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2009年02月 アーカイブ

2009年02月28日

人間の未来

■竹田青嗣『人間の未来 ―ヘーゲル哲学と現代資本主義』ちくま新書、2009年。

ポストモダン「後」の社会の原理をどう構想しましょうかね、ということをヘーゲルに依拠しながら考えていく本です。

近代社会のキモである国家や資本主義。それを「階級的支配のための装置だ」と否定したり「そもそも幻想にすぎない」と否認したりしても、どこへも行き着かない。
なんでって、資本主義は生産と消費をどんどん拡大することで、初めて人間を欠乏状態から来る富の奪い合い(万人の万人に対する闘争)から救い出したわけだし、それと同時に暴力を国家が一元管理して、人々は暴力ではなくルールによる競争を通じて自由を実現していく条件は、少なくともできてるじゃない。国家を否定しても暴力の渦の中に戻るだけだし、資本主義を否定してもやはり富の欠乏によって暴力による奪い合いに戻るだけでしょ?ということを繰り返し説明します。

では、現在のように国際的なマネーゲームが各国の国内ルールなんてお構いなしに格差と金融崩壊を作りだし(そこで蓄積した不満がテロをも招来し)、大量消費と大量生産が資源を食いつぶそうとしているときに、近代をどう修正したらいいんだろうか?
資源を食いつぶすことで起こるのは、かつて資本主義が始まる前に慢性的にあった「欠乏」に再び人間を突き落とすことであって、それは暴力による奪い合い状態を復活させるのだとまず気づくこと。
それを避けるために、近代国家が作ってきた「国民間の(暴力でなく)ルールによる統制」というものを、国家間のルールによる統制にまで広げていくこと。これらが必要だといいます。

資本主義が19-20世紀に生み出した問題に対して、資本主義じゃあダメ、かわりに共産主義という究極を!とごり押しした「絶対主義」も、そうした大きな物語が倒れたあとに「何言っても空しいよねー」と引きこもってしまった「相対主義」も、まあそう考えたい気持ちは分かるけど、もうそろそろ死亡宣告でいいでしょう。
そこで参考になるのが実はヘーゲルで、彼は既に「絶対」も「相対」もだめ、ということを言っていて、かわりに、人にとっての「よいこと」というのはそもそもみんな違っているので、それらをルールのもとで戦わせながら「より普遍的なのはどれか?」を探求していくべきだ、そのプロセスに人の自由の本質がある、という示唆を与えてくれるのだそうです。

で、私の感想ですけども。
(1)この本読みながら、ローティの「自文化中心主義」を思い出してました。究極の真実なんつうものはそもそも知り得ないので、自分の立ち位置から出発して、しかし自分も間違っているかもしれないという態度を保ちながら、異なる価値を持つ人たちと接する中で「より多くの人が合意できる落としどころ」を探していくしかないんだという考え。そんなもんヘーゲルが200年も前に言ってるよ、ってのはほんとかいな?と思いつつ(『精神現象学』読んでないので……)やっぱりこの辺に落としどころ求めるしかないのねー、と思った。

(2)少し前にあるところで友人が「大きな物語の終焉→ポストモダン」は、実は「より大きな物語(地球規模・国家ではなく人間社会全体の問題)の出現→立ちすくむ」ではないか?と言っていたのですが、その整理のしかたがかなりいいとこ行ってたんじゃないかと思いながらこの本を読んでました。
ただ少し修正するとすれば「大きな物語の終焉→ポストモダン・期を同じくして・より大きな物語の出現→ポスト・ポストモダンの思想が必要になっちゃったが、それがないことによるオロオロ感」なのかなという気がしてます。

面白かったかどうかはこの感想文の長さで気づいて下さい(笑)

2009年02月27日

ホットサンド

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札幌市中央区南3条西3丁目の、Hallstairs Espresso Bar
といっても市内に腐るほどある(そして銀座にまである)「宮越屋珈琲」の系列です。

ここだけのメニューなのか各店舗にあるのか知りませんが、温かいサンドイッチ(500円)がうまい。
4枚切りくらいの厚さのパンの中にチーズとハム、あとたぶんホワイトソース。そしてパンの上に粉チーズかけて焼いてます。絶対自分でできる。でも頼んでしまう。そして 至 福 。

2009年02月25日

櫻珈琲のモンブラン

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札幌市内に展開する「櫻珈琲煎房」。
春先の細かい湿った雪を避け、昨12月にオープンした札幌市民ホールのお店に入ってみました。
別の店舗には何人かの友人を連れていきましたが、いずれも他のお客さんとの距離に余裕があり、照明も暗めでゆっくりできるので気に入っていただいているみたいです。

いつもどおりモンブランとアイスコーヒーのセット、880円。
お値段はかなりいいですが、お味はなかなか。
そこはかとなく温かいワッフルの上にモンブランが載ってます。

サボっているのではありません、
資料を読んでいるのです。

2009年02月23日

伊達

月曜、火曜と休みをとって知床に行こうと思ったらものすごい悪天候に見舞われ、やめました。
そこでグレまして、カメラと新書を持って山に逃げ込むことにしました。

北海道伊達市大滝区の「北湯沢温泉」。

大きな地図で見る
(Googleの道案内、所要時間までわかって便利だねー)

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雪深い山の中にある「ホロホロ山荘」というお宿。
施設は古い。大浴場は巨大なサンルームみたいです。巨石がごろごろ。
熱いの苦手な自分はぬるめの温泉気に入りました。3回入浴、さらに岩盤浴。
食事は朝夕ともビュッフェ。
そしてひたすら本を読む。
そんな30代負け犬OLのような休日(いやまあそうなんだけど)。
久しぶりに和式便器でウンコしました。

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伊達の街に出て、有名店「そば順」でたこ天そば850円。
北海道洞爺湖サミットのときに応援で入ってきたうちの職員たちをうならせた一品。
タコの頭の破片が天ぷらになって入ってます。
そばは田舎そば。もちっとしていてうまいです。

ピーカンの太平洋岸を帰ります。
室蘭のチキウ岬。
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これで「まだ攻略してなかった北海道」3つコンプリートです。
あとひとつ、うっかり忘れてたポイントがありますが、これは後日リベンジするかどうか。

札幌に戻ったらあいかわらず雪でした。
さぶさぶ……

2009年02月18日

ロクシタンカフェ(笑)

↑ああ「スイーツ(笑)」のヴァリエエションです。

というわけで東京出張ついでに大学時代の同級生女子(女子?)と池袋で昼飯。
どうせなら話のタネになるところをということで連れていっていただきました。
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これだ!頭が高い!w

どれも一品1000円くらいだと思いねえ。
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わりと自分でも作れそうだということで意見が一致したラタトゥイユ。

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腹一杯にはならないが一食にカウントすることは許す、サンドイッチ。
固いパンではいつも上あごか唇を切る私です。
今回は唇の調子が悪かったせいもありひとしきり流血。

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よくできていたのはこれ。名前は失念したがチョコ味の紅茶の上にバニラアイスがのっかってオレンジピールがかかってるやつ。とにかく容器がでかいとです。

以上、昨日の話。
東京はピーカンだったのに新千歳空港が豪雪で、羽田を発った飛行機が花巻上空から引き返してしまい、結局新宿のカプセルホテルで夜明かし。
へとへとになって昼過ぎに札幌に戻り、なんとなくそのまま残務を片付けているうちに夜まで仕事してしまいましたとさ。

2009年02月15日

1冊でわかる経済学

■パーサ・ダスグプタ著、植田和弘ほか訳『1冊でわかる経済学』岩波書店、2008年。
Partha Dasgupta, Economics: A Very Short Introduction, Oxford University Press, 2007.

アマルティア・センの『不平等の再検討』を読もうと思ってページを開いたものの、こりゃ経済学の入門書をまず読まないかんなとページを閉じ、そして本を探し始めた1月。
ノーベル賞おめでとう記念でスティグリッツ経済学でも、と思ったら3分冊で計15000円、2000ページのボリュームに尻込みし、この安直な表題の入門書に手を出したというわけ。

感想。予想外におもしろかった。

米国とエチオピアに住む二人の仮想の女の子を登場させ、なぜ一人は豊かに、もう一人は貧しく暮らし、そして今後もそのままなのかを問いながら、経済学の考え方を紹介していきます。

リスクから身を守る保険、信頼できる政府、幅広く資金を集める株式会社と有限責任、知識産業と特許。こうしたさまざまな制度が、共同体を超えて互いに顔も知らない人々が協働し、自分たちだけでやるよりも多くの富を生産し、それを分け合うことをいかにして可能にするかを概観します。

さらに、これまでキャッチフレーズであるという以上に知られてこなかった「持続可能な発展」について1章を割いて見通しを与え、終章で共同体も市場も供給できないどんな財を政府が与えるべきかを検討しています。

訳者解説によると、この本は入門書としてはかなり特異な構成になっているそうですが、スタンダードを踏まえていない自分にはそのズレ具合が分かりません(笑)やっぱり2000ページ読むのか。アー

2009年02月14日

学校って何だろう

■苅谷剛彦『学校って何だろう―教育の社会学入門』ちくま文庫、2005年。

意外に待ち時間が多かった出張先で急遽仕入れた本。
毎日中学生新聞に連載した文章を本にしたものだそうです。
実は教育社会学関係の本を読むのはこれが初めてだったので、とても楽しく読ませていただきました。

(1)当たり前と思われているものを見つけてきて(2)別の時代や別の国と比べ、その「当たり前」を支えているものを発見する。
題材は試験、校則、カリキュラム、教科書、生徒、先生、学校と社会など。
(1)の作業が結構難しいんだろうなー、と思いながら読んでました。

読者の中学生たちには、考えるためのいろんな材料と問いが投げかけられます。
31のオッサン(私)が読者だと、全編にわたって「クイズ教育社会学、元ネタは何でしょう!」に見えました。

2009年02月06日

ナポリタン

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ナポリタン・自分用メモ。

ソーセージ、ピーマン、タマネギ。
ソーセージ+タマネギを先に炒めて火が通ってきたらピーマンを足す。
ケチャップを足す。
適宜、中濃ソース、塩、胡椒。塩味が弱いとケチャップの甘さが目立つ。
茹で上がった麺を足して強火で炙りながら絡める。

土日が仕事なので今日は代休をいただきました。
お昼ご飯に作ってみました。
外は雪やこんこ。
冷蔵庫の余り物でできたのでまだ家から一歩も出てません。

YONOJI

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札幌市中央区、狸小路6と7の間の7の側を北に15mほど歩いたところにある「エムズスペース」の2階にある……なんつうの、多国籍料理?YONOJI

直径20センチほどもあるハンバーガーがおいしい。
バンズがふかふかなので食べる前に手で潰すとアゴを外しません(笑)
おすすめはチーズバーガーと、テリヤキバーガーにフライドエッグのトッピング。
以前、4人で行ってハンバーガー4個とタコスを頼んで分け合いながら食べたら腹が苦しくなりました。

ときどきソーダ類の炭酸が抜けてたり、サーブにものすごい時間がかかったり、意外においしくないメニューがあったりとムラのあるお店ですので、寛容の心と、選球眼を磨く不断の努力と、おいしいものに当たった時の感謝の気持ちを忘れずに通えばいいと思います(笑)

2009年02月05日

ぴあのれっすん(12)

3月にある発表会のプログラムができてました。
周りは上手なちびっ子ばっかりっぽい。
おっちゃん恥ずかしいよ。

「ピアノ(弱音で弾くこと)って自分が思ったほどピアノになってないの。自分の演奏を録音して聴くとわかるわよー」

それもすっげえ恥ずかしい!!
でもやらなきゃ……

■メトネル「おとぎ話」Op.20-1
■シベリウス「即興曲」Op.5-5

2009年02月03日

またつ(昼)

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札幌市中央区大通西15丁目の和食「またつ」。
ネット界隈で有名なお店らしく、私も豚丼をこそこそ撮影していたら(といっても1枚でキメたのだが)お店の方に「いいカメラ持ってらっしゃるからネットの方かと」と言われました(笑)。いや、そんなにネットの方ではありません(笑)

今日はランチに潜入。
豚丼1100円。安くはないが豚丼て大体どこで食べてもこんなもんです。漬物、味噌汁、サラダ、珈琲がついているのでむしろ少し割安感があるかも。
濃ゆーいタレで白飯を食わせるヴァナキュラーな(?)豚丼ではなく、上品で香ばしい肉がたくさん載っている、味わいながら食べたい逸品でした。

そのほか日替わり定食が800円、要予約のカニ飯などもありました。
夜のメニューも見せてもらいましたがどれもうまそう。私はナマモノ食えないのですが、本州からのお客さんが来たら一度夜に連れていってみたいと思います。

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