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2012年09月 アーカイブ

2012年09月30日

養老天命反転地

きょう日曜が大阪出張だったもので、土曜に途中下車して岐阜県養老町の「養老天命反転地」へ。現代美術家、荒川修作とマドリン・ギンズ作のお庭です。

写真ではわかりにくいですが、巨大なボウルみたいな敷地に植物が生い茂り、その中にいくつかのモニュメントが点在しています。
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こんなん。
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敷地に平らなところがないので、かなり足が疲れると思います。
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ひっそり開いた口から入って……
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真っ暗な狭い通路を通り抜けると、天井の高い小部屋が。
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夜は名古屋の「しら河」でひーつまーぶーしー
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リーズナブルなのがメリットだったものの、今年値上げされたようです。
鰻をファストフード屋とかで投げ売りしちゃ、だめだよね。

2012年09月26日

バイオ化する社会

■粥川準二『バイオ化する社会―「核時代」の生命と身体』青土社、2012年。

生殖補助技術、遺伝子医療、多能性幹細胞、慢性疼痛、気分障害、そして原発事故。
自然科学、特に医学や生物学の言葉で明晰に説明され・判断される事象たちの中に、というかその中にこそ、偏執狂的にすべての人たちを捕捉し、飲み込み、そして飲み込むそばから吐いていく現代の社会の姿はないか?そして吐き出され、うち捨てられたのは誰か?それを考えている、はず。

まずは、ニュースで見ることも多い上記いろんなトピックに関する、非常にコンパクトで明瞭な経過説明です。一気に読めます。科学をフィールドにしてきたライターの力量がここに。国内外の論文、報道、ステートメントの類、自ら行ったインタビュー等々をよく配置し、何かを考えたいと思う人たちに参照されるべきまとめになっていると思います。

そして、世上それらのトピックについて行われる解説はせいぜい、その機能や仕組みに関する術語を身近な言葉に置き換える程度のことしかしていませんが、著者はそこに不利益やリスクに晒される人たちを呼び出し、そうした不幸を招来する社会的文脈を浮かび上がらせようとします。襲った津波の高さよりも、一人当たり所得や自治体の財政状況と相関する犠牲者数、排卵誘発によって危うくなる女性の健康、着床前診断で選び取られる命と否定性を付与された生、腰痛に絡む心理社会的因子――。今や個人から政策まで、さまざまな意思決定のよすがとなっているバイオの言葉、それが覆い隠す社会問題をしつこく指摘しています。

でも、同時に少しひっかかりながら読みました。自分の子が健康に生まれてくるよう願うことや、そのためにさまざまな手を尽くすことが、既にその避けようとした障害を持って生まれた子の存在を否定することに即つながるのだろうか。彼らの幸せのための拠出を喜んでなした上で、なお自分の子の健康を追求し続けることは倫理的にアリではないか?なんてことを、風邪がようやく明けかけて久しぶりに寄ったスポーツクラブで自分の健康を追求しながら、弊管理人は考えていました。(筆者も、ある価値観の肯定と、その余の価値観の否定に必然的な関係があると言いたいわけではなく、しかし警鐘は必要、とのスタンスなのかもしれません、けども)

2012年09月23日

かぜひいて

木曜日からかなあ、喉が痛くて体がだるくなりました。熱は最高で37.5度と低め、そのかわりずーっと36.8~37.0度程度の微熱が続いてます。普段に増して何かをやる意欲が減退した上、30代のトラウマソング「かぜひいてねんね」をyoutubeで見てしまったりして、気分は下がりめ。

のど飴と、ビタミンCの錠剤と、がんばんなきゃいけないときの感冒薬が主食のなか、錦糸町のアキンボさんへ。
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ラムのキーマカレー。
食べ始めて分かったんですが、鼻が4割くらい効いてない。でもおいしいということは相当おいしいのだ、このカレーは。
マスターは今月、メニュー改変に向けて勉強中だそうです。同じものばかり作っていても飽きてしまうからと。ううむ素晴らしい。

よく遊び、あまり寝なかった今夏の決算と思って気長に療養しましょう(仕事は休めない)。今朝くらいから、鼻から白血球の死骸がいっぱい出つつあるので、そろそろ回復に向かってるとは思うのだけど。

2012年09月22日

四次元

■根上生也『四次元が見えるようになる本』日本評論社、2012年。

4次元といっても縦横高さ+時間、の「4次元時空」ではなくて、xyzの3本の軸にもう1本、直交する軸が入った4次元空間のこと。なんて言われても想像できない。
が、4次元が見える筆者(数学者)はもう、数式も使わずにつきっきりで面倒を見てくれる。1次元(線の世界)から2次元(面の世界)へ、2次元から3次元(立体の世界)へ、と階段を上がった勢いで4次元に上がろうとしてみる。逆に、3次元を紙の上(2次元)に投影できることを応用して4次元を3次元に投影してみようとする。そんなレッスンを経て、確かに4次元空間がイメージできる気がしてくる。
と同時に、自分の場合は、ちょっと4次元が見えるたびに頭がぐわんぐわんして、何度かオエッてなりました。かつてない読書体験。何の役に立つのとか無粋なこと、聞くな!

2012年09月16日

動物に魂はあるのか

■金森修『動物に魂はあるのか』中公新書、2012年。

お掃除ロボットのルンバを買った友達が、仕事から帰るとルンバがバッテリー切れで掃除途中で止まっちゃってたり、玄関の段差に落ちちゃってたりして愛おしくなる、なんて話をしていました。

石に魂を見ることはめったにないが、石の下にいたダンゴムシを潰すのはちょっと気がとがめる。犬には感情だけでなく、判断力があるようにさえ見える。ボノボの知能ってすごいんだっけ?それでは「未開」の人々は?死にゆく"脳死状態"の人は?
――動物に魂はあるのか、それとも動物は外的な刺激に定型的に反応する機械にすぎないのか。デカルトが「動物=機械」論という極論で提起した論争は百数十年を経て一応中庸なところに落ち着いたけれども、それは完全に終わったとも言えず、「われわれ」と「われわれ以外」を分ける論理と倫理ってどういうものなのか、という広くて重要な問題に繋がっている気がする。それを考える入り口に立つためのブックガイド、かな。(ダンゴムシとボノボとロボットは出てきませんw)

いや、私は分かってるんですけどね、入門書ですし、紙幅が限られてるから割愛してるんですよ、ええ。っていう(おそらくチクチク重箱の隅をつつきそうな専門家が読んだ時用の)言い訳がいっぱい出てきて多少うるさい。でも、ニワトリを壁に叩き付けたり獣や原住民をスポーツハンティングしちゃったりしてた人たちが家畜福祉とか捕鯨反対とかいうのに鼻白む前に、あっちの世界で歴史的にどういう問題が立てられてきたのか、前史としてのアリストテレスからデリダ、シンガーまで見渡すことができる、まあ有用な本かと思います。

札幌

ちょっくらお祭り的行事があり、14日から札幌に行ってきました。

今年の札幌は「夏が遅い」らしく、6、7月は寒かったのに9月になっても暑いそうです。確かにそんな気がします。住んでたころは、9月半ばはもう薄手の長袖を着ていた気がするんですが。

14日、札幌に着いて、とりあえずお茶を飲もうと、大通近くのmingus coffeeへ。
ここ。
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建物の入り口に目立つ看板もなく、初めてだとほぼ一発ではたどり着けないのでは。
店内もなかなかシャレオツなのですが、弊管理人はビル街の秘密基地みたいなテラス席(まさに写真矢印の先)が好きです。
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でもなんかこの日は「外の席、いいですか」と言ったらお店の方に「忙しいので、カウンターでいいですか」と言われました。そんなにいっぱい客いないじゃんと思って嫌な顔をしたら「じゃあ外でもいいですけど、忙しくなってきたらカウンターに移って下さい」と条件付き許可が出ました。面倒ならテラス席をやめればいいと思います。

夕飯、思い出の「コーヒー&レストラン Rota(ロータ)」、場所はスラムの中(失礼)、札幌市中央区南11条西8丁目。
ごはんを作る時間が待てないくらい、なんかがっつり食べたいときによく利用してました。近くに住んでいたのでね。
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軒並み300~400円台という恐ろしい価格設定の鉄板スパゲティを頼む人が多いですが、弊管理人はAセット(650円)が好きです。ピラフという名のチャーハンに、トースターで焼いた特製グラタン、千切りキャベツにポテトサラダ。懐かしい。大好き。一人で切り盛りしているマスターも健在でした。ここで飯を食ってから、歩いてすすきのまでお酒を飲みに向かっていると、楽しかったり悶々としたりしていた札幌生活に戻ったような気がしてきます。

2日間にわたって、懐かしい人たちと再会。

15日昼飯は、ちょっと足を伸ばして豚丼「いっぴん」へ。
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チェーンですが、好きなんです。街の中心部にないのが不便ですが、致し方ない(すすきのの「まむろ」はおしぼりが雑巾臭かったので行かない)。

夜は内臓が疲れてきたので、野菜のスープカレー。
そのあと朝まで遊び。
今日は早々に帰ってきました。

2012年09月13日

ジリオ

新橋(からちょっと歩く)、ジリオ。

「いらっしゃいませ、こちらの席でよろしいですか」
「いや。あっちの席がいいです」
「あちらはディナーの席なのでだめです」
「」
よろしいですかなんて聞かずに「こちらへどうぞ」と言えばいいのではないか。

ランチ1050円、ボロネーゼという名の牛肉そぼろパスタ。
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うん、濃いめで、複雑で、調和した味。

パンがつくのですが、手で食うのにお手拭きが出ない。

サービスはなんか変。料理はうまいんだけど。

2012年09月11日

よしなし

■五反田でふと入った本屋(店名見なかったがGoogle Mapsで見ると「あゆみbooks」というらしい)、書棚の一段に弊管理人の持ってる本が数冊ずつあるようなシンクロぶり。そしてその余の本もけっこう面白そうだったり、買おうと思って買ってないものだったり。近くにあったら絶対毎週通う。
■規模とあまり関係なく、本屋との相性ってありませんか。何か目的の本があって行くなら棚にあってくれさえすればいいんですが、面白そうな本ないかな、と思って行く場合は好みが合わないとなかなか出会いがありません。新宿の紀伊国屋でいうと、本店はどうも合わない。南口のほうが意外と合う。それにしてもジュンク堂がなくなってしまったのは残念。

■仕事が好きだということは全くないのですが、仕事が込んでいると元気になっちゃったりして困ります。

■だいたいの警告は手遅れ状態で発見されると思います。だいたいの悩みはその人しか解決できないように思います。

■本を読んだあと、ここに印象を書き付けることがある関係で、著者の方がエゴサーチで辿り着かれたらしいことを時々エゴサーチサーチで発見するのですが、いらっしゃる方って不思議とおじさま世代が多いです。ご訪問ありがとうございます。これからも頑張って下さい。

2012年09月09日

バースト!

■アルバート=ラズロ・バラバシ(青木薫監訳)『バースト! 人間行動を支配するパターン』NHK出版、2012年。
Albert-Laszlo Barabasi, BURSTS: The Hidden Pattern Behind Everything, Dutton Adult, 2010.

「確率・予測」関連でまた一つ。

個人の行動の予測は、実はけっこうできる。メールの送信やウェブサイトのクリック数などは、短時間に集中して行われ(バーストが起き)、そのあと暫く沈黙が続く、というパターンを示す。原因はおそらく人が、自分の抱えたタスクに「優先順位付け」をしているためだと考える。それはSNSや携帯電話の位置情報、アクセスログ、受療記録など、人の行動を常に監視しデータを集積するシステムが張り巡らされて初めて定量的に言えるようになってきたことでもある。そこで初めて、人間が全くランダムに行動するという仮定に立ってこそ予測ができるポアソン的な考え方から抜け出ることができる。でも、人間の集団=社会のレベルで予測するのは(まだ)無理のようですけどね。

16世紀ハンガリーの農民戦争と21世紀の世界を描いた二つの話が行ったり来たりしつつ、次第に交わっていく、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』っぽい構成ですが、弊管理人は抵抗なくいつも以上のペースで読みました(ということは密度が低かったということか)。
普段駆使している数式を全く使わないということでお話の流れは分かりやすい反面、「なんでそういう結論になったの?」となる省略のきつい箇所もいくつか。ていうか、個人の起こすバーストのパターンって要は生活上繰り返される「くせ」のことで、集団レベルではそれが混ざっちゃうから予測できず(いや、でも「法人」という1人格の振る舞いとかはある程度予測できる気もするけど)、歴史上の事件は各々特殊な条件下で1度しか起きないので予測できないっていうだけのことなんじゃあ……

監訳者あとがきは全体のうまい要約になっていますが、本文に仕込まれたちょっとした(ほんとにちょっとした)サプライズのタネは伏せています。監訳者も弊管理人のように、本を読むときにあとがきから読む人だったりするのかしら。

2012年09月04日

もうやん新橋

ランチはもうやんカレー@新橋。
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バイキング1000円。新宿のお店と一緒でおいしい。特にビーフ。
ワンプレートでいただくバイキングは、盛りつけのセンスあるいは知識が問われます。
真ん中にご飯で土手を作って、おかずがとっちらかるのを避ける必要があります。

ただじっと耐えて週末を待つ日々なのですが、といって平日にやることもいっぱい溜まってるので、そうそうすぐに週末が来てもらっても困るところが困りもの。

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