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2015年10月 アーカイブ

2015年10月29日

アブルボア

ちょっと用事があって、東大弥生キャンパスに昼過ぎに立ち寄りました。
ビタミンと食物繊維を取るだけなら学食でいいのですが、今回はプラスアルファを求めてしまった。
構内にある「アブルボア」でハンバーグ定食、980円。
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うん、普通にうまい。
サラダがたべほなのと、納豆がつくのが好感。

震災の少し前に交際した10コ下の人を弊管理人お気に入りの中華に連れて行ったとき、「普通においしい」と言っていて、普通なのかおいしいのか激しくひっかかったものの、聞きそびれたまま別れてしまっていました。
先日、話す機会があって「あれは正味のところ普通だったの、おいしかったの」と聞いたところ、「その表現だと、おいしいという意味である」との回答が返ってきました。ほっとしつつそれは正調若者語なのかどうか釈然としないものが残った次第です。

あと、新しいカメラは特別工夫しなくてもよくボケます。
それはとてもいいと思うけど、ちゃんと中心的なオブジェクトにピントを当てないといかんな。

なんかビューリホーデーでした。
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2015年10月25日

レトロとカメラ

新宿・戸山で勉強を兼ねた仕事があって、近くのLe Cafe RETROでお昼を食べました。
休日メニューのライスプレートとかで、今日は「スモークチキンとカボチャのリゾット」780円。
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カボチャは天ぷらにするようなスライスのがのっかっているのかと思ったら、ご飯に混ざってました。
先日も牡蠣と卵のカレーに感心したけど、これも「よく思いついたよね」と思う素敵な組み合わせでした。天晴れ、うまいよ。そして早稲田大学の向かいだけあって結構安い(自分が学生だったらちょっと躊躇する値段ではあるが)。
オムライスで名前を聞くお店だったので、次は是非そちらで。
その手があったかと思える食べ物にはまだまだ出会う余地があるのだな。

* * *

カメラを買ってしまいました。
2012年1月か2011年末に買ったPowershot S100は3年半以上お世話になった優秀な子でしたが、ここらで新しくしておいてもいいかなということで、Powershot G7Xに。
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もともとかなり安くなっていた値段から、機種を問わない下取りでさらに5000円引きになり、中古より安い値段で買うことができました。ちょっと重くなったけど、許容。センサーが1/1.7から1インチに大きくなったのと、エンジンが1世代新しくなったのがどう影響するか。

会社から持たされたSONYのXPERIAという携帯のカメラは、これまで弊管理人が持ったことのある携帯のカメラと比べものにならないくらい良い画像を吐き出してくれます。もうコンパクトカメラなんて持たなくてもいいんじゃないかと思えてきます。
しかし、それでも
・ズームができない
・シャッター音が(普通は)消せない
・そうはいってもぼかしたりはやりにくい
という不満はまだあります。

静かな飲食店内などでシャッター音させるやつは滅びろと思うたちですし、人を撮るときに携帯もねえ、ということで当面デジカメは持つことになりそうです。ただ、レンズ交換式ほどの大きさのものを持ち歩く気は全く起きません。

では、携帯には絶対無理な10倍以上のズームができるコンパクト機はどうか。これも検討しましたが、画質がね。逆にセンサーの大きさを取ろうとすると筐体が大きくなってしまいます。多分弊管理人はカメラを新しくしながら画質が落ちるのには納得できないので、ズームはS100より少し落ちるくらいで妥協しました。

Powershot Gシリーズは最近新しい機種が発表されましたが、今回買ったG7Xにファインダーをつけたため大きくなっちゃったやつと、小さいけどズーム倍率も落ちてしまったやつという惜しいラインナップだったので、もういいやということで少し古い型ですがこれにしました。次の弊日記から使うと思います。

2015年10月19日

秋の北海道(2)

日曜、ゆっくり起きて旭川に向かいました。
特急スーパーカムイも在札幌時代以来。
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この四角い家並を見ると、北海道だなーと思います。
特急の指定席は取らないのが普通なのも、そういえばそう、と。
旭川駅は不当に?大きくなってました。

駅から宿の送迎バスに乗り換えますが、1時間弱の間があったので「蜂屋」でラーメン。
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 ? くらい。

送迎バスで1時間半、50キロ離れた上富良野町の「カミホロ荘」に泊まります。
十勝岳連峰の中腹、標高1200mにある宿です。
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谷を向いたお風呂からの眺めがこんな。
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翌日の朝5時半を含め、4回入っちゃいました。
最後はチェックアウト後、送迎バスの出発前に。
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日曜夜は雨が降っていましたが、月曜朝から秋晴れでした。
送迎バスの車窓もすばらしい。
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空気は既に冬を感じさせる、寒い朝でした。
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札幌に戻ってきてしまったので、新しくできた六花亭の札幌本店でお土産を買いました。
喫茶コーナーもありますが、おばさまたちで混雑していたのでパス。
ここでしか食べられないというマルセイアイスサンド、立ち食いで200円です。
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どうせうまいんだろ、けっ、と思いながら食ったらやっぱりうまい。悔しい。

満足しました。バニラエアで帰京。
成田のLCCターミナルは初めて利用しましたが、なんかいろいろお店もあって、明るくて、楽しげでした。東京駅までのバスも1時間ちょいで到着。疲れたけど行ってよかったです。
それにしても予約間違いはショックだった(金銭面じゃなくて、自分がこんな間違いをするということに)。あと、マイルを年末までにまた消費しないと。

2015年10月17日

秋の北海道(1)

マイルの有効期限が近づいてきたため、その消費を兼ねて土日月と2泊3日の北海道旅行に行ってきました。
新千歳空港から札幌までは、いつもはJRで移動しますが、今回はレンタカーを借りました。
それならということで、まずは短い漁期のまっただ中、門別のししゃもを食べに行きました。
初めて参ります、カネダイ大野商店。
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店の前に干してあるししゃもを、食べる分だけ竿に通してもらいます。
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オス2、メス2というちょっとだけの注文ですが、快く席に案内していただけました。
クッキングシートを敷いたホットプレートの上に並べます。
左がメス、右がオス。
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卵を抱いてないオスのほうが、脂が乗ってるそうです。
確かに、オスのほうから先に、脂が腹からしみ出して、自分の脂で自分の体を焦がしていきます。
独りなので誰とも話すことなく、じっとその様子を見ていて、なんだか気の毒に思えてきてしまいました。
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おいしかったですが、カペリンはカペリンでいいか、と思いましたとさ。

すごく晴れていたので、思いつきで樽前山に向かいました。
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7合目まで車で行けるので、らくらくです。
15分も歩いて振り返ると、支笏湖が見えます。
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外輪山に出れば、溶岩ドームを間近に見ることができます。
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頂上からもっかい支笏湖。左側の山は風不死岳(ふっぷしだけ)です。
丸駒温泉に浸かっていると正面に見える山ですね。
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振り返ると外輪山の形が美しい。背後は白老とかのほうかな。
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帰りは帰りで、日本とは思えない風景が楽しめます。
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急に思い立って来たので、水さえ持たずに登ってしまった。
登って降りてくるまで、結構早足の弊管理人で1時間ちょいです。
地元では小中学校の遠足で来るようなイージーな山だとのこと。
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秋たけなわです。堪能しました。
札幌の中心部に向かう前に、車でないと行けないカラバトカリーに6年ぶりに立ち寄りました。
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昔食べておいしいと思ったものも、時間がたってみると記憶が美化されてしまっていて、あらためて食べてみるとそうでも……ということもありますが、これはちゃんとおいしくて安心しました。

札幌で車を返してホテルにチェックインしました。
ここで「あすの搭乗便の案内」というメールがANAから来て、予約間違いに気付きました。
「あさって」旭川から乗るつもりの便を1日間違えて予約していました。
マイルで予約したので、変更は効きません。解約しました。
旭川―羽田便を取ろうとすると4万円以上するので、それはやめて、LCCの千歳―成田便を取り直しました。あー、こんなの初めて。弊管理人の頭、いよいよやばいかもしれん。

気を取り直して、久しぶりの現地友人らとジンギスカンの有名店「だるま」へ。
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たぶん9年ぶりくらいで、全然味を覚えてませんでしたが、うまかった!
タレににんにくとトウガラシをいっぱいぶっこんで、すんごい食べてしまいました。
近くの宮越屋でお茶をしながら話し込んで、そのあとは旧知の飲み屋さんに挨拶に行きました。
お通しが豪華なお店で、厚切りベーコンの乗ったチーズハニートーストを午前1時に食べてしまうという……
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3時就寝。

翌日は、さらに北に向かいますよ。

2015年10月14日

潮など

このところ、いろいろおいしいものを食べてました。

仕事のついでに淡路町というあまり立ち寄らないところを歩く機会があったので、麺巧 潮。
お店の外にまで待つ人用の椅子が並べてあるくらい人気店のようですが、午後4時20分という中途半端な時間の昼飯だったので、店内は弊管理人一人でした。
鶏白湯そば(←どうでもいいが、とり・さゆ、と打って変換している)。
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  なんだこれーー!
    なんだこれーー!

ポタージュっぽい。焦がし葱もハーブも肉巻きアスパラもポーチドエッグもちゃんと合ってます。
確かにうまい、いや、かなりうまいが、形容しがたいハテナが勝る。
体験としても面白い。

* * *

モーニングでリベンジ、星乃珈琲店。
エッグスラットをいただきます。
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700円。いくつかのサイトに載ってた値段より200円高くて気分がかなり下がった。
でも、悔しいかな(?)おいしかったです。半熟卵―ソース―マッシュポテトの3層をすくってトーストにのっけて食べるのです。うん、なんか外人のごはんって感じがする。白い人たちって朝に卵食うの好きだよね、なぜか。

* * *

お昼、新橋の新規開拓は「舞浜」。
なんか会社の人がいっっっぱいいた。
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煮魚か焼き魚を選んで、あとは刺身とじゃこおろし、漬け物、味噌汁、茶碗蒸し。
ちょっと豪華めのオヤジ昼飯、お値段もちょっといいめの1000円です。
隣の土木関係っぽいおじさんがイワシの煮付けを選んでいて、そっちだったな、と思った。

2015年10月12日

景虎/音声

歌舞伎町のパスタ「景虎」。
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カウンターとテーブル席がある素っ気ないパスタ屋さん。
弊管理人が行ったときは静かなお客ばかりで、座ったカウンターの反対側の端では、いわくありげなおねいさんが大盛を啜ってました。
ひとりめしにちょうど良い感じ。また来る。

* * *

この連休は麺づいていて、天下一品のラーメン+チャーハンセットも初めて食べました。
チャーハンが意外とポロポロで香りもよくてうまかったです。

* * *

■山岸順一他『おしゃべりなコンピュータ』丸善出版,2015年.

仕事関係で音声合成技術の現在をざっと見ておく必要があり、新幹線での名古屋往復の時間を使って読みました。

2015年10月06日

エッグベネディクト

朝7時からやってるはずの近所の星乃珈琲店で500円のモーニング食って元気に出勤しようと思ったら9月なかばから8時からになってて、怒りにまかせて汐留のバビーズで980円のエッグベネディクト朝定を食べました。
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すっごいバカにしてたけど意外とおいしかった。
洋風ハムエッグ定食というか、エッグマックマフィンのいいやつというか。
意外なことに急に忙しくなった夜中まで元気が持続したので、それなりのカロリーだったのでしょう。

* * *

その忙しい夜中、他部署に発注に行ったら、そこのおっさんがイライラしていてこちらもモヤモヤ。でもそこはあまり自由に仕事ができるところでもなく、今夜は忙しい夜だったこともあって、いろいろ大変なんだろうなと思い、弊管理人もあんまりイライラしちゃいけないなと反省しつつ帰ってきました。

* * *

職場で咳しながらマスクを着けないバイオテロが流行っていて、嫌だなあと思っていたら金曜に熱が出ました。37.3度くらいまでいって、顔が腫れたみたいになってちょっと不安になったので近所の内科に行きました。しかしドクターの判断は「顔色いいですよ。うーんあんまり薬いっぱい出したくないんだけど、葛根湯でも飲んどきますか」という冷静かつ良心的なもので。
顔がむくむのは、腎臓がやばいからという可能性も考えられますが、まあ大した腫れではなく、一応尿検査をして何も出ず、帰ってきました。

で、葛根湯を1回飲んで金土の2日間で22時間寝たら、日曜の朝には35.3度に下がってました。
そして痛かった喉もほぼ回復。疲れただけっぽい。
でも、ときどき体調崩してリセットするのって多分体にいいんですよね。

* * *

早寝早起き大事。

2015年10月02日

【ペンディング】ヴェール論争

【10/4】↓すごいへたくそなまとめなので、書き直しを試みます


1月にシャルリ・エブドの襲撃が起きたあと、それなりにいろんな解説を読んだのだけど、なんというかフランスの社会に詳しい人が「自分は背景を知っていて一般人は知らない」ということをあまり意識しないで書いている感じがして消化不良でした。で、少しスコープを広げてみようと読んでみた本。ちょっときれいに整理しすぎだろうとも思いますが、見通しはつきます。メモは結構いっぱい書きましたが、ここではさわりだけ。

■ヨプケ, C. (伊藤豊他訳)『ヴェール論争』法政大学出版局, 2015年.

・本書の課題は、ムスリム女性のヘッドスカーフの受け入れに際してリベラリズムがどう機能するかを、これまで主に論じられてきたフランスだけでなく、ドイツ、イギリスに関しても見ることである
・リベラリズムには二つの顔がある。第1の顔は、さまざまな生の様式を調停する暫定協定としてのリベラリズム。第2の顔は、それ自体が一つの生の様式としてのリベラリズムである
・「国家の宗教に対する中立性」も、上記に対応した二つの顔を持つ。「宗教をどれも認める多元主義」(第1の顔)と「宗教はどれも一律に認めない社会統合のイデオロギー」(第2の顔)。後者の場合、そのイデオロギー自体が、いわば一個の宗教と化す可能性もある

・フランスは「ライシテ(非宗教性、政教分離)と共和主義的リベラリズム」。公的な場での宗教色を徹底排除する。リベラリズムの第2の顔に対応する。2004年に公立学校における「これ見よがしの」宗教的シンボルが禁止された。リベラルの下での抑圧ともいえる
・イギリスは「多文化主義的リベラリズム」。ヘッドスカーフは特に問題にならなかった。リベラリズムの第1の顔。ただ、目以外を全部覆う過激な形態に関しては学校の権限で禁止できるようになった
・ドイツは「キリスト教―西洋的なリベラリズム」。西洋的な価値に挑戦するようなイスラム的ヘッドスカーフは禁止、という立場。

・ヘッドスカーフはどんな意味を持っているのか:
・本来は特に政治的、宗教的意味はなかった。クルアーンでも社会慣習として規定されている
・ただ、イスラムにおける家父長制的な価値観、男性優位を具現しているともいえる。女性のセクシュアリティを夫に所有させ、封じ込める機能を持っている
・1980年代以降、西洋の下品さや物質主義、商業主義を拒否するものという意味合いが加わる
・どんな事情があったのか。公教育と都市化を背景に→イスラムに精通したムスリムが量産され→イスラム復興とともに→近代化・世俗化しつつ反西洋に傾いた
・さらにフランスでは、占領者側(フランス)がヴェールを除去しようとしたことで、抵抗のシンボルとしての意味が付加された
・ガスパールとコロスカヴァールは、フランスにおけるヴェールの多義性を以下のように分類した
(1)移住先でも出自を示すため。これはフランスに限らず、どの移住先にもある
(2)淑やかさのシンボル。セクシュアリティの管理の手段として親から課されるもの。ただし、同時に、ヴェールを付ければ家庭の外に出られるようになる、という「解放の可能性」としての意味も持つ。これが論争の種になる
(3)自立したフランス人であると同時にムスリムでもあるという二重性を示すために、自発的に身に着けられるもの←これがよく社会学の研究テーマになる
・ただし、いずれにしても宗教性は免れないことを忘れるべきではない(さもないと、ただのファッションになってしまう)。そして、宗教性の中心にあるのは女性の従属である

・誰のヘッドスカーフが、どんな場で問題になってきたか:
・ヘッドスカーフは、リベラリズム(国家の中立、個人の自立、男女平等)への挑戦だといえる。ただ、リベラリズムの下でヘッドスカーフを抑圧することも非リベラルになりえてしまう(フランスを見よ)
・司法は権利保護の立場を取る傾向を見せてきた。リベラルな国家は宗教の教義に介入したり管理したりしてはならない。だから裁判所は基本、何が宗教的かを定義できない。とすると、何かが宗教的かどうかの判断は基本、個人の主観に任されることになる
・一方、立法と行政は、治安や秩序といった集団の価値を優先させる傾向がある。宗教的権利は個人の領域だけに関するものではない。ヘッドスカーフは公的領域、特に職場と公立学校で問題化した
・公立学校でのヘッドスカーフ問題は、ドイツではヘッドスカーフを着けたい教師=国家の代理人=の宗教的権利が争点になった
・フランスでは、宗教やエスニシティを払拭し、自由で平等な国民を形成する場となる「共和国の聖域」、すなわち公立学校で教師が着用を禁止されることは、当たり前すぎて問題にもならなかった。規制論議の対象になったのはもっぱら学生のほうだった
・イギリスでは目以外の全身を覆う過激なヘッドスカーフのみが問題になり、学校の排除権が高等法院で認められたが、国家は特に関与しようとしなかった

・イギリスの対処は、ヘッドスカーフが政治的、宗教的な対立になるのを避けながら、「全身を覆われるとコミュニケーションに支障が出る」といった実利的な問題に絞ったという点では、それなりにうまい。しかし、ヨーロッパの中でも例外的に理解され受け入れられているイギリスでは、ムスリムは疎外されたマイノリティとして不満を募らせている
・フランスの対処は、ヘッドスカーフに対して厳しい方針を採ってきたが、国民統合の明確な条件を示しえていて、ムスリムの文化的統合度も高いといえる
・ドイツは、憲法レベルでは諸宗教の平等を掲げながら、地方政治レベルではキリスト教をひいきし、イスラムだけを排除しようとしている点で、リベラリズムを踏み外している。

2015年10月01日

弊日記10周年

2005年9月に始めた弊日記が、まる10年続きました。
別に何も大変なことではなく、その前にも大学1年から9年にわたってホームページをやっていたし、それ以前も中学のときに日記を書く癖をつけさせられてから紙の日記を結構書いていました。それらももし機会があったら弊日記に再録しようと思っています。そして、たぶん今後も淡々と書き続けるはずです。

・弊管理人は記憶の捏造をよくやるので(これ自体、日記を見返していて気付いた)、こういう備忘録は重要です
・最初のころ、日記を見た人に「『死にたい』という叫びに満ちている」と評されてハァ?と思ったことがあります。でもまあ確かに元気はないな。そして地に足が着いてない。自意識が気持ち悪い
・10年ほど前までは、自分は同年代よりちょっと早熟かなくらいに思っていたのですが、この10年で自覚したのは、実は同年代より1周以上遅れているらしいということです。いま現在は、だいたいまともな大学3年生の水準まで来たかなって思っています
・初めてやることはほぼできず、練習すると急激に上手になるけど、伸びなくなるのも早いというのは相変わらずのようです
・それでも毎年、前年の自分には負けてないと思えるのがまだ救いです
・それは、物事を丁寧にやることが段々できるようになってきたことに支えられているように思います
・スパムコメントが嫌で大分前にコメント欄を閉鎖しましたが、まあこれで当面いいかなと思っています。ツイッターとかフェイスブックで友人や仕事先といった顔の見える人とつながってしまうと、そこではいろいろ気を遣ってものを書かないといけなくなり、かえって匿名&全世界公開(=誰が見てるとか関係ない)&コメントいりません、という弊日記のほうが自由に書けているためです

* * *

10年でエントリーは950件を超えました。

* * *

読んだものは300くらい。とにかく俯瞰したい、という思いでいろんな新書に助けてもらったのだけど、ここでは特にじっくり読んで面白かったものを:

・2013年、ナショナリズムが自分の中でブームになって読んだアンダーソンの『想像の共同体』は、なんでもっと早く手を付けなかったのかと悔やまれた。実は弊管理人が普段関心を持っていることとはそこまで関係ないのだけど、読み物としての面白さはピカイチ

・ドーキンスの『利己的な遺伝子』は2010年、ダーウィンの『種の起源』はそれより後の2012年に読んだ。『利己的な遺伝子』のほうが数段、読み物として引き込まれるので、この順番でよかったと思う。そして当然、両方読むべき。『種の起源』は時間を忘れて読む本ではないが、先見性にびびる

・スピノザの『神学・政治論』&『エチカ』はまだ消化できてない。けど何か忘れられない

・結局弊管理人が興味があるのは社会思想みたいなものらしい。そこから1冊ならルソーの『社会契約論』。教科書に書いてあるエッセンスだけ知っててもほんとはだめなんだぜっていうのに、もう15年早く気付けていたらと

・ヤングの『後期近代の眩暈』は排除の社会学っておもしれえと思ったきっかけ。その後の読書が続いてないんだけど。過食症の喩えは今でも時々使わせてもらってます

・入不二基義の『相対主義の極北』は弊管理人が(恥ずかしい)卒論を書きながら考えていた2つのことのうち1つを考えた本。そうそうこういうことが考えたかった、と思いながら読んだ。しかし、これくらい言語化が難しいことを1年そこそこで書くものの柱にしようと企てるべきではなかった

2010年には「分け方」に興味を持って、それ関連で面白い本を探したことがある。センの『不平等の再検討』は2009年4月だから、それより少し早いが、すごく楽しく読んだ

・見田宗介/真木悠介は弊日記を始めるより前に、切実な思いで読んだ。それは家族にがんによる死が迫ってくるというきっついカウントダウンに直面するためのヒントを、『時間の比較社会学』に求めたことによる。その後は肩の力を抜いて玉手箱のような社会解読を楽しんだ。それで1冊を選ぶとすれば大澤真幸による解説つきの『まなざしの地獄』かなと

前にも書きましたが、信用のおけない1940~50年代生まれの日本人の書き手がだんだんメインから外れていって、60年代以降生まれの人たちが書く本を手に取るようになり、読んで(一応)分かるし面白いものに当たるようになったかなとの印象です。
なぜか本は食べ物と違って、紹介したりされたりしてもいいことがあった経験は少なく、結局自分で選んで自分で読むのが一番だなと思っています。
あと、そんなに冊数こなせないなら解説より古典を読んどけという、当たり前のことが漸く骨身にしみた10年でした。
中学・高校のころって全く本を読まない子どもだったのですが……不思議なもんです。

* * *

食ったもののエントリは250強。

・ごく最近のだが、銀座・LAZYのリゾットは近年ないヒット。もちろんパングラタンもおいしかったけど

・札幌のカラバトカリーは忘れられない味。車がないとアクセスできないので引っ越してから行けてないですが

・同じく札幌・RHAPSODYのチョコケーキも思い出だが、もうないお店なのが残念。なんかどこかで食べられるとの情報もありますけど

・錦糸町にあったカレーのアキンボももうない。佐賀に移転してしまった。3.11から暫く、ずっと仕事が忙しくて支給の弁当ばかり食べていて、カレーがどうしても食べたくなり、近所で探して当たったのが出会いでした

・新宿・夏目坂の「天七」の天丼(上)は目が覚めた

・ラーメンはおいしいのがいっぱいあって絞れませんが、あえて一つなら新宿の風雲児かな

・IVOのパスタもやっぱり好きです

グルメではないのでうるさいことは言いません。というか、友達と鳥貴族で駄弁ったりするのでも十分楽しいし、何より誰かから教わったり、たまたま入ってみたりして見つけたおいしいお店を、また誰かに教えて「うまいでしょ?」と言うのが一番の楽しみだったりします。つまり弊管理人にとっては食べ物はほとんど専らコミュニケーションのためのツールです。多分、自分一人なら、おおかた何食ってもそんなに喜びも悲しみもしないんだと思います。

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