがすり切れたので。なんで独り寝ですり切れるかね(笑)

■Tchaikovsky: The Snow Maiden (NAXOS 8.553856)
で、こちらはピーター・イリイチさん。髭ムスメといえば新宿2丁目のバーですがこちらは「雪娘」。オーケストレーションは下手クソだけどメロディメーカーとして成功しているのはこのお人とショパンだと思ってますが、ショパンはピアノの曲作りがうまいだけまだ救いがあります(わー)

2006年01月15日

このところのNAXOS

■Ravel / Chopin / Saint-Saens: Anthology for the Left Hand (FL23080-1)
↓の曲集を聴いてたら「そうだ、左手の曲集…」となった安直さ。
■Scriabin: Etudes (8.553070)
わかりやすい曲ばかり好きな自分ですが、不思議とキチガイになってからのスクリアビンは聴けます。
(1.22)

■Bargiel: Suite, Op.31 / Fantasies, Opp.5 and 12 (8.223606)
バルギール。シューマンの親戚で影響も受けているとのこと。確かに(劣化)コピーみたいです。

■Avshalomoff: Piano Concerto / Symphony No.2 / Elegy (8.225035)
アヴシャルモフという人を知らなかったのですが、革命期のロシアからアメリカに渡る途中に中国に立ち寄ったらハマっちゃって、そのまま第二次大戦明けまで30年も居着いてしまった人なんだそうです。
中国の旋律を西洋クラシカルの作曲技法と融合させる、と言われると期待も膨らみますが、畢竟、欧米と中国の合作映画のサントラ。このCDに関しては特に驚きはありません。

■British Tuba Concertos (8.557754)
吹奏楽はマーチだけやってれば、と思ったのは自分の音楽体験が貧困だからです。すみません。でも思った。

■山田耕筰:序曲ニ長調/交響曲ヘ長調「かちどきと平和」/交響曲「暗い扉」/交響詩「曼陀羅の華」 (8.555350)
自分は「日本のクラシック黎明期によく書けました」というくらいの感想しか抱かなかったんですが…
(1.20)

■Brahms: Piano Sonata No.3 / Schumann: Piano Sonata No.2 (8.553236)
なぜか2曲ともキチガイのにほひがしてよい。ブラームスの第3とシューマンの第1楽章が特に…

■Brahms: Cello Sonatas, Opp.38, 78 and 99 (FL23167)

■Grechaninov: Piano Trios Nos.1 and 2 (8.223416)
グレチャニノフって初めて聞きました。ラフマニノフの同時代人でモスクワ音楽院に学んだあと、ロシアを出てパリ、米国で活動した人だそうです。このCDのトリオは、…まあ普通。ポップな感じのラフマニノフに比べて古風。
(1.15)

2006年01月11日

今週のNAXOS

■Piano Transcriptions for Four Hands (Anadis 7152)
4手のためのピアノ編曲集、といいつつシューベルトの幻想曲D.940なんて原曲じゃんw

■Ives: Three Quarter-Tone Pieces / Five Take-Offs / Hallowe'en / Sunrise (8.559194)
アイヴズの歌曲、室内楽、ピアノデュオ。
子供のいたずらのように聞こえつつ実はちゃんと計算された音の配列だけどそれが特に心地よいわけでもないという…
(1.11)

2006年01月02日

今週のNAXOS

■Rachmaninov: Symphony No.1 / Caprice Bohemien (8.50806)
ほかにブラームスの交響曲も聴いたけど、はあ、ふーんというくらい。
(1.6)

■Lenni-Kalle Taipale Trio: Nothing to Hide (86035-2)
ジャズ。フィンランドのバンドだそうです。
■Leclerc: Fratata (AN28830)
女声ヴォーカル。特には…
■Chopin / Schumann: Piano Concertos (Cortot, 1934-1935) (8.110612)
コルトーのピアコン。ミスタッチとか拍子とかあんまり細かいこと気にせずに世界を作っちゃうところが独特。同時代のピアニストを聞き慣れてるとやっぱりちょっと違和感ありますね。
(1.2)

2005年12月23日

今月、今週までのNAXOS

■Bolcom: Music for Two Pianos (8.559244)
アメリカの作曲家、ウイリアム・ボルコムの2台ピアノ作品。ミヨーの弟子なんですか、ほー。ペケポコ、パーン。

■Bolcom: Songs of Innocence and of Experience (8.559216-18)
CD3枚組!少年時代に書き始めて、完成・初演がオッサンになってからだそうだ。
ソロが13人にオーケストラ(ミシガン大オケ、うまいな…)つけるという物量豊富な構成だけど、1曲1曲は懐メロっぽくてなかなかよいよ。

■Brahms: Variations, Op.21 / Five Piano Studies (8.550509)
ブラームスの2つの変奏曲と5つの練習曲を収録。バッハから借りての練習曲はちょっとどうよ。他はよいね。難しそうだけど。
シャコンヌは最近はやりの左手レパートリーにどうぞ(誰に言っておるのか)。(12.23)

2005年11月28日

今日のNAXOS

■INDY: Piano Trio and Quintet / String Quartet No.3 (8.223691)
Vincent d'INDY だから日本語表記すると「ダンディ」になっちゃうのですね。わりと甘いだけじゃない弦楽四重奏曲がなかなか。

■Enescu: Piano Quintet / Piano Quartet No.2 (8.557159)
エネスコって名前は聞くけど曲聴くのは初めてです。ラフマニノフあたりとほぼ同時代人かな。ルーマニア生まれでパリを中心に作曲家としてのほかヴァイオリニストとしても活躍した人なのだとか。落ち着いた曲調が美しいけれど抑揚があまりないな…

2005年11月27日

今日のNAXOS

■Tchaikovsky: Piano Concertos Nos.1 and 3 (8.550819)
★★★★☆☆
なんかこの↑☆印の評価ってあんまり意味ないような気がしてきた。
ええと、超定番の1番協奏曲と、ほとんど聴く機会のない3番。1番はピアノのディテールがよく聞こえるのが好感。単楽章の3番は1番ほど強い動機がないからなのかな、なにかぼんやりした印象。でも時々見えるロシアっぽいフレーズは楽しい。

2005年11月25日

今日のNAXOS

■Liszt: Beethoven Symphonies Nos. 1 and 3 (8.555354)
★★★★☆☆
リストによるベートーヴェンの交響曲のピアノ編曲。アリだね、アリアリ。
…え、これって独りで弾いてるの?

■アイヴズ:交響曲第3番/ワシントンの誕生日 (8.559087)
★★★★☆☆
アメリカの保険屋さん、チャールズ・アイヴズ(ほんと?)。聞きやすい。

2005年11月23日

今日のNAXOS

■Beethoven: Piano Sonatas Nos. 27-29 (8.110763)
★☆☆☆☆☆
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集9 (8.550234)
★★★☆☆☆
ハンマークラヴィア(ソナタ29番)をちゃんと聴きたいと思ったのに、最初のやつは全然構成が見えなくてダメでした。下のイェネ・ヤンドーの演奏でやっと聴いた気分に。円熟期の作品のはずなのに、なんか古めかしい曲よね。弾き通すのに50分近くかかるせいで弾き手に精神力が必要だというのは、なるほどという感じ。

■プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1,3,4番 (8.550566)
★★★☆☆☆
4番がWikipediaで「演奏不可能の作品」に含まれていたので「ほほう」と思って聴いてみることにしたのですが、聴いてみると「別に?っていうかショスタコ?」というくらいの…。

■Balakirev: Symphony No.1 / Islamey / Tamara (8.550792)
★★★☆☆☆
イスラメイってオーケストラ版あったの?と思ったらリャプノフが手がけていたそうな。うんうん、こういうのもアリだな。交響曲は逆にもっと小さい編成でいいんでねえの?と思った次第。

2005年11月21日

今日のNAXOS

■Faure: Requiem / Messe Basse (8.550765)
★★★★★☆
フォーレといってもドリーしか知らなかった(乏しすぎ)けど、本領はこっちなんでしょうかね。朝からレクイエムなんていかがかと思ったけど、寝ぼけた頭で何かごそごそしながら聴くのにぴったり。

2005年11月20日

今日のNAXOS

■Warsaw Concerto and Other Piano Concertos from the Movies (8.554323)
★★★☆☆☆
1940-70年代の映画に使われたコンチェルト集。わかりやすくていいです。クラシックにおけるポップス化はトーキーの草々とともに不可逆になったのかしら、なんて知ったかぶってみたりして。知ってる作曲者の名前はリチャード・ロドニー・ベネットRichard Rodney Bennettくらい。全体的に某「砂の器」なんかよりよほど手が込んでますですね。あ、でもこればっかだと飽きるかも。

■Guarnieri: Piano Concertos Nos.1-3 (8.557666)
★★★★☆☆
■Guarnieri: Violin Sonatas Nos.4-6 (8.223703)
★★★★☆☆
ブラジル!ヴィラ=ロボスよりちょっととっつきやすい感じ。わかりやすいの好きな自分には結構イケました。

■Chopin: Piano Concertos Nos.1 and 2 (8.554540)
★★★★☆☆
なかなか快調。表現はいまひとつな感じだったけどノッて聴けるピアコン。

■Busoni and His Pupils (1922-1952) (8.110777)
★★★★☆☆
まずはブゾーニの演奏でバッハ、ベートーヴェン、ショパン。それから後継世代のピアニストたちによるブゾーニ作品の演奏。ブゾーニ自身はピアニストとしてよりも作曲家として名を残したかったようですが…どうしても聴いておかなければ、という作品はあまりないような気がします。それよりヴィルトゥオーゾとしてのブゾーニのほうが面白い。悪いけど^^;

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