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2008年10月 アーカイブ

2008年10月28日

ジャーナリズム崩壊

■上杉隆『ジャーナリズム崩壊』幻冬舎新書、2008年。

上司が読んだらしく職場の共有机にぽんと置いてあったので昼休みにマッハ読み。

記者クラブ批判はごもっとも。
アメリカでは新聞の役割は論説と解説で、速報は通信社の専門。これもごもっとも。
NHKはこすっからい組織。うははは、そうだろうねえ。

通底するのは「他社と同じ報道をしないとダメ」という横並び意識。記者クラブはもう言うまでもなく、日本で新聞やテレビが通信社と速報合戦やメディアスクラムをやっているのも、考えてみれば同じ原理に立っている。

で、おおかたの人はおかしいと思っているんだけれども変えられない。
で、おかしいと言う人は偉くなれない。

いち早く東京で夕刊を廃止して、webで通信社の速報ニュースを流しつつ紙面は論説を濃くするという産経新聞のチャレンジはそれなりに当たったと思うんですけどね。あとに続く会社はあまりないなあ。

ひとつだけツッコむとすれば、この手の本でひとつ気がかりなのは、外国メディアの人間がみんな崇高だとか教養豊かだとか、そういう幻想を持たれそうだなあということですが。

2008年10月26日

おまえが若者を語るな!

■後藤和智『おまえが若者を語るな!』角川oneテーマ21、2008年。

著者「宮台真司とそのお友達と手下が蔓延させた、浅薄で何ら実証的でない社会分析もどきのものを片っ端から名指しでぶった切った本なんですけど」

わたくし「雨もようの寒い日曜日を使って一気読みさせてもらいました。久しぶりに脳を使ったら途中でエンゼルパイと牛乳が必要になっちゃって……いやその、おっしゃってることは確かにそうなんですけど、本であげつらってるのはどれも新書みたいですし、ちゃんとした議論は学術書に譲って、ぼくらはアドホックに提示される物語を『あるある』とか『そりゃないわ』くらいな調子で消費していけばいいんでは」

著者「だめです。そうやって糞論説を垂れ流しながら成り上がっていった宮台は政策に影響を及ぼしたりしてるでしょう。こういう統計データも参照せずに思い込みで世代論を展開するような輩を許してると実害が出るんです」

わたくし「す、すみません」

著者「だいたいほら、自分の興味あるサブカル作品とか話したことある女子高生の言ってたこととか、そんな局所的な証拠から社会全体を語るとかってひどいでしょう」

わたくし「うーん自分の見たところ、作品や証言って、一般論を組み立てる上での材料として使っているケースもあるけど、別立ての思索の中から導いた一般論の切れ味を示す例として使ってるケースも多いと思うんですけど」

著者「だからその一般論を導くのに統計も使わず妄想だけでやってるわけでしょーが!」

わたくし「あがががががが」

著者「その意味でこの本は、手抜きの議論をもとに安易な世代論に参画し、自分以外の世代を敵として作り出して叩いて何かを解決した気になる、そんな知的怠慢をぶちのめすエポックメーキングな本だと思うんですが」

わたくし「うん、読んでる途中に『これは釣られる人多いだろうな』と思ってネットでブログ書評をいくつか見たんですけど、『ならば著者は世代論に代わるものを提出せよ』っていうツッコミは多いものの――個人的にはぶっ壊す仕事には別に対案は必ずしも必要ないとは思うんですが――おおむね『それでも言ってることは正しいね』というものが多かったように思いますね」

著者「そうでしょう、今後はこれを本棚に置いて今までのあなたの浅はかな読書生活を見直して……」

わたくし「あ、でもすいません、実はこの本、平日のランチ後に紀伊国屋で表紙を見たときに、著者名とタイトルからあまりにどんな構成の本か想像できたので、買わずに図書館で借りてしまいました」

著者「ぎゃふん」

2008年10月21日

ぴあのれっすん(9)

前のレッスンのあと、出張したり風邪ひいたり東京行ったり風邪引いたり仕事が込んだり東京行ったり風邪引いたりしていたらうかうかと1ヶ月経ってしまいました。あああよくない。

先生から発表会出ませんかと誘われました。
いやー、発表会!久しぶりだ。
「やっぱり人前で弾かないと上手くならないからねえ」そうです、その通り。
というわけで3月に向けて2曲ほど用意することになりそうです。

ドビュッシー/「版画」より「塔」

2008年10月20日

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか

■森達也『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』集英社新書、2007年。

これはー、買うべきかなー、借りて済まそうかなー、と紀伊国屋で表紙とにらめっこしたあげく(待ち合わせ直前で急いでいたのだ)直感で買うのをやめ、その後図書館で借りた本。

え、まあ、2時間くらいで読めるのでそれでよかったと思いますが。
読書もある局面においてはフィジカルな活動で、たまにはページを颯爽とめくる、前にはさんだ栞と今ページを押さえる指の間に次々と紙が堆積していく、そんなスピードの快楽を味わったっていいんじゃないかと、そういうあれ。

で、内容。おとぎ話から仮面ライダーや芥川作品などに、筆者が勝手に身も蓋もない解釈と改作を加えた短文集でして。正義と善意が勝つ古典に同調圧力や集団の暴力性や教条主義や偽善などを見いだして「王様は裸だ」的ちょっと嫌みなツッコミを入れるものの、表題作では結局「でもそういう『空気読めない』ツッコミが世を救うことはないんですけどね」と拗ねてみせる、そういう屈折した仕掛けは見えた。
嫌いじゃないです。豆知識もちりばめてあるしねえ。触れると何でも黄金になってしまう王様とロバの耳の王様は同じ人だとか、へぇ~と思いましタ。

2008年10月18日

バターライス+ぶたにく

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夕飯に、バターライスの豚醤油焼き乗せ。

バターライスはいろいろ作り方があるようですが、一番簡単なもので大丈夫でした。
米(自分の場合は2割ほど麦)1.5合を洗い、コンソメ・胡椒・塩少々、バター一かけを足して、普通の水加減で炊く。

豚は特売のトンカツ用。先に棒状に切ってフライパンで焼き色をつけます。あとは醤油2+酒1+みりん1を混ぜたタレを入れて汁気がなくなるまで炙る。これだけです。

よくコーヒーを飲みに行く喫茶店でランチに出していたメニューを盗めないかと思い試してみました。
うむ、成功成功。バターの匂いと醤油がすごくマッチする!
そしてコーヒーが飲みたくなる……

2008年10月17日

TSUBAKI HALL

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札幌市中央区狸小路1丁目近く TSUBAKI HALL

ランチはメイン(今日食ったパスタのほか、オムライスなんかもあった)とサラダかスープ、パンとドリンクがついて850円。そのお得感でマル。味はふつう+くらい、です。
次は隣の創作和食に行ってみよう~。

2008年10月12日

青塚食堂(花魚丼)

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小樽は祝津の青塚食堂。海鮮で有名なお店だそうです。実はラーメンもうまいとの話。
うに、あわび、ぼたんえびなど垂涎のメニューが並んでいますが、自分は生ものが食えないので、花魚丼(840円)をいただきました。ほっけをご飯にのせて、甘辛のたれと山椒で食べるもの。
ほっけ、ふわっふわでした。うまい。

2008年10月11日

夜半のカレー

心を落ち着ける作業、それは、みじん切り。
というわけで今日は夜半からカレー作り。

材料(たぶん4人前くらい)。
タマネギ1、にんじん1、ピーマン2→みじん切り。
牛豚合い挽き肉200g。
トマトベースの野菜ジュース(食塩無添加)ペットボトル1本。
カレールー(フレーク状のが溶けやすくていい)。

バター1片で野菜と肉をしっかり炒めます。
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野菜ジュースを入れて(様子みながら700mlくらいか)10分ちょっと煮込み
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カレールー入れてとろ火でちょっと混ぜてできあがりです。
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ギャーーーーーーーーー!!!!!!!
うめーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

2008年10月09日

不可能性の時代

■大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書、2008年。

神なき時代に共生を実現する鍵は、最も遠い他者に向かって積極的に自分を開いていくことであろう。みたいな話(すげえひでえまとめ)。

理想の時代→夢の時代→虚構の時代(ここまで見田宗介)→大澤『虚構の時代の果て』(ちくま新書、1996年)→東浩紀『動物化するポストモダン』(講談社現代新書、2001年)→大澤『不可能性の時代』。
個人的には東(つうかコジェーヴ)の「動物の時代」がいちばんネーミングとしてはいいんじゃないかと思いますけど。

さて次は、買ったきり読んでなかった川合光『はじめての〈超ひも理論〉』(講談社現代新書)を読もうかなー、と思ったけど、一昨日ノーベル物理学賞を受けたのがこの話で、ちょっとミーハーくさいので分野の近い別の本に手をつけることにしました(笑)

閑話。それにしても、「物理学賞と化学賞で日本人4人受賞」のうち2人が米国籍なんですけど、これって日本人2人+米国人2人じゃないの?と一瞬思ったあと、でもアインシュタインてアメリカ人でもドイツ人でもなくユダヤ人だろうし、ラフマニノフはやっぱりアメリカ人じゃなくて、せいぜいロシア系アメリカ人。ソ連からドイツに亡命して日本に定住したブーニンは日本人とは決して思えないなあとつらつら考えた。

越境した博士たちに自分だったらどうインタビューするだろう。「あなたのアイデンティティはどこにあるのですか。日本?アメリカ?両方?どちらでもない?それともこの質問は無意味ですか?」

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