現実逃避プロジェクト第2弾。9月のTOEICに続いて英検1級に挑戦しました。
結果は:
1次試験(筆記、2008.1.28):93点/113点満点(合格点78点)
2次試験(面接、2008.2.24):83点/100点満点(合格点60点)
で合格でした(万歳)。
以下、お勉強の経過。
■1次試験
対策は約1カ月前から始めました。TOEICと比べると要求される語彙のレベルがかなり高いという印象だったので、勉強時間(1日1~2時間程度)のほとんどを単語の暗記に費やしました。使った本はすべて旺文社発行です。
(1)英検Pass単熟語―単語帳。約2500の単語と熟語が載っていて、これを何周もしました。接尾/接頭語を鍵にして覚えたり、ゴロ合わせして覚えたりしましたが、結局半分くらいしか覚えなかった気がします。ただ、英検とは関係なく購読しているNATIONAL GEOGRAPHIC誌を見ると、「Pass単熟語」に載っている単語は普通に使われているので、そうマニアックなレベルが要求されているわけではないでしょう。英文をたくさん読むのに必要な単語力としてこれくらいは覚えておきたいですね。
(2)英検1級語彙・イディオム問題500―単語分野に絞った問題集。上記(1)をやっていて不安になってきたので途中から始めました。最低限、解答となっている500個の単語は完全に覚えるようにして、あとは選択肢も9割がた分かるよう、別紙に書き写して自分用の単語帳を作りました。手を動かさないと覚えないんですよね。
(3)英検1級DAILY30日間集中ゼミ―出題形式の傾向と対策。単元は30ありますが、ひとつひとつがコンパクトなので10日くらいで終わります。これは一通りやって「ふーん」というくらい。
(4)英検1級予想問題集―模試7回分。ただしリスニングまでついているのは3回分のみ。だいたい本番のレベルに近いと感じました。これも本番近くなって時間が余ったのでやったまで。本番形式を知るためだけなら上記(3)の最終日分が1回分の模試になっているのでそれをやれば十分だと思う。
本番。100分のうち筆記とリスニングを60分弱、作文40分強という配分になりました。作文は「世界のwilderness areaはもっと守られるべきか」というお題。wilderness areaは、人間の手の入っていない地域、くらいの意味だろうと推測、「生物多様性を保つことは災害から隣接する人間社会を守ることにもつながるから、自然の生態系は守られるべき」「その原資となり、また人間の自然保護に対する意識を高めるためにはエコツーリズムを利用するのがよい」「環境問題は国境を越えるから、取り組みには国際協調の視点も取り入れなければならない」みたいなことを書いて分量を稼ぎました。
で、まあ失点の大半は単語と作文だったのですが、いずれのセクションでも合格者平均を上回る点を取れたので(遺憾な点は多いながらも)よしとしました。
■2次試験
使った本は、1次の合格を知ってから図書館で借りてきた1冊のみ。
・植田一三、妻鳥千鶴子『英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング』ベレ出版、2004年。
この本はけっこう英検の面接試験を意識して書かれていて、出そうなトピックが100個以上紹介されています。そこからめぼしいもの計80個(1日3~5個)を選んで実際の試験と同じ時間をかけ(1分で考え、2分で喋る)練習をしました。
普段喋る機会のない人間にとっては喋る練習は大切で(A)自分が思わず使う表現を確認する=自分の喋りの「型」を見つけ定着させる(B)環境、国際関係、労働、少子化、IT、といった出そうな分野の専門用語を覚える(C)2分間を体で覚える、という3つの効果があります。
本番では、ネイティヴとおぼしき外国人のおじさん(たぶん英国人)、日本人の2人の試験官を前に、まず住んでいるところや趣味といったざっくばらんな会話を1分ほどしたあと、5つのトピックからひとつを選んで話をし、そのあとその話について質疑応答します。
自分は「労働組合は必要か?」という趣旨のトピックを選び、
・雇用形態が多様化するなかで、一人一人は弱い労働者が会社と対峙するためにまとまることが必要
・特に、個人ではとっつきにくい労働法制について知識を共有し、何が労働者の権利であるかを知る効率的な方法である
という2点から労働組合は現在にこそ大きな意味を持つ、というようなことを話しました。
質疑では上のような話を受けて、次のようなやりとりをしました。
Q:ストは必要だと思うか?
A:日本の場合は法律でも認められており、会社と戦う有効な武器になる
Q:公共交通機関のストは多くの人に迷惑をかけるが、それでも?
A:極端に公共的な場合は制限も必要かもしれないが、基本的には必要だと思う(ここでネイティヴの試験官が「英国ではよくあることですよね~」と口をはさむ)
Q:会社にとって労働組合の存在とは?
A:交渉をたくさん持って労働環境を改善していくことはもちろん労働者の利益になるし、それによってよりよい仕事をしようという刺激にもなる。会社のためにもなると思う
というようなやりとりをしました(質疑はもう何問かあったけど忘れた)。終始フレンドリーで話しやすい雰囲気でした。
スピーチ、質疑、語彙文法、発音の4つのセクションで評価され、得点はそれぞれ10点満点に換算すると8点、9点、8点、8点でした。使った単語が平易なものばかりだったので語彙はもっと低く出るかと思いましたが、ほかはまあ沈黙も思ったより少なかったのでこんなものかなと。自分の会社は労働組合の組織率が高くて活動も活発なので、喋りやすかったという幸運もあったと思います。
いずれにせよ、英語の表現を知っているか知らないかも大切ですが、それ以上に話すべき「内容」を持っているかどうかがスピーチでは重要だと改めて認識しました。
というわけで英検はこれにて終了です。次の挑戦に向けて潜伏します。ブクブク……