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2012年07月 アーカイブ

2012年07月26日

確率の科学史

■マイケル・カプラン、エレン・カプラン『確率の科学史―「パスカルの賭け」から気象予報まで』朝日新聞社、2007年。

一昨年くらいから科学論の入門書にいくつかあたるうちに、リスク、偶然、そして確率を扱った本を手に取るようになったところをみると、弊管理人の中期的な関心はこのあたりにあったのかなあ、と最近振り返りつつあります。人間を含む自然の正体が書かれている非常によくできた本(書き手は自然自身でも神でも何でもいい)が誰にも見えないところに実はあって、それに迫っていく手段が確率なんだっていうナイーブなイメージから出発してどこまで行けるかな。

さてこの本は、確率の理論史を古代から現代まで一本道で描いたものではなくて、賭博から保険、医療、裁判、天気予報、戦争、そして物質の存在、といったいろいろな分野に確率が利用されるようになった経緯と、その展開の様子をオムニバス形式で紹介したもの。およそ何かと何かの間に関係があるという判断には確率の利用がつきものです。そこで、確率の歴史を書くに際して、さまざまなシステムの起源たちに当たってみる、それが本書がとった構成だと思います。とても魅力的なトピックが選び出されていて、珍しく後ろにいくほど読むスピードが上がりました。

2012年07月22日

鹿児島出張

仕事がいっぱいいっぱいでグロッキーのまま人生初の鹿児島、3泊4日の出張へ。
どっこい、かなり楽しかったっていう。

いつものように、仕事以外の部分を。

当然初めての羽田→鹿児島線。
夏の富士山。
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乗り継ぎで鹿児島→種子島。
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海はきれいです。しかしあまりわくわく感のない島ではある。
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鉄砲だのロケットだの、発射にご縁があるみたい。

ご当地ものを貪欲にいただく。
中華料理の「蘭蘭」で安納芋の餃子。
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味は、安納芋+餃子。

そして、飲み屋さん「なべ割」でいろいろ食べる。何を食べてもおいしい。
珍しかったのは、「鰹の腹皮」。
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なんだこれー! 字の通り、鰹の腹側を焼いたものだそうです。
同席した鹿児島勤務の後輩によると「本土で見るものともちょっと違う」。
塩蔵なのか、けっこう味が濃い。酒飲みの食べ物ですね、これは。

食堂「美の吉」。
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インギー鶏というのは、1890年に島の人たちが英国の船の救助活動を行った際、お礼にもたらされたという、意外に最近来た地鶏さんらしい。
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焼き鳥推しのようですが、陶板焼き定食にしてみました。
結構歯ごたえあり。

帰りは高速船にて鹿児島市に向かう。屋久島経由の便しかなく、所要3時間20分。
港の売店に……
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こんなのあるんですね。(調べてみたら全国母子寡婦福祉団体協議会というのがあるらしい。おそらくその親が母子及び寡婦福祉法。)

鹿児島はスコール。雷も。
中心街の天文館、「むじゃき」にて名物、白くま(プリン載せ)。
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要はいろいろ載ったかき氷。くまの顔っぽく配置してあってレーズンが目に当たるらしいが、本作品はどこが正面かもわからないほどの惨状。店頭のディスプレイが真っ白でないのは、ただ黄ばんでいるのかと思ったら、コンデンスミルクみたいな味がまんべんなくつけてあるからなんですね。べたべたしてなくて意外とさっぱり。うまいわこれ。

小やみになって通りに出てみると、街は「おぎおんさあ(祇園祭)」でした。
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城山公園に行くぞ、と思ったら交通規制のせいで天文館のバス停がどっかいっちゃってまして、タクシーで。
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定番の風景。ナポリとは、ベスビオ火山と街の景色が鹿児島に似ているというご縁で姉妹都市なんだって。

帰りは循環バス180円。
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鹿児島中央駅まで約1時間。乗ったままいろんなスポットが見られて満足しました。

つっかれた。
鹿児島の人たちの喋りは方言きつくてかわいかったです。

2012年07月13日

暗黙知の次元

■マイケル・ポランニー(高橋勇夫訳)『暗黙知の次元』ちくま学芸文庫、2003年。

人は自分で意識して言語化できることだけを知っているのではない、という有名なアレ。
日本語での初訳から30年経って読むという乗り遅れ方。
でも、全文読んでみると、内容は上記の一文に尽きない豊かなもの。
暗黙知の次元こそが理解へ、イノベーションへ、そして倫理へと私たちを駆動する。
随所にソヴィエト・ロシアへのうんざり感が書かれてますが、それは「いくら周到に作っても、計画した社会には人間はつかまえきれないんだぜ」という批判。
この本よりさらに60年余り前に見出された「無意識」の拡張であり、この本より30年くらいあとに弊管理人がよく使ってた「可謬主義」の源流だったような気がする。って言ってしまってはつまらないのか。

* * *

7月に入っても仕事は落ち着かず(これは力不足)、さりとてやる気など全くなく(これは先月より引き続き)、それに加えて9時間寝て出社しても午後には身体が怠くなるようになってしまい、午後10時11時には困憊して朦朧とした状態で電車に乗って家に帰るという生活が続いていました。

なんだこの体調の悪さは、と思っていたのですが、今日なんとなく分かった。
会社が節電か何かで例年より蒸し暑くなってるんじゃないか?
家でクーラーきかして作業してると結構元気なんですよ。
会社行くのやめようかな。

2012年07月02日

高七

新宿区は夏目坂、明治時代からやっているという、天ぷら「高七」で昼飯。

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弊管理人は天ぷらってあまり食べないのですが、天丼は大好きです。
お店に入ってメニューを見ると

   天丼 700円
   上  1500円

あまりの値段の差に、大将らしきおとーさんにお聞きしました。
普通の天丼と、上の違いはなんぞやと。

  「上は全く違うんですよ!
   並の天丼に、
   単に何か加わったものじゃあ、ないんですよ!」

論理とかそういった次元の問題ではないらしいその勢いに気おされ、上を注文。
しばし待つ。

運んできてくれた方が、丁寧に上に載っているものを説明して下さいました。
お刺身用ほたて、かにの身を大葉で包んだもの、きす、いか、脱皮前のえび、くるまえび、たまねぎ、甘ししとう、とうもろこし(だったと思う)。
ほかに、冷や奴の小鉢と、新香と、味噌汁がつきます。

かに大葉に、ぱくつく。

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   !っうまっ!

甘い素材は甘く、香る素材は香るように、火を通しすぎないように加減しながら揚げているようです。これは今まで食ったことのない感じだなあ。すごくおいしい。

食べ終えてお茶を飲んでいると、入ってきた人が天丼を頼んでいました。見ずに出てしまいましたが、次は並を食べてみよう。

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