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2008年03月 アーカイブ

2008年03月30日

Aigues Vives

小樽市街地を抜けて余市方面にしばらく走ったところに、忍路(おしょろ)という港のある小さな集落があります。国道5号から分岐した街路からさらに坂を上ったところにあるパン屋が「Aigues Vives(エグ・ヴィヴ)」です。
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ほとんど普通の民家。入ったところが売り場になっていて、小さなテーブルにパンが並べて置いてあります。
前回来て気に入ったのがチョコレートの入ったパン、今日はさらにフルーツの入った大きめのパンを買いました。
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いっしょに来た友人と、缶コーヒーを求め、港まで出て防波堤の上に座ってパンを食べました。今日はよく晴れて、風は冷たいものの日差しがぽかぽかと暖かい。しばらくひなたぼっこして帰りました。

2008年03月29日

クリップ

今週の札幌は百何年ぶりに5日連続の気温10度超えをしたと思えば、今朝は雪がちらつくという具合に激しく天候が変化しました。

今日はお休みだったのですが、土日も稼働してる仕事先に差し入れのお団子を持っていったら変わったクリップをいただきました。
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グー・チョキ・パーと、動物の形のもの。
文房具大好きですが、これは知らなかったなあ。ちなみにじゃんけん型は30個で税抜き550円です。けっこういいお値段しますね。マジメな書類をこれで綴じて上司に提出したいと思います。

2008年03月24日

ぴあのれっすん(2)

昨夜、うっかり21時ごろにアイスコーヒーを飲んだら3時半まで眠れず、今朝は6時半覚醒。ていうか同じ過ちを先週日曜にもやらかしていたっつうの。
大好きなのに意地悪。そんな愛憎劇、アイスコーヒー。

で、今日はそんな状態のまま仕事して、頭ぼんやりしながらレッスン行ってきました。
・運指は科学。正しい指遣いで弾かないと難しいパッセージは余計難しくなる
・鍵盤を下まで押す、表面だけ撫でる、親指で叩く、人差し指で叩く、鍵盤の上で跳ねる、押さえつける―全部違う音が出ます。長いこと電子ピアノを使っていた自分が知らないうちに使い分けできなくなっていたことに気づかされました。
今日の教訓はこんなところ。1週間後にはまたチェックが入る、と思うと独りでやるのとは練習の丁寧さが違います。上手くなるかな?(自信はない)

シベリウス/奇想曲
ショパン/スケルツォ第2番

アフォーダンス入門

■佐々木正人『アフォーダンス入門』講談社学術文庫、2008年。

アフォーダンスって何やねんとここ何年か思いながらちゃんと本を読むことがなかったので、文字が大きくて文章が平易なこの本にお世話になることにしました。

アフォーダンスは、動物個体の外にある「環境」の中にあって、個体に対して与える可能性のこと、とでも言っておけばいいんでしょうか。「水」のアフォーダンスなら「泳ぐ」「飲む」「汚れを落とす」など。
そうした水が意味するところのもの=泳ぐ、飲む、……、というのは、個体の中に備え付けられた反射でも概念に従う行為でも試行錯誤の結果でもなくて、環境の中に存在していて、そこに個体が働きかけつつ行為が作り上げられていくようなものだというのですね。
こうした環境と個体の相互作用こそが知の正体であると考え、その知を扱うのが「生態心理学」なんだということでしょう。

さて、それが何の役に立つのかといえば、知性に関するよりよい説明ができます、というくらいなのかな、という感想ですが、連想ゲーム的に思いついたのは、ここから環境の操作によって人間の知性を操作できそうだという「アーキテクチャ」の話につなげることってできないんだろうか?とドキドキしつつ次の読書に続きます→鈴木謙介『ウェブ社会の思想』(読み終わったらリンク張ります)

2008年03月16日

ぴあのれっすん(1)

高校3年のときに受験で中断して以来12年を経て、また先生についてピアノをやることにしました。
つっても、あてもないのでPTNA(全日本ピアノ指導者協会)のページから市内の先生をピックアップして申し込み。今日、顔合わせをしてきました。

とりあえず一曲やって、ということになりショパンのスケルツォ第2番。ぎゃー!弾けねぇー!鼻水と変な汗でてきた!
そう、緊張すると鼻水出るんだった、という12年ぶりに思い出した自分の性質。
あと、変な汗は、臭う。

いいとして。

趣味としてやるにしても行き詰まりはずっと感じていて何とかしたいと思っていました。
人に見られないと上手くならない。期限がないと練習しない。やっぱりこれはレッスンやらないと解決しなさそうです。仕事の間隙を縫って月3-4回通おうと思ってます。
「ピアノやってたの?一曲披露して」と言われたときに満足に弾けるものがいくつかできるようになるのが当面の目標です。

2008年03月15日

帝国的ナショナリズム

■大澤真幸『帝国的ナショナリズム』青土社、2004年。

短期間でも外国で暮らすといろんな刺激を受けるもので、研究者に限らずそれが文章を書く動機になるというのはすごくよくわかる。小熊英二さんの『インド日記』もこの本も(筆者は1998~99年に米国滞在)そうだけど、体験に突き動かされて書かれた文章は、荒削りでも迫ってくるものがありますね。

ええまあ荒削りな選集なのでこの本だけ読むとオカルトですが、これで興味持ったら『ナショナリズムの由来』と「自由の条件」(「群像」連載、単行本化もする気らしい)読んで下さいね、っておっしゃってるのでオカルト批判は読んでからやりましょう。(自分は『ナショナリズム~』が大冊すぎるのでこちらを先に手に取ったクチ)

まず読むべきなのはIV部をその一本だけで構成している書き下ろしの表題作。「アメリカが世界の警察をやりつつ自分勝手なのはなぜか?」を考えた作品です。
形式的にはこんな感じ:
(1)ナショナリズム(ネーションAの確立)
→行き着く先としての(2)帝国主義(宗主国Aに、ローカルなa、b、cが従属している)
→その否定(というか総合)としての(3)帝国的ナショナリズム(多文化主義Xに、A,B,C,a,b,cが従属している……ことになっているのに、実はAがXを体現しているふりをしている。その一方で、A,B,C,a,b,cはXのもとでそれぞれ自分の特殊性に執着することを許されている)

つまり、↑の(3)でいう、ユニバーサルを気取っているローカルAこそがアメリカ。
そして(3)にあるように多文化主義のもとで各国が固有の価値を求めた結果が、冷戦(=帝国主義)後に噴き上がったナショナリズムであり、さらにいえば90年代に日本で急に盛り上がった「Jナントカ」もその一部であり、「和」とか「邦」ではなく「J」という普遍的な記号を用いているところからも、それが従属国・日本における帝国的ナショナリズムの現れといえるんじゃないすか、というお話。

折しも米国売りの昨今ですが、今後の「宗主国」はどうなるんでしょうね。

2008年03月08日

「当たり前」の断章

先日、いつもお世話になりっぱなしの仕事先のおとーさん(49)と行きつけの飲み屋でいつものように談笑していた。
芥川龍之介の話になり、遺書にあった「将来に対する唯ぼんやりした不安」に触れたとき、おとーさんは「将来に不安のねえ奴ぁいねえだろ」と笑った。

おとーさんは会社をやっていて順調で、人脈もものすごく広くて何でも知っている。不安とかとは無縁の人のように見えていたけれど、そんな人にとってもやはり将来は安定したものでもくっきり見通せるものでもない。なにか自分の頭の中の重石が一部ぼろっと欠けたような気がした。

思えば誰にとっても未来は不安定というか不確定で、永遠に潰れない会社や永遠に斜陽にならない産業や永遠に失業しない夫というのは仮構に過ぎない。考えてみれば当たり前のことで、さらにいえば口に出すほどのこともない当たり前のことだ。しかしあえて口に出すことによって聞く者に銃弾を撃ち込むことがある。先日の飲み屋では「自分の不安」が相対化されるプラスのインパクト。しかしTPOによっては「つまり安心などどこにもないのだ」というニヒリズムに突き落とす言葉だったかもしれない。

***

わかりきったことをあえて言葉にすることで与えられるインパクトというのがある。言葉の意味ではなく、言葉の持つ「押し」の力の領域での出来事だ。

好き同士で既に関係に入っている間柄でもあえて「好きです」と伝える言葉の押しの力は、やはり随時供給するべきものだと思う。「ありがとう」もそう。「常にありがとうと思ってます」と最初に一度だけ言うのと、「ありがとう」をどんどこ供給するのでは、意味価は同じでも押しの力が違う。そこを分かっておかないといけないと思う。

***

「言わないでも分かり合える関係が理想です」という考えはあるだろう。けれども自分は言葉に表されないものを酌む能力が低いせいか、あるいは言葉に表されないものに対する信頼が薄いせいか、そういう考えには与しない/できない。

コドモが家族に求めるような「自分を読み取ってほしい欲求」をオトナになって引きずるのは甘いと思うのだけれど、どうだろうか。ま、自分がそういう甘さから抜けられているかどうかは、怪しいのだけれど。(そしてたまには甘えたっていいとも思うけれど)

2008年03月04日

英検

現実逃避プロジェクト第2弾。9月のTOEICに続いて英検1級に挑戦しました。

結果は:
1次試験(筆記、2008.1.28):93点/113点満点(合格点78点)
2次試験(面接、2008.2.24):83点/100点満点(合格点60点)
で合格でした(万歳)。

以下、お勉強の経過。

■1次試験
対策は約1カ月前から始めました。TOEICと比べると要求される語彙のレベルがかなり高いという印象だったので、勉強時間(1日1~2時間程度)のほとんどを単語の暗記に費やしました。使った本はすべて旺文社発行です。

(1)英検Pass単熟語―単語帳。約2500の単語と熟語が載っていて、これを何周もしました。接尾/接頭語を鍵にして覚えたり、ゴロ合わせして覚えたりしましたが、結局半分くらいしか覚えなかった気がします。ただ、英検とは関係なく購読しているNATIONAL GEOGRAPHIC誌を見ると、「Pass単熟語」に載っている単語は普通に使われているので、そうマニアックなレベルが要求されているわけではないでしょう。英文をたくさん読むのに必要な単語力としてこれくらいは覚えておきたいですね。

(2)英検1級語彙・イディオム問題500―単語分野に絞った問題集。上記(1)をやっていて不安になってきたので途中から始めました。最低限、解答となっている500個の単語は完全に覚えるようにして、あとは選択肢も9割がた分かるよう、別紙に書き写して自分用の単語帳を作りました。手を動かさないと覚えないんですよね。

(3)英検1級DAILY30日間集中ゼミ―出題形式の傾向と対策。単元は30ありますが、ひとつひとつがコンパクトなので10日くらいで終わります。これは一通りやって「ふーん」というくらい。

(4)英検1級予想問題集―模試7回分。ただしリスニングまでついているのは3回分のみ。だいたい本番のレベルに近いと感じました。これも本番近くなって時間が余ったのでやったまで。本番形式を知るためだけなら上記(3)の最終日分が1回分の模試になっているのでそれをやれば十分だと思う。

本番。100分のうち筆記とリスニングを60分弱、作文40分強という配分になりました。作文は「世界のwilderness areaはもっと守られるべきか」というお題。wilderness areaは、人間の手の入っていない地域、くらいの意味だろうと推測、「生物多様性を保つことは災害から隣接する人間社会を守ることにもつながるから、自然の生態系は守られるべき」「その原資となり、また人間の自然保護に対する意識を高めるためにはエコツーリズムを利用するのがよい」「環境問題は国境を越えるから、取り組みには国際協調の視点も取り入れなければならない」みたいなことを書いて分量を稼ぎました。

で、まあ失点の大半は単語と作文だったのですが、いずれのセクションでも合格者平均を上回る点を取れたので(遺憾な点は多いながらも)よしとしました。

■2次試験
使った本は、1次の合格を知ってから図書館で借りてきた1冊のみ。
・植田一三、妻鳥千鶴子『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』ベレ出版、2004年。
この本はけっこう英検の面接試験を意識して書かれていて、出そうなトピックが100個以上紹介されています。そこからめぼしいもの計80個(1日3~5個)を選んで実際の試験と同じ時間をかけ(1分で考え、2分で喋る)練習をしました。
普段喋る機会のない人間にとっては喋る練習は大切で(A)自分が思わず使う表現を確認する=自分の喋りの「型」を見つけ定着させる(B)環境、国際関係、労働、少子化、IT、といった出そうな分野の専門用語を覚える(C)2分間を体で覚える、という3つの効果があります。

本番では、ネイティヴとおぼしき外国人のおじさん(たぶん英国人)、日本人の2人の試験官を前に、まず住んでいるところや趣味といったざっくばらんな会話を1分ほどしたあと、5つのトピックからひとつを選んで話をし、そのあとその話について質疑応答します。

自分は「労働組合は必要か?」という趣旨のトピックを選び、
・雇用形態が多様化するなかで、一人一人は弱い労働者が会社と対峙するためにまとまることが必要
・特に、個人ではとっつきにくい労働法制について知識を共有し、何が労働者の権利であるかを知る効率的な方法である
という2点から労働組合は現在にこそ大きな意味を持つ、というようなことを話しました。

質疑では上のような話を受けて、次のようなやりとりをしました。
Q:ストは必要だと思うか?
A:日本の場合は法律でも認められており、会社と戦う有効な武器になる
Q:公共交通機関のストは多くの人に迷惑をかけるが、それでも?
A:極端に公共的な場合は制限も必要かもしれないが、基本的には必要だと思う(ここでネイティヴの試験官が「英国ではよくあることですよね~」と口をはさむ)
Q:会社にとって労働組合の存在とは?
A:交渉をたくさん持って労働環境を改善していくことはもちろん労働者の利益になるし、それによってよりよい仕事をしようという刺激にもなる。会社のためにもなると思う
というようなやりとりをしました(質疑はもう何問かあったけど忘れた)。終始フレンドリーで話しやすい雰囲気でした。

スピーチ、質疑、語彙文法、発音の4つのセクションで評価され、得点はそれぞれ10点満点に換算すると8点、9点、8点、8点でした。使った単語が平易なものばかりだったので語彙はもっと低く出るかと思いましたが、ほかはまあ沈黙も思ったより少なかったのでこんなものかなと。自分の会社は労働組合の組織率が高くて活動も活発なので、喋りやすかったという幸運もあったと思います。
いずれにせよ、英語の表現を知っているか知らないかも大切ですが、それ以上に話すべき「内容」を持っているかどうかがスピーチでは重要だと改めて認識しました。

というわけで英検はこれにて終了です。次の挑戦に向けて潜伏します。ブクブク……

2008年03月02日

糠平

土日を利用して、十勝は上士幌町、糠平(ぬかびら)温泉に行ってきました。
札幌からみて「大雪山の裏っ側」です。今回の目的は2つ。

(1)これまでのツーリングで未踏だった国道273号「糠平国道」を走る
(2)氷結した糠平湖に現れる「タウシュベツ川橋梁」を見る

土曜の昼過ぎになって急に宿を予約し、道央道を旭川方面へ。
層雲峡を過ぎるともう夕暮れ時になってしまいました。
糠平国道は東大雪の山の中を通っており、森林といくつもの橋を通り抜けるツーリングロードです。
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標高1139m、北海道の国道の峠としては最高所にある三国峠を過ぎると、谷を長くまたぐ橋が見えるヘアピンカーブがあります。既に風雪が厳しい夕闇の中でしたが、車を止めて写真とりました。

アイスバーンを走り抜け、糠平温泉で一番大きい「糠平館観光ホテル」に投宿。露天風呂はわりとぬるめのお湯で、風呂から上がるとすっと汗が引いて、しかしぽかぽか温かいいいお湯でした。雪をかぶった木々と沢を眺められ、景色も気に入りました。

明けて日曜。
地元のNPO「ひがし大雪自然ガイドセンター」主催のツアーに参加です。スノーシュー(かんじき)を借り、スキーウエアを着込んで糠平湖を目指します。

糠平湖は水力発電のために作られた人造湖だそうです。温泉から少し北に行った「五の沢」に車を止め、スノーシューをはいて林を抜けます。
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廃線になった国鉄士幌線の線路がここにあったんだって。

林を抜けると、70cmほどの厚い氷に覆われた湖面に降ります。
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ここでの見物のひとつは「キノコ氷」。冬の電力消費増大に伴って水を大量に抜くため、水位が下がるとともに湖面の氷が切り株の上に取り残されてできるそうです。氷はきれいな水色。写真のような大小のキノコがぼこぼこと生えてます。だいたいは上の氷が割れて火山の噴火口のようになっています。

ワカサギ釣りのテントを横目に湖面を2キロほど歩いて横切ると、ハイライト「タウシュベツ川橋梁」にたどり着きます。
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士幌線の線路がのっかっていた橋梁です。普段は湖底に沈んでいますが、水位の下がる冬からゴールデンウイークくらいにかけて姿を現すそうです。いまは周囲に何もありませんが、かつてはこの橋も森林に囲まれていたそうです。ツアーに参加した9人で写真を撮りました。

戻って昼飯。そして一路帯広へ。
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眠くなってきたので六花亭でお茶して札幌へ戻りました。

2日で約530kmのドライブ。晴天率の高い十勝は今日も真っ青な空でとても気持ちよかったです。
糠平のお湯も雰囲気も気に入りました。穴場ですね~

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