■上杉隆『ジャーナリズム崩壊』幻冬舎新書、2008年。
上司が読んだらしく職場の共有机にぽんと置いてあったので昼休みにマッハ読み。
記者クラブ批判はごもっとも。
アメリカでは新聞の役割は論説と解説で、速報は通信社の専門。これもごもっとも。
NHKはこすっからい組織。うははは、そうだろうねえ。
通底するのは「他社と同じ報道をしないとダメ」という横並び意識。記者クラブはもう言うまでもなく、日本で新聞やテレビが通信社と速報合戦やメディアスクラムをやっているのも、考えてみれば同じ原理に立っている。
で、おおかたの人はおかしいと思っているんだけれども変えられない。
で、おかしいと言う人は偉くなれない。
いち早く東京で夕刊を廃止して、webで通信社の速報ニュースを流しつつ紙面は論説を濃くするという産経新聞のチャレンジはそれなりに当たったと思うんですけどね。あとに続く会社はあまりないなあ。
ひとつだけツッコむとすれば、この手の本でひとつ気がかりなのは、外国メディアの人間がみんな崇高だとか教養豊かだとか、そういう幻想を持たれそうだなあということですが。