« 2024年05月 | メイン | 2024年07月 »

2024年06月 アーカイブ

2024年06月23日

ソルロンタン

結局、土曜は37度、日曜は38度まで気温が上がり、おおむね家にいる土日でした。
いうても湿度がそこまででもないので「お~暑いね~」くらい、東京が38度になったときの「やばい感じ」はありません。
このところなぜか酸味のある料理を作りがちで、しかしそれも段々飽きてきて、日曜昼は初めてのソルロンタンを食べにアナンデールという韓国人コミュニティのある街に行ってきました。
240623sol.JPG
牛骨スープ。塩味はほとんどついていないので、塩胡椒やキムチを突っ込んで好みの味にするスタイル、だと思います。なにぶん初めてなので勝手が分からないけど。
そしてご飯を浸けて食べたり、キムチで白飯食ったり。これ、こういうラーメン食ったな、錦糸町あたりで(→麺工房・武だった)。
結構おいしかったです。二日酔い気味の時に食べたいかも。刺激的な味ではないのに食ってたら汗だくになった。

* * *

・仮歯を入れてニカッと笑えるようになったが、歯磨きで負荷をかけすぎないように細心の注意でやらないといけないのが面倒
・給料の円ドルレートが改定になり、$1=134円から157円になった。「減給10%・2カ月」くらいの減り方した。なんだこれ

今週はこんなところです。そろそろ真剣に夏休みを含めた当面の計画を固めないと。

2024年06月22日

月はすごい

◆佐伯和人『月はすごい』中央公論新社、2019年

仕事上の必要からKindleに落として通勤バスでガツガツ読んだが、全ての事実に「仕組み」や「理由」が書いてあるのがとてもよかった。アメリカ人の説明はかっこよさげに物事を語ることに重点を置いていて、「それがなんなのか」はわりと分かりやすく言うものの、「なんでそうなるのか」をなかなか書いておいてくれない。その点、実績のある新書編集部はさすがで、月はすごいが著者もすごい。そして2019年の執筆当時から今まで本当にいろんな成功や失敗があり、そしていろんな計画が遅れてきたなという感慨を抱いた。


・フロンティアよりも「7番目の大陸」
・なぜいつも同じ側を地球に向けているか:少し重い月の表側が地球の引力に引きつけられているから=自転・公転周期が同じ=「自転が惑星にロックされている」
・月の裏側:
 1959 ルナ3号(ソ連)カメラ撮影。裏側はメンデレーエフなどソ連の人の名前の地形が多い
 1968 アポロ8号=有人月周回探査、初めて肉眼で裏側を見る

【高地と海】
・明るいところは「高地」、暗いところは「海」。面積は84:16
・高地:斜長岩(ほとんどが斜長石。花崗岩の白い部分も斜長石)
 固まった地殻。46年分の隕石衝突でボコボコ
 斜長石はAl, Si, Oが入っている
 斜長岩は地殻を形成(アポロ試料で確認)
 マグマの海仮説:月を覆っていたマグマからFe, Mgを含む鉱物が結晶化して沈む
  →Al, Si成分が多くなり、斜長石の結晶→マグマより軽いので浮いて地殻に
・海:玄武岩(斜長石と輝石が半々)
 マグマが地表に出てすぐ冷えたため斜長石は小さく、全体的に黒く見える
 輝石はFe, Mgを含む鉱物
・海は巨大隕石衝突でできた孔を溶岩が満たしたもの
 ※ただし孔ができて1億~10数億年後。その時期にU, Thの崩壊熱で岩が溶けてマグマ形成
 高地に巨大衝突→マグマ埋め立て。若い土地なので滑らか
・これまでの月着陸探査はほとんどが海
 嫦娥4号(2019)も高地の中のクレーターで、溶岩が埋め立てたところ

【月食】
・月は年約3cmずつ地球から離れている→数億年後には皆既日食が見られなくなる
・月食は世界同時に見える。日食は影の部分だけ
・月食になると太陽光発電ができなくなるので月探査の際には機材の過剰冷却と故障注意

【月のできかた】
(1)兄弟説=月が地球の隣で同時にできた
 △同じ材料でできたはずなのに月は密度が小さい
(2)親子説=地球の自転が不安定な時期にちぎれて飛び出たのが月
 ○地球の重い核ができてから地殻やマントルがちぎれたなら密度差は説明できる
 △自転の不安定が本当にあったのかも仕組みも不明
(3)他人説=月がどこかから飛んできて地球の重力に捕捉された
 ○別の場所でできたなら密度差は説明可能
 △月と地球は酸素の同位体構成が似ている。通過も落下もさせず捕捉するのも難しい
(4)巨大衝突説=初期地球に火星サイズの天体(テイア)が衝突した破片が月
 井田茂、小久保英一郎らがシミュレーションで可能性示す
 ○衝突時の熱で厚さ400kmものマグマの海仮説も再現できる
 △飛び散る破片はほとんどがテイアの破片。そんなに地球に似ていたのか?

・レゴリス=大小隕石に砕かれた月面岩石。細かな砂。小麦粉サイズ
 満月が半月の倍以上明るい「衝効果」の原因でもある
・宇宙風化=宇宙から降る放射線、微小隕石の高速衝突による岩石表面の変化
 表面が不透明な粒子によって赤黒く変化(アポロでFeの粒確認)
 実際の試料で確認できているのは月とイトカワだけ(※執筆時)
 →隕石衝突し地下の新鮮な岩石を飛ばすと明るい筋(レイ)ができる
  =レイは消えるのに約10億年かかる。見えるものはそれより新しい

【月面】
・寒暖の差が激しいのは大気がないため。地球は大気が熱を運んで平均化している
・日なたは120度、日陰は-80度、夜は-170度(夜は2週間)
・越夜技術:装置をレゴリスに埋める、断熱材で囲う、電力で暖める
・隕石が燃え尽きず、1mm未満の隕石も秒速10-20kmで落ちてくる。小さい隕石ほど頻度が高いので危険。落下地点から飛ばされてくる破片も空気抵抗で減速されない
・放射線
 (1)銀河放射線=超新星残骸からくる高エネルギー粒子
 (2)太陽風=太陽からくる電磁波や粒子
 地球は磁場が逸らし、大気が威力を減らすが、月は固有の磁場も大気もなく年100-500mSv
 →数mの壁が必要。外での活動も制約
 太陽フレア時の退避も
・月へ行く途中の放射線=バンアレン帯(地球磁場に捕捉された荷電粒子)
 1958 エクスプローラー1号が発見
 内帯 高度1000-5000km
 外帯 高度15000-25000km

【水資源】
・月では水1リットル1億円。これ以下で採掘できればペイ
・水
 1994 クレメンタイン(米)南極地域の電波反射波で水を思わせるデータ
 1998 ルナプロスペクター(米)中性子分光計、極に水素が大量にある場所あり
 2009 エルクロス(米)クレーターにロケット打ち込み噴出物観測、水蒸気の特徴
 いろいろあるが行ってみないと分からない。たくさんあると思う人も思わない人も
・太陽光発電で作った電気で分解→復路の燃料、火星や小惑星に(小重力で大気がない月からの出発が有利)
・飲み水、呼吸する酸素の減量、農業(のち呼気や排出物のリサイクルでまかなえるが)
・永久影。極では太陽はほぼ地平線を這う。クレーターの底は永遠に日が射さない
 「かぐや」の地形カメラが調査、シャックルトンクレーターの底は-190度と推定
 →数cm~数10cmもぐったレゴリスの隙間に微小氷が付着しているのでは(小さい隕石の衝突で表面がかき回されて一部は深いところに移動している)
・水がある原因
 (1)彗星や隕石の落下→蒸発→超低温レゴリスに触れて凍り付く
 (2)地下からの供給=マグマに含まれる水。10億年前くらいまで火山活動
 (3)太陽風=H,He原子。レゴリスに突き刺さり、閉じ込められて鉱物中のOと反応か
・なかったら?
 太陽風起源のH利用。レゴリス加熱して取り出し、レゴリス鉱物内のOと反応させて水製造。コストや手間はかかるが、Hが大量にあれば可能

【金属、Si】
・鉱物:天然に存在する無機物質で、化学組成や物理的性質が同一の部分
・岩石:鉱物の集合体
・かんらん石:Mg, Fe, Si, O。マグマが冷える最初のほうで出てくる。重い→マントル構成か。地球の上部マントルもかんらん岩と思われる
・チタン鉄鉱:FeTiO3。玄武岩に入っている
・建設資材:レゴリスの焼結ブロック。太陽電池による電気炉か太陽光集光した太陽炉で加熱しれんがのようなブロックを作る。建物のほか、重機の重しにも(ショベルカーが地面を掘るときに浮かせない)
・金属:Fe, Ti, Mg, Al, SiはOと結びついてるのを引きはがす。Hと混ぜて高温にするとO+Hで水になり、元素を単体で取り出せる。チタン鉄鉱からのTiか斜長石のAlをFeに混ぜて鉄鋼を生産
・空気がないのでさびない
・Mgは合金にして宇宙船の機器
・Siは太陽電池パネルの基材に
・原子力電池:放射性物質から出る熱で発電するか、放射性物質から出る放射線で蛍光物質を光らせて太陽電池で発電。ボイジャーのほか嫦娥3号ローバー(玉兎)に搭載。夜が2週間続く間の保温に。ただし安全性。カッシーニの地球スイングバイへの反対運動(と強行)
→月で採掘の可能性。マグマの中(eg.ハンスティーン・アルファという火山ドームなど、鉱物を生成したあとのマグマに濃縮されている可能性)。トリウム異常地域にもウラン鉱床がある可能性が高い。ただし低コストで採掘できるのはかなり先か

【月の一等地】
・高日照率地域(年間の80%以上日が当たる地域)が存在。太陽光発電して充電し、日陰の間は機器を暖めてやり過ごす。探査機の着陸、有人基地に最適。「かぐや」探査である程度まとまった面積(数百m四方)の地域は5カ所しかないことが判明。表側には2カ所のみ
 極域探査の場合はそこから永久影まで高日照率地域が続いているとよい
 ちょっとそれると日が当たらない地域→SLIMのピンポイント着陸技術が必要。LUPEXは半径50m内着陸が求められる
 フライホイール式蓄電施設、核融合炉、電波天文台(裏側に)
・縦穴=溶岩トンネルの天井に穴があいたもの。火山地形。「かぐや」とLROが発見。中に空洞があるのは3つ。延長距離50kmか。隕石や放射線よけ、寒暖差の緩和
・取り合いになる資源:限られた場所にあるもの。高日照率地域、縦穴、永久影(の近くの採掘基地となる日照率の高い地域)、核燃料鉱床(火山度オーム、Siの多いマグマ陥入地域)
・取り合いにならない資源:あちこちで手に入るもの。鉄、チタン。チタン鉄鉱は海を構成する玄武岩の中に存在。HやHe3も太陽風として月全体に降る。Alは斜長石、どこにでもある

【エネルギー】
・化石燃料を地球から持っていっても燃やすための酸素を作らないと使えないので、最初は太陽電池
・水素=ロケット燃料。H+Oで爆発→H2Oが高速で打ち出される→反動でロケットが進む(※はやぶさの電気推進はキセノンガスに電磁波を当ててXeイオン+eにし、イオンを高電圧で加速して打ち出す)。極地に氷がなくてもレゴリス加熱でHは手に入る。太陽風由来なので持続可能(ただし取り尽くすとまたたまるのに時間がかかる)
・He3=太陽風に含まれる。核融合燃料

【食料生産】
・嫦娥4号(2019)棉花やアブラナ、酵母やショウジョウバエを搭載→温度管理失敗(高温)したが、月での農業を念頭に置いていたとみられる
・呼気のCO2や排泄物リサイクルとしても農業を考慮
・ないもの:C(月の岩石にない)=炭素質隕石が使えるか。N(火星にはある)=肥料持ってくるしかない。Pも持ってくるしかない
・あとは植物→動物→食べる、のサイクルを作れば自給自足は可能
・昆虫含め、食材の多様性がないとアレルギーが出たときに困る
・昼夜2週間ずつ→LED光源で、断熱・放射線遮蔽された室内で実施

【月~太陽系へ】
・月探査のトレンド
(1)氷:LUPEX、ロシア、中国も着陸やサンプルリターン狙い
(2)火山地域:嫦娥5号(成否は要確認)。月の噴火は何によって起きたのか(水蒸気、CO、…)
(3)南極エイトケン盆地:表と裏の違い、地殻の下の岩石層

・火星
 1971 周回はマリナー9号(米)・マルス2号(ソ)、マルス3号が軟着陸
 1976 バイキング1号(米)が軟着陸
 1977 ローバー:ソジャーナ(米)
 2003 マーズエクスプレス(欧)
 2003 のぞみ(日)=失敗
 2004 スピリット、オポチュニティ
 2012 キュリオシティ
 2014 マンガルヤーン(印)
 2018 インサイト(米)
 火星サンプルリターンは未達
・北半球の大部分が海だったとみられる。火山活動も活発だった。プレート運動も?
・CO2とH2Oが凍り付いた極冠が南北の極にある→農業
・メタンがあるらしい→ロケット燃料
・プレート運動凍結、大気薄く、海洋蒸発、生命いるかも?

・小惑星
・デイビッド・トーレンらの分類(1984):明るいグループ(V,Q,R,S,A,E,M)、暗いグループ(C,G,B,F,T,P,D)
・未分化な小惑星は太陽系形成時の物質を保存している。太陽系の初期状態を探る
・分化した小惑星はさまざま。地球のような構造がどうやってできたか
・資源として:鉄隕石の母天体から金属鉄採取(精錬がいらない)とか、地球では核にほとんどが入っている白金、イリジウムなど
・氷衛星:内部に海・生命?=ガニメデ、エウロパ(2012、2016にハッブルが噴泉観測)、エンケラドス(2015カッシーニが噴泉に突入し成分調査)、タイタン(2005にホイヘンス・プローブ着陸。液体メタン、エタンの川や湖、海)など
・系外惑星:Exoplanet.eu、プロキシマb=ブレイクスルー・スターショット計画は20年で到達目指す。20年後出発?

・課題
(1)アウトガス:真空環境で接着剤などからガスが出て他の部分に付着する。レンズなどにつくと観測ができなくなる
(2)宇宙放射線:重くないどんな素材で遮蔽するか。電子回路の誤動作(アポロはコンピュータ3台の冗長系)や故障、カメラのレンズ曇り
(3)熱設計:真空や月面では対流が使えない→熱がこもる。シミュレーションや真空容器で試験。

フェミ+量子

なにやらえらい熱波がきており、DC界隈は37度。家にこもる日と決めて、だいぶ前に読み終わってたもののメモをコンプ。

◆デボラ・キャメロン(向井和美訳)『はじめてのフェミニズム』筑摩書房、2023年。
Deborah CameronのFeminism: Ideas in Profile (2018)の訳です。

ちくまプリマー新書なんですけど、一枚岩でない対象や歴史を「フェミニズム」という一つの言葉でくくったことに由来する面倒くさい感じ(本書の言葉では「複雑さ」。典型的には従来型の行動批判→「女性の自主性を否定している」という批判→「それは自由な選択ではない」という再々批判)を活かしながら要約したとてもいい本だと思いました。

【はじめに】
・意味は:「女性は人であるという理念」、「性差別・性差別的な搾取と抑圧を終わらせる政治運動」、「分析枠組」のいずれかか組み合わせ(pp.9-10)
・二つの基本的理念「女性は社会において従属的な立場にあり、不正義や制度的な不利益にさらされている」「それは望ましいものでっはなく、変えられるし変えるべき」(p.19)

・「第1波」19世紀半ば~女性参政権運動:(1)男性との類似点を強調する議論(2)男性には解決できない女性独自の問題があると強調する議論。米国黒人女性による支持は人種平等につながることを期待。逆に白人女性の参政権獲得で白人の優位性が高まると考えた南部の人種差別主義者と白人女性の結託も(p.12)→1920年代に目的達成すると団結から分裂へ
・「第2波」1960年代米国発:第1波とのつながり強調
・「第3波」1990年代
・「第4波」この10年ほど
・「波」で表すことへの批判もあり。「一般化しすぎ」「前の時代の動きはまだ続いている」

・インターセクショナリティ(クレンショー):人種、民族性、セクシュアリティ、階級…

【支配】
・「構造的な男性優位性」=男性が利益を得る仕組み。※個別の男性のことではない
・進化論を利用した生物学的決定論 vs. 家父長制の起源探究。eg.エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』、母権制社会、狩猟採集社会。現代社会では緊縮財政による公共サービス削減と女性による無償の介護労働の拡大、性的解放(夫のものから社会のものへ)とレイプ文化やセクハラ
・性の自己決定:Roe v. Wade (1973)、英国での中絶処罰対象からの削除(1967)→現在のバックラッシュ。宗教的原理主義、男性の権利主張、オルタナ右翼。途上国でもボコ・ハラムなど
・女性自身の加担・受容:男性との絆、従属的立場の刷り込み(pp.46-47)

【権利】
・独立宣言のall men=白人男性←第1波フェミニズム、女性の権利運動としての理解
  vs. 根本変革を志向するラディカル・フェミニストの批判。投票権返上(1969)
  vs. グローバルサウスの視点。権利は要求すべき(レイシー)
・収入格差、議会構成、生殖(子どもを持つ選択をした人の権利?胎児の権利・父親の権利との競合)、「私的空間」とされながらDVの現場でもある家庭の保護との齟齬、女性の権利に関する国際条約と「よその文化の押しつけ」論、ジェンダーの主流化
・商業的代理出産:個人の生殖の権利擁護 vs. グローバルサウスの女性の搾取 vs. 金銭を得る権利・女性の主体性の否定批判 vs. 本当に権利の問題か?貧しくなくても選ぶだろうか?
・ニカブ禁止:ムスリム差別?女性の主体的な選択の否定(西側に救われるべき女性) vs, 「私たちは何も選択してこなかったと決めつけるのか?」 vs. 有害な慣習を押しつけられるべきでないというムスリム女性の声
 ←マイノリティの文化的慣習批判 vs. 人種差別批判 vs. コミュニティ内部の批判者擁護
・宗教裁判所(不変な神の立法) vs. 民主制下の裁判所

【仕事】
・無償ケア労働、ケアワーク時間の男女格差(OECD)→女性労働力の活用不十分→途上国にとっての不利。有償サービスのある先進国でもケアワーク分配は依然不均衡
・「ガラスの天井」はぜいたくな悩みとの批判←→世帯主男性という受益者の無視、「稼ぎ手」=男性という構造の無視
・家庭内資源の適正分配で女性死亡率の是正ができるようになるには、女性が有給職に就くことが必要(セン)
・高給で安定した製造業(の喪失とトランプの台頭)=男性、低賃金で不安定なサービス業=女性
←→男性の稼ぎに依存できない独身/パートナー男性失業中の女性は貧困に陥る
・賃金格差(1)女性がしているからという理由で低賃金になる構造(2)子どもが小さい間のパートタイムや時短労働がキャリアに与える影響(ジェンダーステレオタイプが背景)
・国が家事労働に賃金を支払うべき←→性別役割分担の保存。ケアワークの脱女性化
・女性と仕事の問題は制度だけでなく個別男女間の摩擦も引き起こす。誰が誰に権力を行使しているのか。「個人的なことは政治的なこと」。女性が自分より稼ぐことは男性の権威への脅威に

【女らしさ】
・本質主義:生物学的機能、生殖機能に基づいた普遍的な性質の想定
 +ボーヴォワール:社会的カテゴリーとしての女性(女に生まれる/なる)。ジェンダー。マーガレット・ミード
・規範は生物学的に説明できないことが多い(eg.足を開いて座ってはいけない)。飴と鞭による強制
・ジェンダーは男性にも窮屈だが、完全に対称ではない。背景として男性優位の構造
・ジェンダーの廃止か/今の苦痛を何とかするか
・服装や色など好みの「生まれつき」論への批判(1960年代)→進化生物学によるリバイバル←→先史時代にしか当てはまらない説明との批判
・親の思い込みや文化的背景から生まれた時から男女は違う扱いを受けて学習していくという心理学的観察。1970年代からは男女別玩具販売反対のキャンペーン、アニメの「女性の美しさ」描写、美人コンテスト、1990年代の摂食障害増加
←→「女性の自律性否定」という批判
←→「女性の選択は社会からのプレッシャーを受けている/内面化している/人生の早期から自由な選択はできていない」との再批判。美容業界の宣伝効果、白い肌>黒い肌

【セックス】
・男女間BDSMに対する「オーガズム支持」vs「男性の暴力と抑圧」
 セックスは「快楽」か「危険」かという立場の違いがフェミニストを二分する
・第1波:女性への危害回避・男の中の野獣矯正
 第2波:カウンターカルチャーの流れの中で自由なセックス肯定。自主性・自我を持つ権利の象徴
 ←→セックスは男性が快楽を得るもの
 →性教育:身体構造の違いやリスク+快楽についての議論も
・ポルノ文化→レイプ文化(行為拒否を責められる、通報・起訴されない)
・売春:男女の不平等の表出と促進。互いの欲求に基づくセックスという原則の侵犯。ノルウェーモデル(買春の禁止+売る側を処罰対象から外す→需要を減らす)
 ←→「上から目線」批判。合理的な選択は否定できず、失業キャンペーンは容認できない
 ←→ドイツなど合法化されてる国でセックスワーカーの社会保障ちゃんとしてなくね
・家庭でも妻は経済的安定の引き替えにセックスと家事を提供してないか
・セックスの拒否というシステム的解決(米・ラディカルフェミニスト)、「レズビアンは女性ではない」
・とまあいろいろあるが「女性は性の自律的な主体であり、誰かの快楽や利益に利用されるものではない」は共通

【文化】
・ダーウィン、ロンブローゾ。文化的に劣った、天才の少ない女性。ヴァージニア・ウルフ:なぜ女性のシェークスピアがいないのか
・文化的排除:映画監督(スザンナ・ホワイト)、科学(マチルダ効果)、作曲コンクール、小説
・見る男性、見られる女性:映画を撮るカメラの視線=観客の視線、人種科学(サラ・バールトマンの見世物)
・介入とバックラッシュ:ゴーストバスターズのリメイク、紙幣の肖像に女性を入れるキャンペーン、テレビゲームの中の性差別指摘。オルタナ右翼「メニニストmeninist」=自分に残されたのは文化的特権だけだという男性への訴求

【断層線と未来】
・ネオナチ、白人至上主義
・第4波:インターセクショナリティ(アフリカ系、トランス、労働者階級)、ジェンダークィア、女性とは何か?→個人が自由に決めるアイデンティティへ→「フェミニズム」と両立するか?
・商品化されたフェミニズム(ディオールの「みんなフェミニストでなくちゃ」Tシャツ)

◆湊雄一郎、酒井麻里子『量子コンピューター』インプレス、2023年。

情報が新しいのと、技術に対する評価(アニーラーがほぼ終わりというのはへぇと思った)や業界の動向が書いてあるのがよい点。
説明がいちいち食い足りないのがいまひとつ。いろんな量子ビットの方式が書いてあるが、それぞれ0と1がどういう状態なのかとか、量子センサーってどういう仕組みなのかとか、量子もつれでなぜ素因数分解が解けるのかとか。「これができます」に対して「どのように」がない。
※と書いたあと、某所からいただいた本のほうがよかったのでそっちをまた別途

・市販の実機Gemini(中国、SpinQ Technology)
・量子コンピューターはQPU(頭脳部分)だけ
・方式
(1)超電導
電子2個、平面に超電導素子(人工原子)、マイクロ波当てて操作、世界で開発(日本は理研と富士通とNEC)、商用化先行、冷却が必要、小型化が困難
(2)イオントラップ
イオン、チップの上にイオンが浮いた状態で静止、横からレーザー当てて操作、欧米、精度が高い・誤り訂正できている、周辺設備で筐体が大型化、誤り訂正量子ビット数が増やしにくい
(3)冷却原子
原子、空中に浮かせて左右からレーザー当てる、欧米、量子ビットの数が多い、周辺設備で筐体が大型化
(4)半導体
電子、電子の上下をチップで挟み上からマイクロ波を当てる、米国(日本では日立)、量産化・商用化に期待、冷却が必要
(5)光
光子、トンネルのようなゲート(通り道)を通す、世界(日本はNTT)、常温動作が可能、周辺設備で筐体が大型化
・古典コンピューター=正答が1つに決まるものに適する。量子コンピューター=答えが定まらないものの計算に適する
・アルゴリズム
(1)FTQC(理想、計算が長くエラーが起きやすい)
化学計算(素材を構成する原子や分子の電子配置を調べて作用を求める、新材料=EVバッテリーの性能向上で走行距離延長、半導体素材)、暗号、金融(複数の株式の最適組み合わせ、倒産リスク計算、価格予測)、検索
(2)NISQ(量子+古典、細切れを足し合わせる、精度上がらない)
化学計算、最適化(多数の自動運転車のルート同時計算して渋滞起こさせない最適ルート)、機械学習(まだ古典のほうが速い)


2024年06月20日

夏きた

夏きたなっていう日々です。きょう(19日)は33度という数字を見た。

9.11でアメリカン航空77便が突っ込んだ国防総省西側のモニュメントを見に行ってきました。
犠牲者の名を刻んだステンレス鋼のベンチが進入路を示しつつ生年別に並んでいます。名前を読む人が建物を向くものは建物にいた人、反対向きは乗客乗員。電話で聞く音声ガイドも。
240620penta.JPG

* * *

パセリカレーを作った。トマトペーストがちょっと多かったのか、チャンジャか何かのような見た目になってしまったが、うまかった。
240620parsely.jpg

* * *

19日はJuneteenth(奴隷解放記念日)で、何か見られないかなと思ってバスでアレクサンドリアに行ったら、コーラスの最後の瞬間だけ見られた。
240620june.JPG
グッズを配ってましたが、なんかしょうもない感じだったので食指動かず。おまわりさんはもらっていってました。
240620june2.JPG
カルボナーラ食ってバスで帰りました。

* * *

相変わらず歯医者に行ってます。
240620shika.JPG
もはや無心だが、この、なんだ、普通に歯磨きしてて歯が取れるとかもうやめてほしい。

* * *

仕事はそこそこでした。
しかし暑い。

2024年06月09日

フロリダ完了と土日

自宅に2泊3日しただけでまーたフロリダです。前回の出張からそのまま居残る手もあったといえばありましたが、なめ茸と白米食べたらリフレッシュしたので帰ってよかったという総括。

今回のレンタカーはフォードのEscapeっていう車ですが、走行距離は短いので新しい車のはずなのに、踏み込むとノッキングを起こす変な個体で、愛着がわかなかったので写真はなし。

昨年8月と先月に泊まったベストウェスタンにまた泊まってしまいました。だって安いんだもん。あと今回はやや朝が早いので、結構ボリューミーな朝飯が朝6時に食えることが分かっているホテルだと見通しがきいてよいというのがあった。

一番安い料金でとったわりには「アップグレードしとくよ」とフロントのオヤジに言われ、オーシャンビューの部屋になりました。確かにベランダから海が見えた。しかし設備はやっぱりアメリカ版の東横インであった。
240609bestwestern.JPG
夜ちょっと遅くなって到着した他社の人とご飯に行きました。ケープカナベラルの、メインの通りから一本入ったちょっと怪しい雰囲気のメキシコ料理、La Cantrina。地元の人たちが駄弁ってて入りにくいかなと思いましたが、サングリアがハーフのピッチャーで$10、ファジータが$9.99などめちゃくちゃ安い。店員さんも感じよくて、大変満足でした。
240609cantrina1.JPG
ホットドッグみたいなのはStuffed Jarapenoで、トウガラシにチーズ詰めて衣つけて揚げたようなやつです。初めて食った。しかし後でググってみたらだいぶ違う姿のものがいっぱい出てきた。
ジュークボックスはデジタル化されてました。
240609cantrina2.JPG
んで、翌朝は早起きして仕事。大渋滞にはまりましたが、早起きからの流れで早く出たおかげで間に合いました。
たびたび「大丈夫ですやります」「目標の日に向かって頑張ってます」みたいな楽観的なことを言っては「できませんでした」「諦めました」といってみんなを落胆させていた案件は、今回するっと最後までいきました。まあ本番使って予行演習2回やったようなもんだしな。その後きっちりトラブってましたが。
240609ksc.JPG
なにはともあれ、フロリダでの仕事は完了してよかった。写真とるのに集中はしていましたが、結構感慨深かった。

この後も作業いろいろあるし、後泊もして帰ったほうがいいかな、と思いながら帰りの飛行機はとらずにフロリダまで来たものの、終わってみたら作業はそんなでもなかった。ので、急いで飛行機とって帰りました。機内wifiが使える便を使って東京とやりとりしながら22時にDC帰着、そのあとカメラ返しに職場に直行して、作業して、置いてあった自分の車で帰宅。疲れた。でも終わってよかった。

翌日、午前中でさっさと終わるはずの仕事が意外に夕方までごちゃごちゃしたので、結果さっさと帰ってきてよかったです。

フロリダは結局、7回行きました。多分これで最後だと思う。
っつって去年フロリダ行ったときの日記見たら、そのときも「これが最後」だの「来年の今頃はいない」だの書いており、両方ハズレ。

* * *

金曜は予定変更でぐっちゃぐちゃになった経費精算をすごい形相で片付けて、あとは近くに点心食いに行って帰った。まだ疲れてた。

* * *

土曜はDCプライドパレードです。
見物に行く前に、友人宅でブランチの会。先々週のハウスウォーミングで行ったお宅で、その時会った人たち+初めましての数人と飲み食いする。
240609pride1.JPG
まだ早起き習慣が残っていて5時台に目が覚めたわりにいろいろ追いついておらず、手ぶらで来てしまった。でもまあ前回いろいろ貢献したからいいか。
パレード自体は2年前にも見ているのでうん、はい、了解という感じ。
240609pride8.JPG
成人人口におけるLGBT割合の推定というデータがあるのを初めて知り、見てみたら全米5.5%に対してDCは14.3%だそうです。すごいな。市長がWelcome to the gayest city in the world!と挨拶していた。あながち誇張でもないかもしれない。
皆さんとは別れてそのまま帰りました。夕飯は肉じゃがと肉団子の甘酢炒め。落ち着いた。

* * *

日曜もやっぱり布団でだらだらしたのに7時起き。
ちょっと中国の同僚から頼まれた仕事してから出掛けて、山のほうのThe Local Cutというお店でランチして~
240609localcut.JPG
ブルーモントというところで見晴らしのいいワイナリー冷やかして~
240609bluemont.JPG
買い物して帰りました。

一人遊びもたまにはいいですね。

* * *

前歯が1本ない状態が常に気になっており、ニカッと笑うこともできず、気分的にはパーっとした感じにはなりませんでした。でも体は休まったといえば休まった。

そろそろ夏休みとか、NYCでの健康診断の時期を考えないとな。

2024年06月02日

またフロリダ

5月に仕事先がへぐった仕事で、またフロリダです。
DCは連日夕立の暑い日々が終わって、急に寒くなった月末、朝5時前に起きて7時の飛行機に乗りました。フロリダはさすがというか、暑!29度で湿気も結構あり。

今回のレンタカーはヒュンダイのKONAを選んでみました。
240602hyundai.JPG
日本のコンパクトカーくらいの感じで使いやすかったです。踏まなくても進むところは昔乗ってた三菱のCOLTと一緒。アップルのカープレイは使えるけど、それ以外はサイドブレーキもシフトレバーもエアコンも使い慣れた形で、妙にデザインが凝ってないところがいい。シートの調整も昔ながらのレバー式です。こういうのは電化しなくていいと思う。

今回食べた唯一、旅先っぽいもの。店員さんがスペイン語のお店で食べたタコスプレート。
240602tacos.JPG
タコスうまかった。にしてもなぜ豆とピラフがつくのだろう。なんかもうちょっとこう、野菜とか……まあいいけど。

週末にかかるためか、既に夏の行楽シーズンに入ったためか知りませんが、ココアビーチの宿は結構高かったので、赴任して最初のころ泊まったタイタスビルにしました。ハイウェイを出てすぐのホテル。弊管理人は別にビーチがなくても全然よいので十分。

夜はスペースXの打ち上げがあるので、海岸の公園まで見に行きました。
折りたたみ椅子を持ってきて、夕涼みを兼ねてロケット見物という感じの人たちが多かった。
240602falcon2.JPG
これは特に仕事でないと入れない場所ではないので、撮ってみたものを載せます。
240602falcon.JPG
いま地図で測ったら20kmくらい先なんですけど、よく撮れたな(自賛)。
花火よりずっとゆっくりです。雲がオレンジ色になりました。
240602falcon3.JPG
帰って寝て翌日は朝から仕事。さすがに今回は大丈夫だろうと思ったら、始動4分前に止まった。おいおい……
で、しかも、午後の説明会で「明日(2日)に向けて頑張ってます」的な話があったので、うーんじゃあ居残らざるを得ないなと急いでレンタカーの延長して、帰りの飛行機を取り直して、宿も取ってチェックインしたあたりで「やっぱやめます」とメールがきた。弊管理人は激怒しました。どこにも怒りのぶつけようがないんだけど。

こいつらはいつも「やることは全てやりました」とか「次の日程に向けて作業してます」と前向きなことばかり言いながら一向にできないんだ。そして外部へのコミュニケーションも同じ調子で期待を持たせては「やっぱ次の機会にします」という。それで、いつもはこの業界に優しいアメリカ人の同業者たちも一回ぶち切れた。

メールがきた時間はまだ飛行機をギリギリで押さえて車をぶっとばして空港に行けば行けなくもない時間でしたが、危ないのでやめました。2日はフィラデルフィアでコンサートのチケットとってあったんだよ。泣けるほど高額ではないが、払い戻しのきかないチケットを流す決断をしました。DC-PHL往復の鉄道の切符は払い戻し可能な料金にしてあったという、4月の弊管理人グッジョブな状況も後押しした。オーランドから直接フィラデルフィアに飛ぶ手もあったんだけど、もう疲れた。それが大きかった。

で、またすぐフロリダ行きます。数日なら居残る手もあったけど、家で白米と醤油味のおかずを食べて、自分の布団で寝る効用はでかいと信じる。

* * *

5月が終わって残り8カ月です。この5月はなんかすごく健康を考えさせられる誕生月だった。歯の根管治療、痛み止め購入、抗生物質による血便、歯が折れる、あとなんだっけ。てか口腔関係ばっか。

About 2024年06月

2024年06月にブログ「すべりどめblog」に投稿されたすべてのエントリーです。新しいものから過去のものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2024年05月です。

次のアーカイブは2024年07月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35