発表会が終わり、やれやれ転勤まであと1曲くらいかなあと思っていたところ、先生から「発表会でやったやつに1曲足してコンクール出ない?」と打診がありまして、それが異動直前なので「ちょ、ちょっと考えさせて下さい」と返答したままとりあえず先生から提案のあった曲に手をつけました。
■スクリャービン「ノクターン Op.9-2」
左手だけで弾く曲です。
スクリャービンが苛烈な練習のせいで右手首を痛めた時期に書かれたものだそう。
作品9-2でノクターンとくれば、ショパンの超有名なノクターンが想起されるでしょう。
この曲もおそらくそれを意識しているんじゃないでしょうか。ロマンティックな曲です。
ゆったりとしたメロディーにアルペジオが寄り添う。チェロとピアノの重奏のように進めるのが理想。
まるで右手と左手で弾いているように聴かせるのがとても難しい。そして、メロディーが連続しているように聴かせるのがとても難しい。微妙にタイミングを測りながら音が極力濁らないように踏むペダリングが難しい。
演奏時間は4分台後半から6分半くらいまで結構幅があります。そしていくつかの演奏を聴きましたが、あまりテンポを落としすぎないほうがいい曲じゃないすかね。
「あら、男性が弾くと男性的な演奏になるのね」
どゆ意味ですか……