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牛深、天草そして熊本

水俣の茂道を見たあと、袋の港を抜けて国道3号に出たら、天草に渡るべく一路、蔵之元港を目指します。
海から上がったらすぐ山、みたいな水俣を抜けると、鹿児島県出水市。途端に平地が広がって「国が違う感じ」になる。
昼飯を逃したので、黒之瀬戸の道の駅「だんだん市場」で空腹を抑える。
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ツキヒガイ。あと売ってたアジがすごいおいしそうだった。
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みかんうまかった。
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裏手の山をちょっと登ったところに大伴旅人の歌碑がある。「梅花の歌三十二首」の序文で、令和の元ネタらしい。といっても当地で詠んだわけではなく、旅人が黒之瀬戸の潮流を見て奈良の吉野の滝を思い出して詠んだ歌が万葉集に入っているということ。万葉集収録の歌の南限だとか。
令和元年5月と刻まれてます。ゆかりとしては若干遠いが、乗っかっておこうずということで発表されて急いで作った感じ。
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確かにきれいなところではある。橋は1974年開通。高度成長の最盛期から終わりにかけて、環不知火海世界(地中海みたいだな)が橋でつながれていくわけだ。
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蔵之元港からカーフェリーに乗ります。人は500円、車は運転者込み3000円。安いんじゃない?まあ生活の足だし補助金が出てるのでしょう。便数も多いです。
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30分で牛深に着きます。ご自慢のハイヤ大橋。関空とかポンピドゥ・センターを手がけたレンゾ・ピアノ設計だそう。なんでここで??と思うが1997年竣工であればまだ日本に余裕があったころ頼んだのかなあ。
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日が暮れて大半の店が閉まって薄暗くなり、ハイヤ踊りだけが響く港の観光施設で漁師のまかない丼。弊管理人は「おいしい生ものがなんとか食べられるようになった」北海道赴任時代から15年以上かけて「ときどき海鮮丼が食べたくなる」程度に味覚が変わった。251104kaisen.JPG
牛深の宿は、じゃらんに載っておらずGoogleMapsで見つけた民宿とみかわ。布団にシーツがかかっておらずパッドがくくりつけられているという点以外は民宿としてはかなりきれいで設備のよい宿でした。朝飯が素晴らしかった。商用・工事の人が泊まるようなところかと思ったが、釣り人も多いらしい。早い人は4:30に出るんだって。
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というわけで牛深の街を見ることもなく(ちょっと回ればよかったな)崎津へ行きます。
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崎津、大江の教会は潜伏キリシタンが世界遺産になる前に来たので軽く。
そこから以前来たときのように海沿いを苓北のほうに抜けず、山の中を通って天草市中心部を目指すことになります。

途中、福連木という地区で「子守歌祭り」をやっていて何?と思っていたら助手席の友人が調べてくれた。共有林が幕府の山(官山)になってしまい、困窮した農家では娘が口減らしを兼ねて八代や人吉に子守り奉公に出たとのこと。子守歌は奉公に出た子が望郷とつらさを歌った哀愁いっぱいの歌詞が特徴らしい。ここにも出てくる環不知火海世界の人の移動……。

旧本渡、天草市の天草キリシタン館。陣中旗の実物が展示されていた。
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小さいころになんとなく学習まんがで読んだ気がする天草・島原の乱、圧政と宗教的熱狂がスパイラルを作ったというストーリーはいいとして、展示を見ても「なんで子どもに大将やらせたんだ?」という疑問は解消しなかった。スキゾ的な気質でもあったのだろうか。姿形に関してはほとんど記録がないが、前髪を垂らしていたというのはその通りのよう。落ち延びた人の証言で毎日「死んだら天国」的な引き締めメッセージを出していたという記述もあった。浪人がコンサルに入っていたらしく、反乱軍の組織論は面白そう。
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原城に立てこもってからは矢文で「女子どもや老人は助けて」と交渉を重ね、幕府側は四郎の妹ら家族を呼んで投降を説得してもいたようで、それも捜査1課特殊班て感じで昔も今もそうだよねえという。結局皆殺しになるのだが、まあそうなるよね。蜂起した信仰共同体というのはさぞ気味悪かったことだろう。

熊本に戻る途中、天草四郎記念館にも寄ろうかという話になっていたが、国道が混んできたためすっ飛ばすことにした。島とか半島で1本しかない幹線道路は日曜午後に混み始めるんだよね。こうなるかなと思って前夜に買ってあったジャムパンを車内で食べながら運転運転。

同行者が熱望していた(多分)熊本市のくまモンスクエア。弊管理人独りであれば来なかったところです。しかし、くまモンとバーチャルでポーズをとって撮影できるコーナーで一緒に踊ったりしていた。独りで。
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アクリルスタンドという語彙を得た。なんとなくメモスタンド的な機能を想像したが、本当にただアクリルに貼り付けられた平面のくまモンとスタンドがセットになっているだけだった。不思議すぎるグッズ、ガチャ500円。
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ほんでガソリン入れて見込み通りの17時にレンタカー返却。(あまりの時間管理の完璧さに酔ってしまい、ETCカードを抜き忘れ、着払いで送ってもらう事態になった)

最近リニューアルした熊本空港は保安検査場を抜けたところに極めて充実した物販・飲食店街があって大変いい設計だと思った。搭乗橋には水俣で推してたSUPくまモンがいてうまく締まった。それにしてもくまモンを導入した蒲島前知事って優秀だな。経歴もすごい面白い。
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帰りのバスで寝落ちしつつ終了。普通の観光では行かない熊本であった。

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2025年11月04日 09:23に投稿されたエントリーのページです。

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