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2012年05月 アーカイブ

2012年05月31日

確率

■Haigh, John, Probability: A Very Short Introduction, New York: Oxford University Press, 2012.

リスクとか考えるならワードマップで準備運動、ということで手を付けてみました。
コンパクトだが、コンパクトすぎて多少調べものがいるかも。でも一望することはできる。事例は豊富。

Craig Ventner(Venterの間違いか?)がNobel Laureateとなってた(p.115)けど、ベンターってまだノーベル賞取ってないよね?

本濱

大門駅近く、本濱(ほんはま、と読むらしい)。
いーなー行こうかなーと思いながら昼時にネットで調べていたら、背後から「タイめし行かない?」との声。これは神のお告げ。「鯛めし行きましょう」ということでこちらへw

13時過ぎだというのに行列。
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メニューはいっこだけです。鯛めし定食、1200円。
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あら煮と唐揚げ(左上)が沁みる。弊管理人は刺身はあんまり食べませんが、これ(右上)は素直にうまかった。漬け物はしょっぱくなくてよい。鯛飯はほくほくで最高。おかわり(無料)しちゃいました。だしもいい味です。
二人で店を出て「……う、うまかったよね……」と幸せを確認しました。
おなかいっぱい。相当に高いコスパ。楽園は意外と近くにあった。

2012年05月29日

ルヴェソンヴェール

昨日。東大生産研で午前のお仕事。

駒場キャンパスでお昼食べましょ。ということで、以前から気になっていた、ルヴェソンヴェール。
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保健センターだっけ?と思っていたら、もと一高同窓会館。あそっか。
記憶の中の同窓会館は森の中。薄暗い階段を上がったところにある古い宿屋みたいな和室で、持ち込みのお酒を飲み、すき焼き鍋を囲んだものです。
それが今やこのとおり、
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なんかしゃらくさい感じのお店に(笑)
ランチはなんと800円(安いという意味)。味は値段相応。3時にはお腹すいたけど。
メニュー見てお給仕さんに「フジッリって何ですか?」と聞いたら「聞いて参ります」と(正解はねじねじの短いパスタ)。
いいんです。大学だし。

2012年05月23日

ドォーロ

なんでも職場の元偉い人(ちょっと前のエントリーに出てくるS2氏)が通い詰めたということで、この人の名前で呼び習わされてしまっているイタリア料理店、「ピッツェリア・ドォーロ(Pizzeria d'oro)新橋店」。おかげで正しい店名が全く覚えられません。

初夏の日差しの中、同僚2人とランチへ。
せっかく3人だし、いろいろ食べたいねということで、ペペロンチーノの大盛りと、マルゲリータと、リゾットの大盛りを頼んで分けました。

ピザ。至福のモッツァレラにメロメロキッス。
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リゾット。米の海で溺れたい。
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がつがつ食い過ぎて、このあと来たパスタは写真に収め損ねました。
普通盛りは1000円前後、大盛りは+200円。ドリンク付き。危ういことにビールも選択できます。
あー幸せだった。あー
午後の仕事はちょっと不幸だった。
ちょっとだったのですぐ大丈夫になりましたけど。

2012年05月19日

パラダイムとは何か

■野家啓一『パラダイムとは何か―クーンの科学史革命』講談社学術文庫、2008年。

90年代の終わりに、「現代思想の冒険者たち」というシリーズが出版されました。20世紀の思想をつくってきた思想家たちを総括する内容でとても読みやすく、当時大学生だった自分も何冊か手に取りました。本書もそのうちの一冊ですが、あれからいろいろな本を通過して、14年経ってふたたび文庫版を読んでみると、当時よりも格段に面白く読めました。

「パラダイム」という言葉を人口に膾炙させるきっかけとなった『科学革命の構造』を62年に出版して以来、科学の合理性や進歩を否定したとして厳しい批判に晒されてきたトーマス・クーンを〈科学〉殺人事件の被告人に見立て、検事にそれまでの科学哲学者たちを置き、著者は弁護人を買って出るという構成。刑事裁判の仕組みをちょっとだけ知っていればとてもよく事件の構図と被告人の来歴を把握できる、優れた、そしてちょっと感動的でさえある法廷取材記になっています。

科学革命が起こる過程は、だいたい次のようなものだといいます。
ある研究分野を創出するような基本的課題と概念と研究結果のセット(「パラダイム」。モノとしては、典型的には「教科書」に結実する)が生まれ
→そこから生じてくるさまざまな課題にみんなして取り組み(「通常科学」の時期)
→しかし問題を解いているうちに次々と理論に合わない事例が蓄積していってパラダイムが揺さぶられ(「危機」の出来。この「通常科学を突き詰めるプロセス」を経ないと新旧パラダイムの緊張関係や革命に繋がらないことにも注意)
→そのころ生まれ、旧パラダイムと併走を始めていた新しいセット、つまり新パラダイムへの移行が起きる(「科学革命」)
→始めに戻る。

旧パラダイムと新パラダイムでは、たとえば「力」「運動」「質量」といった同じ言葉を使っていても、その意味が変わってしまっており、新旧のパラダイムを比較して「こっちよりあっちのほうが正しい」と評価できるような判事の立場が設定できない(本法廷ではポパーが判事を務めていますが、この人は検事と同じ立場なので、本当は判事の席にいてはいけないのですね)。これが「真理に向けた科学の累積的進歩」を否定したとして反発を呼んだポイントだったようです。

筆者は、批判に反論し、誤解を解きほぐしながら、クーンの弁護を進めていきます。

確かにクーンは「真理に向けた科学の累積的進歩」を否定しましたが、
第一に、それは科学革命の時期(パズルの盤自体が変わっちゃう時期)の話であって、通常科学(みんながパズルを解いてる段階)の内部では累積進歩が起きていると認めている。
第二に、科学が累積的に真理に近づくという見方は確かに否定する。けれども、かわりに、科学は革命期に「進化」をしているのだと見るのが適切だという。つまり、起きているのは生物がやっているような最終目標のない進化であると考える。科学が進化するときには基本設計が変化するだけであって、何かの積み増しが起きているのではない。

新旧パラダイムはまったくコミュニケート不可能だとも誤解されているが、両方を理解することはある程度は可能で、新たに異文化を学ぶときのように、概念のセットの翻訳作業のような方法を通じて迫っていくことができるはずだという(科学史研究者としてクーンがした仕事の方法がこれ)……など、など。

この本では、彼が何を追撃していたかも丁寧に解説してくれています。科学哲学のクーン前史とパラダイム論争、科学社会学の流れと基本概念がざっと見られる、親切な本だと思います。

あ、あと最近これも読んだ。
■アレックス・ローゼンバーグ(東克明他訳)『科学哲学』春秋社、2011年。
けど、訳文に全く馴染めず、校正も甘く、まず読み物として苦痛すぎて飛ばし読みせざるをえず。
ストロング・プログラムを「強いプログラム」って訳すのは普通なんだっけか。

2012年05月18日

NDLカレー

国会図書館のカレー、500円。
新宿中村屋とコラボしたそう。
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意外とうまいw

加藤紘一先生発見。
プリンスがひとりめし。さびしい。

2012年05月13日

タイフェス

タイフェスティバル2012に行ってきました。
最寄りの原宿駅は一時、入場制限がかかるほどの人出。人多いのかな、と思ったら
この剣幕。
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でも、出店が多いので意外と待たずに食い物が買えました。
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ごはんもの
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マンゴーアイス
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と一気食いして一気に満腹、終了気分。
ガパオはいつも食べてるからいいやと。
タイのごはんはおいしいなー。大好きです。

2012年05月09日

おしゃべりな細胞たち

■大和雅之『おしゃべりな細胞たち』講談社、2012年。

この間に続き、細胞シートをやっている先生の本。ただし今度は対談集で、「再生医療をよく知らない人」「美容業界を知ってる人」「再生医療と科学コミュニケーションのことを知ってる人」「医学の人だが再生医療の人ではない人」「ビジネスの人」とお話されてます。相手が相手ということもあり、易しい言葉で語ってくれるのがうれしいですね。ただもう「インジャリーした(外傷を受けた)ところの組織を」とか「フェイル(失敗)してしまう」とか、この業界の人たちの癖なんでしょうけど、ルー大柴みたいなしゃべり方をそのまま採録しなくたっていいやん、とは思います。

再生医療というと、とかく患者が少ない難病を治そうとか、あるいは命や生活の質にかかわる重大な病気をとか、そういうミッションが語られることが多くて、それは正しいことで、かつ著者もそういうことをやっている人なんだけど、一方で「いや、でも、とば口として美容とか、そういうところから使っていくのもありじゃないかなあ」という柔らかい考え方をしているところが面白いなあと思います。医学を医療として、そしてビジネスとして成り立たせていくのに結構有効な戦略かも、と思ったりもします。

医学部の教授ですが、理学部出身の変わり種(日本では、だそうですが)の著者。再生医療だけでなく、SFを語り、行政を語り、そして「とんがった事業のやり方」を語る。

2012年05月05日

おつきみ

スーパームーンだって。
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コンパクトデジカメでもわりと撮れるねえ。
ちなみに、日の丸みたいにトリミングしようとしたら、うっかり国旗国歌法の特例(附則3)のほうのサイズにしてしまった。ちょっと丸がでかいんですよね。

きょうは2年ぶりに、東京国際フォーラムでやってるラ・フォル・ジュルネに行ってラフ3を聞いてきました。
もちろんこの曲は弾ききるだけで拍手ですが、無難で一本調子。語るほどの演奏でもなかった。この曲が持つカタルシスを引き出すなら最後に減速しちゃだめだよ。
あと、いっぱい人が来るイベントだからしょうがないけど、お金の匂いとかオーガナイズの悪さとかで元気なくなります。たぶん弊管理人はこのイベント嫌いなんだと思う。

【翌日追記】

このあと、吐くまで飲みました。
6日の予定をいっこキャンセルしました。

2012年05月04日

台場

まだ行ったことのなかったお台場の科学未来館へ。
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JST(日本標準時でも日本移植学会でもない。科学技術振興機構)企画、理研(乾燥ワカメの会社ではない。理化学研究所)バックアップだけに、拾ってるトピックはすんごく面白いものばかり。説明もさすがに分かってる人が書いているので噛み砕き方に安定感がある。でも楽しい見せ方という点ではもう一歩か。あと、これはしょうがないが人大杉で見たいものが見られなかった。ときどきビッグネームが講演に訪れたりするので、そういうイベントのついでに常設展を見に行くくらいのテンションでいいかなと。

水上バス乗り場に帰る途中、こんなのいました。
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ロボットって別に人の形をしてなくていいのにね。

2012年05月03日

細胞シートの奇跡

■岡野光夫『細胞シートの奇跡』祥伝社、2012年。

再生医療というとここ数年は多能性幹細胞=iPS細胞とES細胞が特に注目されていますが、患者を治しているかというとそれはまだ緒に就いたところという段階。
これに対して、患者自身の細胞(幹細胞に限らない)をお皿の上で培養してシート状にし、悪くなったところにぺたっと貼り付けて失われた機能を補ったり回復させたりする、そういう著者らの医科学と工学を融合した再生医療は、もう一歩先を歩いています。角膜、心筋、歯根膜、膵臓、そして中耳など、シートを作る基礎の技術が、さまざまな領域において新しい治療に向けた研究を芽吹かせています。おそらく多能性幹細胞とのコラボも数年のうちに成果が見えてくるでしょう。
高分子研究から入り、独自の組織工学、医工学を展開させ、ベッドにまで届けた円熟の著者が、これまでを振り返るとともに、普及に向けた「これからのあと一歩」を展望する。

で、展望の部分では新しい医療技術と薬事法の齟齬とか社会のリスク受容とかといった社会・制度面の話を熱く語ってますが、「...どの分野よりも優秀な人材が集まる医学部には、もっと大きな投資をしてもいいでしょう」(p.198)とか言っちゃうのが残念。あと、無闇に横文字が多いとか、難しめの用語が説明なく使われいたりとかいうのは(筆者ではなく)編集がちょっとまずい。そのへんを除くと、細胞シートのわくわくする可能性と筆者の熱意がビシビシ伝わってくるいい本だと思います。

2012年05月01日

連休前半

休みは始まりが楽しい。

■初日の土曜日(28日)はちょっと仕事をし、そのまま酒場へ。

■日曜、月曜と田舎に帰ってきました。
↓筍を探しに行く父方のばあちゃん。
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じいちゃんに初期の胃がんが見つかり、5月中旬に手術の予定だそうです。90歳なので体力的にどうかという懸念はあるが、しかし切って治るなら切ってしまってもいい気もする。
父はおばあがちょっとおかしくなってきたかもと言っていましたが、弊管理人が見る限りはそうでもないなあという感じ。

↓母方の実家でおばさんの手料理と寿司。3月に父が定年を迎えたのでお疲れさん会とのこと。
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おばさんによると、91歳のばあちゃんが「いよいよダメになってきた」というのですが、弊管理人が見る限りはそんなに変わってないんじゃないかなあ、という感じ。
10数年前、ご飯を食べたこの部屋には3家族12人が集まって入り乱れながらわいわいと食事をしていたのですが、鬼籍に入る人、遠くに住む人などが出て半分以下に減りました。しかし、新たに参入する若い人というのがいなくて、平均年齢がそのまま+10数年になりました。
ほぼ最後に残るのは弊管理人だろうと思います。どうソフトランディングする(=あまりあわあわしないで死ぬ)かが課題です。

■そういえば以前、看取りビジネスというのを考えたことがあります。看取ってくれる人のいない人から、必要経費+遺産を報酬としていただくかわりに臨死期と死後の身辺整理をするというもの(医療や介護のサービスとは別)。病院なら死亡宣告に立ち会い、自宅で亡くなったら医者を呼んで死亡確認をしてもらい、役所の手続きをし、生前に作ったリストに従って通知したい相手に死亡を知らせ、遺体の骨を拾ってお寺に納める(跡形を残さないため散骨をデフォルトにする手もある)。あとは家財の処分。

このあたりは生前に、手取り足取り指導をしながら詳細に遺書を書いてもらうとか、お棺に入れてほしいものと処分していいものを分別するなどの準備をしてもらっておけばできるでしょう。

よくわかんない業者がやるとネコババや契約違反などが恐いという思いはあるでしょうから、実績のある大手葬祭業者がやるか、法律事務所が下請けを使ってやるかの形がいいと思う。まあこの人たちだって大丈夫というわけじゃないので、外部の目をどこかに組み込まないといけないんでしょうけれども。

ちょうど、男性の2割以上が生涯未婚、というニュースをけさ目にしました。

■twitterで、完全友達づきあい用アカウントを開いてみました。
これまでの、開くたびに人の攻撃性みたいなものが充ち満ちていて気の重くなる情報収集用アカウントとは全然風景が違って、楽しい。

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