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2023年09月 アーカイブ

2023年09月25日

2年たった

アメリカにきて今日で2年です。最初の数ヶ月はむっちゃ帰りたく、1年過ぎてようやく調子が出てきたけれども人間関係はやっぱり日本に置いてきたので帰りたい、と思っていたところ、最近は人間関係までできてしまい、帰る先がなければまあいてもいいかなという境地になってきました。しかし現実的には来年の夏には帰る可能性が高いことは分かっており、それならそれで、というくらいの気持ち。そして帰ると、ここ20年ちょっとやってきたキャリアも終わります。本当は2018年に終わってたんだけど、DCで延長ミッションをやることになった。なので、それももはや勝手に終われば?くらい。

* * *

先週前半はニューヨークに出張してました。
初日だけ雨の予報が出ていることは知っていて、傘持って出ないと傘、と心の中で呟きながら傘を持たずに出掛けた。そしてしっかり降られた。
地下に潜ります。もわっと暖かく、小便と大麻の匂い。田舎から東京に出てきたときと似ている。新宿は小便より生ゴミの匂いだったですけどね。めちゃくちゃ混むことがあるし、金持ち以外は住環境よくないでしょ。

夕方、クイーンズの地下鉄駅を出てすぐのアイリッシュパブで雨宿りがてら夕飯を食べていたら、いっとき雨が止んだので、それっと外に出てホテルに向かった橋の上の空。
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仕事は国連とその周辺で、ほんとしょうもない会議と、危機感があるんだかないんだかみたいなイベントを見てました。なんかこう、市民運動もお国柄というのがあり、気候変動を気にしてるわりにはお菓子とコーヒー取り放題、立食パーティーでは酒飲んで。先進国の方は快適性優先ですねみたいな嫌味のひとつも言いたくなったところ、やはり「安楽椅子で気勢上げてんじゃねえよ」みたいなことを言って会場をひりつかせるイベント登壇者もおり、そこも含めて西側世界だなと思いました。
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国連本部のカフェテリアは魚とか肉とかのメインと野菜とご飯などを紙皿にとって、量り売りで1食だいたい10ドルでいけるというお手頃価格なのが気に入りました。3日間のニューヨーク滞在のうち、昼朝昼と3回食べちゃった。カトラリーも使い捨てだし、とにかく紙や木のごみを出すね、ここの人たち。食器を洗うより環境負荷が低いという計算だろうか。
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そこそこ楽しく働きました。弊社のニューヨークオフィスにも初めて立ち寄り、イランだのイギリスだのから来ていた久しぶりの同僚とも顔を合わせました。
何よりよかったのは去年お世話になった仕事先と夕飯が食えたことです。タイ料理に連れて行ってもらいました。
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なんとなく波長の合う人とは、数回しか会ってなくても1年ぶりでもキャッキャ言いながらメシが食えていいです。
最終日は夜9時の列車に乗って、DCに戻ったのはてっぺん過ぎ。結構疲れてた。でもDCに帰ってくるとほっとします。街に余裕があるんですよね。

ニューヨークもこれで最後かな。「仕事よりも思い出作り」というつもりで行ったら、ほんとにそのまんまそういう滞在でした。言い訳できる程度の仕事をして、あとは大半遊んでた。

* * *

雨の土曜日。ロックビルのBob's Shanghaiで友達とうひょうひょ言いながらメシを食っていたら、外で待っていたおばさん?が倒れて心停止、みたいな事態が起きました。
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・横のテーブルのおばさんと娘さんが飛び出していって心臓マッサージ。あとで聞いたらおばさんは学校の先生で、CPRの資格を持っていたらしい
・それを見た弊管理人の同行の友達は店の人に、横のテーブルの二人が食べてたメシ代は自分が出す。なぜなら二人の行動は素晴らしいから!と大興奮で決済した
・その様子に感激したらしい店主(中国系のおじさん)が、心臓マッサージに走ったおばさんと、弊管理人の同行者に100ドルのクーポンをくれた。サンキュー!素晴らしいことだ!と

これらのことが数分のうちに起き、そうこうしてるうちに救急隊がきて、心臓マッサージしてたおばさんたちは帰ってきて食事を再開し、友達は二人をめっちゃ讃え、弊管理人と友達は食べ終わって店を出ました。
友達はそのあとも興奮しまくっており、フロリダのお母さんにテレビ電話してすっごい勢いで今あったことをスペイン語と英語のちゃんぽんで報告。弊管理人も運転中なのになぜかお母さんに「ハーイ」とかいって挨拶した。

やっぱすごいなと思ったのは上記3点の登場人物たち(弊管理人除く)の瞬発力で、ぱっと人命救助に走る人、それを見て「このテーブルは俺が払うから!」という友達、意気に感じてクーポンくれる店主。いずれも弊管理人の行動リストにない(誰もいなければ心臓マッサージはしたとは思うが)。そりゃアメリカは強いわ。こんな人たちがざらにいたら。カッとなる人々のパワーが悪いほうに行かないことを願いたい。全然行きそうだが。

そのまま友達をIKEAに連れていき、ひとしきり買い物をしたりお茶飲んだりして帰りました。
いろんなことがありすぎて疲れました。

日曜はうっかり1日中仕事。なんか同じようなことを何度もやる仕事であった。冷蔵庫にあるもので3食。出費ゼロの日曜。

* * *

滞在開始から2年たった話の続き。来年夏に帰ると言いつつ、なんとなく25%くらいの確率で来年末までいる可能性もあるなとは思い始めてます。知らんけど。インシャラー。

2023年09月17日

マナサス

土曜は結局どこへも出掛けず、3度寝(朝2+夕1)しました。夏の疲れが出てる気がする。でもそんなにだるくありません。元気は元気。

週明けの出張と、その後の仕事をちょっと楽にするための準備をしてたらまた夜遅くなってしまった。

* * *

日曜は久しぶりに朝飯を手抜きして外食にしようということで、マナサスのヨークシャー・レストラン。なんか評判よさげだったので来てみました。滞在中ほぼずっと満席、次から次へ客が来て帰っていくみたいな繁盛店でした。
「カウンターでいい?」といって座ったのが厨房の出口付近で、ウーバーイーツか何かのあんちゃんは入れ替わり立ち替わり来るわ、下げた皿は横を通るわで落ち着かなかったので、別の席が空いたところで「あそこに移っていい?」と切り出して移りました。我慢はする必要なし、が段々板に付いてきた。

でもやっぱりおばはんたちがてきぱき配膳してますけどね。そもそもカウンター席がそういうところにある店なのでまあよろしい。頼んだのはコーヒーと、これ。
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ハム!卵!そしてホットケーキ2枚!!炭水化物と糖とタンパク質。
でもおいしかったです。ハムが厚くて幸せ。
こちらの人はワッフルでフライドチキンを挟んで食ったりしていて何事!?!?と思うこともあるのですが、確かにしょっぱいものを食べていると甘いものがあってもいいし、逆も真。ということでまんまとアメリカナイズされました。
家族経営のレストラン、オヤジはレジに陣取って客をサクサクさばき、おばはんたちはニコニコしてないがちゃんと客の様子を把握している(そういう店員を評価する言葉はattentive=よく気がつく、という)。
コーヒーは飲み放題が基本で、カップあいてるなーと思うとぱっとついでくれます。結局3杯飲んじゃった。チップは当てずっぽうで書いて、後から計算したら14%だった。ちょっと少なかったか?まあいいか。

そのあと、さらに30分くらいドライブして田舎の農家がやってるマーケットを冷やかし、アイスを食べました。
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本当は近所の予約制ワイナリーが作ったワインを1本買おうかなと思って寄ったものの、高かったのでやめました。よく考えたら弊管理人は別にワインが好きではない。
農場をちょっとだけ散歩。
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このあたり、南北戦争の激戦地だったはずです。こんなだだっ広くて平らなところを行軍してたら「何やってんのわし……」ってならなかっただろうか。

今日は夏以降の休日で初めて長袖を着ました。気温20度ちょっと。10日くらい前は35度くらいあったところから、急激に秋が来ました。

* * *

郷里の母方の伯母によると、父方の祖母が施設に入ったらしい。
父方の伯父が前に「ちょっとボケたみたい」と言っていました。そうなったか。
まあじいちゃん亡くなって結構たつもんね。7年?8年?
気がつくとばあちゃんも98のはず(ちょいちょいサバを読むのであやふや)なので、まあいつまでも独りで暮らせるわけでもないしな。

* * *

家に帰ってから、久しぶりに寝室の掃除をして、シーツやカバー類を全部洗濯して、マットレストッパーを新しくしました。完璧。
去年もこの時期にシーツ類を洗濯したんだよね。その直後、コロナに罹患しドロドロになったので、治ってからまた洗濯する羽目になった思い出。

2023年09月15日

2しゅうかんまとめ

特に何をしていたわけでもないのですが、うかうかと既に9月も半ばです。

なんだか誘われたり誘われなかったりして外食の多い半月でした。

まずDCのStellina Pizzeriaはダイナーみたいなたたずまいのピザ屋。
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イタリア人かな?というおねえさん店員が「ワッフルもあるのよ~私のせいじゃないけど」みたいな恥じらいとともにメニューを持ってきて笑いました。
ピザうまい。シーフードのイカスミパスタもこれまたうまい。ややアメリカナイズされたメニューと味(つまり濃い)ですが、料理はとても満足でした。
ただし、もともと結構割高なところに自動的に20%のチャージが上乗せされるのが気分よくない。あと黒人のおねーちゃん店員が食べ終えた皿を指さして「それとって」みたいな仕草をしやがった。友達かよ。
ちょっと前にメリーランドで食事をしたときも、店員がワインボトルの開け方を知らないということがありました。雇ったときに教育してないのか?
ネット上の評価やチップの額の多寡が質を上げるというのは一定以上の競争がある場合であって、人手不足の昨今「働いてやってるんだし、うるさいこと言うなら他いくよ」となってしまうため効果がない。自動チャージもサービスのインセンティブを奪うので本当に悪い仕組みだと思います。
親密な関係の中では持ち寄りとかプレゼントとかの互酬的で気前のよさが効くのですが、その外に出ると途端にやり逃げの砂漠みたいな世界になる。で、客もそういう社会に適応しているので基本自由だし、自分がサービス提供側になるとやっぱり少ない労力で多くを得ようとしているはず。ただしケチでノイローゼな日本もどうかという話。

同じくDCのラブ・マコト。なんだそれ。ビルの1フロア全部がレストランで、寿司屋、焼き肉屋、居酒屋、あとなんかフードコートみたいになっています。居酒屋にしました。
唐揚げと手羽。
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焼き鳥が意外とちゃんとおいしかったです。

ペンタゴンシティという、国防総省の近くにあるショッピングモールに入っているMarshall'sっていうイトーヨーカドーのさらにしょぼくれた感じの雑貨屋。ベルトが安かったので買いました。9.99ドル。いや実は日本から持ってきていたのがだいぶベロベロになっていて、普通のところで買うと20ドル30ドルするんだけどちょっと馬鹿馬鹿しいなと思って踏みとどまっていたところ、この値段なら全然OKだなということで。結果、QoLが爆上がりしました。
その帰り、夕飯でMattie and Eddie’sというアイリッシュパブに入りました。
フィッシュ&チップスが食べたかったんですよね。
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たぶん鱈。結構おいしかったです。いろんなディップが付いてきたのもよかった。
おなかいっぱい。

プエルトリカンと待ち合わせしてオサレ中華のChang Changで夕飯食べよう、ということになったのが木曜。最寄りの駅で待ってたら「ちょっとCVS(≒マツキヨ)に寄らないといけなくなった」と。落ち合ってみたら腕にヘタクソな包帯巻いてました。電動キックボードでこけたんだって!!先日も酔っ払って電動キックボードでこけてたが、今回はしらふ。
「夕飯キャンセルしようかとまで思ってたけど、こんなことで会食やめたら後悔すると考え直した」そうです。
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段々麺、鶏肉の甘酢炒め、にらとエビの餃子など。あと一杯ずつ酒飲んだら「気分よくなった」とのこと。よかったね。デュポンサークル(DCにいくつかあるでっかいラウンドアバウトのうちの一つです)の中にある公園のベンチで喋ってそれぞれ帰りました。

週の終わりは仕事で普段あまり行かないところへ。
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朝昼晩とご飯が提供される終日の寄り合いでしたが、見たいプログラムは昼だけだったのでお昼ご飯をいただいて中座しました。唐揚げ、焼き鮭、ひじき煮、たくあん、卵焼きという完璧に日本のスーパーの味がするお弁当。逆にどうやって出したのだ、この味。びびる。
本当はお抱えのシェフが腕を振るう夕飯の立食パーティーが魅力的だったんですけど、打ち合わせやら、来週月曜からの出張の準備やらで職場に出向くことにしました。まあ結果それでよかった。

* * *

また楽しそうなイベントに誘われていたのですが、出張日程の伸縮が読めず参加断念していました。結局行けば行けたことが判明したのは今週後半。残念。誘ってくれた人は「またの機会があるよ」と言っていましたがどうかな。とりあえず出張から帰ってきて遊ぶ予定が月末に一つ確保できました。それを楽しみに。

* * *

夏が完全に終わり、木曜の夜は肌寒いくらいになりました。最後の冬に向かいます。といっても本当に最後なのか?という疑問がよぎる今日この頃です。

来年はアメリカがビッグイベントの年で、早くも走り出す時期にさしかかっているようです。周囲の人たちはそのイベントが峠を越える2024年末ごろ、あるいは2025年までの任期延長が決まったか決まりそうな状態。

弊管理人とほぼ同時期にDCに来た人たちはかなり延長するのではないか。弊管理人はイベントにあまり関心がないし、後任が2024年後半になって来るといきなり全力疾走が求められて大変そうなので7月末には帰るつもりでいますが、いや7月末に来ても生活の立ち上げに2カ月かかったらどっちみち辛いのかも。しらんけど。
まあしかし、弊管理人の処遇を今から考えている人は誰もいないというのが最も有力。

* * *

何冊か本を読み終わって、メモを残しておこうと思っていたのにずるずると時間がたってしまいました。どれもすごくいい本でした。

◆エリカ・チェノウェス(小林綾子訳)『市民的抵抗』白水社、2023年。
抵抗運動(本書ではアウトカムの見やすさのため、体制変革という高い目標を掲げる運動に絞っている)が成功する条件に関するエビデンス集。よく組織され、持続性があり、広く支持される非暴力運動の成功率は結構高い。暴力的抵抗よりずっと高い。ただし権力側が利用できる監視技術の発展によって、近年は少々難しくなっているようでもある。なんでSEALDsがだめだったかとか、ハッシュタグ運動になんで見込みがないかが分かる気がする。

◆今井むつみ、秋田喜美『言語の本質』中央公論新社、2023年。
出発点としてのオノマトペ=記号接地、ブートストラッピングによる言語習得、そして創造・アブダクション。

◆坂牛卓『教養としての建築入門』中央公論新社、2023年。
建築の鑑賞/受注から完成まで(弊管理人は実務を全然知らないので、ここが新鮮だった)/社会と建築の相互作用。手軽でするする読める本だが、筆者の構成と図式化のうまさは飛び抜けていると思う。アメリカで教育を受けたからですかね。

2023年09月04日

夏の終わりの3連休

9月4日(月)のレイバーデー(勤労感謝の日)をもってアメリカの夏は終わるそうです。
なんか7月半ばくらい、南西部が地獄の業火に焼かれてたような気がしますが、あれがもう2カ月近く前だと思うと夏はまじであっちゅう間だったと思わざるを得ません。

【9/2】

土曜はアメリカ人の友達に連れられて、DCに家を買ったカップルを訪ねることになりました。
広大な裏庭と深緑に壁を塗ったリビング、主寝室と書斎と客用寝室、地下室もあってワインセラー作るんだ~みたいな素敵なおうちは1916年築とか言ってたかな。ベジタリアンの人たちが野菜の寿司を食ってる下を二匹の犬がちょこちょこ歩いては弊管理人が差し出した手をベロベロ舐めるという、何この豊かな生活、というお宅でした。

【9/3】

日曜はこのグループでワイナリーに行きましょうかね、という話がいつの間にかプールにしようということになっており、午後からカップル宅で会った姉妹の住んでるアパートの屋上のプールへ。
36度。9月なのにプール日和です。
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大きくはないけど、水に浸かったり、持ち込んだお酒を飲んだり、他のグループと喋ったり。持ち寄りのお酒の十数ドルしかかかってない。社会関係資本が豊かな人たちはこうやって互いに訪問しあい、ストックしてるお酒やらもらった飲み物やらを飲んで、噂話とか新顔いじったりとかしながら喋って喋って、安上がりに楽しく週末を過ごしてるんだな。

それとは対照的に、孤独な人は自分で頑張ってイベントを作り出し、割高な一人料金を支払い、アリバイみたいな写真を撮って何かした感じの休日を演出しなければならない。すごい格差、というか何の地獄なんだ、それは。

そんなこんなで14時過ぎからばらばらと集まって、18時過ぎにおいとましました。

友達が「腹減った」というのですぐ近くのユニオン・マーケットへ。友達は耐えきれず、半額セールをやっていたパック寿司をがっついた。
それで精神が少し落ち着いたというので、先日同僚と行ったSt.Anselmに入り、予約がなかったのでちょっと待って席に案内されました。人気店だな。

NYストリップとサラダと焼いたマッシュポテトを頼みました。
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ステーキは1人分は食べきれないのでシェアする、と言ったら最初から別々のお皿に分けて持ってきてくれた。サービスいいね。そしてステーキとソース、セロリやフルーツがかつてない清涼感を出してるサラダ、外こんがり・中もっちりのマッシュポテトとすべてがうまかった。この店すごいわ。そして注文の組み合わせも完璧だった。つまりわれわれの勝利でもある。

満ち足りて友達送って帰って寝た。

【9/4】

車を持ってない友達が買い出ししたいというのでDCのスーパーLIDLへ。同じビルに入ってるMarshallsというデパートにふらっと入った友達は化粧品が安いことを発見し、100ドル使ったらしい。

そしてLIDLでもおっそろしい量の食料を買い、安売りスーパーなのに100ドル使ってました。

「セロリがなかった」といってTrader Joe'sという別のちょっといいスーパーに転戦してセロリどころではない量の買い物で80ドル。「家に食べ物がなくてピザをとってしまった」と話していたかわいそうな状態の人をスーパーに連れていくとこうなります。しかし向こう2週間は食うに困らなかろう。知らんけど。
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自宅まで送ったら「寄ってく?」と言われましたが、明らかにお疲れの様子だったので、お邪魔してはならんパターンだと思い辞退しました。本人もちょっと安堵した感じ。大正解だったよう。つうかアメリカ人は社交辞令言わなくていいのよ笑

で、弊管理人はしめじとえのきを買い足しにアジアンスーパーへはしごして帰りました。

* * *

これで夏と夏休みはおしまいかな。というか自分がなぜアメリカにいるのかを忘れるくらい遊びほうけた夏でした。

9月はわりと今からいろんな仕事の予定が入っており、休み明けからどばっと勉強しないといけない感じ。10月初旬にちょっと面倒な仕事をこなしたら、いったん一息ついたのち全然気乗りのしない元同じ部署のパワハラ野郎からの頼まれ仕事に目鼻をつけて(今はもう立場上の繋がりはないので、面倒なことを言いだしたら断る気は満々です)、12月は長めの海外出張と一時帰国、というところまで走り抜けるのであります。たぶん。

2023年09月03日

地の塩

ユタ州に出張。仕事の内容は土壇場でメインディッシュが消えるというちょっと微妙なものになってしまいました。しかし携帯の電波も入らないくらいの砂漠、しかも米軍の用地という外国人にはハードルの高いところに招聘元が頑張って手続きして入れてくれるというので、わりと前向きな気分で行くことにしました。分割夏休みのパート2もちょっと繋げてね。

【8/29(火)】

朝起きると、長年レビー小体型認知症を患っていた母方の叔父が前日に亡くなったという報せが父から入っており、もやーっとした気分になったものの、とにかく出掛けました。

DCからユタ州のソルトレークシティーに飛びます。
先日のフロリダも2時間半ほどの航路を行くのにダイバートして10時間かかりやがっており、とにかくアメリカの国内線は信頼できないので、今回は
・デルタ航空が飛ばしている唯一の直行便は時間が遅く、何かあった際に回復不能になるため、あえて午前中(10時)発の経由便を選ぶ
・南東部にハリケーンが迫っていたので、経由地はアトランタなど南部の都市を避ける
・デルタ航空のハブで、ソルトレークシティーにも複数の便が飛んでいるミネアポリスで乗り継ぐ
という慎重な経路選びをしました。ミネアポリスで持参したおかかのおにぎり弁当(というか残り物)を食べてまた乗って定時よりちょっと早いくらいで到着。

ソルトレークシティー空港の到着ロビーに出るとこんな人いた。ネタなのか、どうなのか。
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今回のレンタカーは韓国のKIAのセダンでした。2020年モデルにしては古めかしかったです。特に面白い車ではなかったので写真はなし。

ちょっと時間あるし、ソルトレーク見に行くか。
州立公園は空港から20分くらい?わりとすぐです。入場料5ドル。やす。
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海っぽい匂いがした。ビジターセンターの説明書きによると、5億年~2億5千万年前は海の底だったそう。その後、地球内部の熱によって地殻が波打ち、氷期に雨量が増えたことで低地が湖になり、それが繋がって2万5千年前にはボンネビル湖という巨大な湖になった。現在のユタの大半と、アイダホ、ネバダの一部に及び、面積は5万平方キロ、深さは300メートルだったとのこと。湖の存在はこの地方の大雪も引き起こしているそうです。
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振り返ったところ。うーん西部の風景。
でもまあ「見た」くらい。空港近くのホテルに投宿して、中華のテイクアウト食って寝ました。

【8/30(水)】

お仕事の日です。タイムゾーンは山岳部時間で、DCより2時間遅れなので朝6時起きでも早起きな感じがしません。よく寝られました。
朝飯食って、街を出て州間高速80号線(I-80)を西へ。途中で南に向かう道に入ってずっとこんな。
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目的地はダグウェイという街です。街というか、米軍の駐屯地。国内で最も人里離れた施設だそうです。写真を撮れる機会は極めて限られていましたが、これはOKと言われたので。
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今回はアメリカの政府機関主催の行事なんですけど、生物・化学兵器の研究をしているところで、これまで外国籍の民間人を入れたことがほとんどなかったらしく、弊管理人の立ち入り許可にはいろんな人が骨を折ってくれたようです。弊管理人が撮った写真の検閲がありましたが、いいよいいよ、見てくれたほうがむしろ安心だよくらいのつもりで検閲してもらいました。ただ、アイダホの山火事の煙が流れてきていて(今年そんなの多いな)視界がぼやけがちだった。「晴れていれば果てしなく砂漠が見えたんだけどね」と主催側の人も残念そうでした。
なんだかんだでアレンジしてくれるの、ありがたい。

この日集まったご一行の中で唯一の外国人だった弊管理人ですが、このところアメリカ人とばかり遊んでいたせいか、日本にいるくらいの感覚で遠慮なくべらべらヘタクソな英語を喋りまくり、交流しまくり、いろいろ頼み事をしまくり、好き放題やりました。一緒になった、ユタ州立大学で宇宙関係の研究広報をやってるおじさんは元軍人、ほかにも地元テレビの人などが結構いましたが、みんなフレンドリーでした。「ユタ初めて?印象どう?」と結構聞かれたかも。きれいでいいとこだと思う!と答えておきましたが、なんとなく彼らの間には「いうてもま~田舎だけどね」という自虐がちょっとあったように思います。
構内の売店にも寄らせてもらっちゃった。
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マグカップね。AREA 52(ネバダにある核兵器などやってる別の試験場)を推しているのだろうか。ていうか、ふざけられるハードルがだいぶ低いのはいいですね。1個買ってしまった。
17時に仕事終了。

で、もときた道を戻って、途中で東に向かうとソルトレークシティーですが、西に行くことにしました。
日もだいぶ傾いてきましたが、I-80沿いに「ボンネビル・ソルト・フラッツ」というスポットと休憩所があるので寄りました。昔あったボンネビル湖が干上がって、残った塩が地面を覆っているところです。
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おーこれはすごい。
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下はこんな感じです。
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意外とべちゃべちゃしていて、歩いていると靴の裏にどんどんくっつきます。
I-80の北側の眺望がよいので、西行きの路線沿いにある休憩所に止まるのが必須です。西行き、東行きの車線が分離されていて、東行きの車線に入ってしまうとだいぶ走らないと戻ってこられないようで、時間は遅かったけど止まってよかったです。

そこからすぐの、ユタ―ネバダ州境の街ウェンドーバーWendoverのコンフォートインに泊まりました。90ドルしないの。それでも街で2番目くらいに高い宿。コンフォートインがコンフォータブルだったことはないのですが、ここもまあ値段なりでした。
仕事を一気に仕上げて、東京とやりとりして寝ました。

【8/31(木)】

宿の朝。前日よりは空気が澄んでいる。
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いい宿に見えますが、まあ部屋はいわゆるモーテルです。寝るだけ。冷蔵庫に前の客のピザが残ってた時点で弊管理人のテンションはかなり下がりました。
でもまあ、一応朝飯も出るし、食堂のテレビでは地元の番組で「ワニの燻製を作ってみよう!」みたいな企画をやってて西部ワイルド感が出ててよかった。アメリカの宿の朝飯は、だいたいパンやワッフル(タネを流すと焼いてくれる機械があって熱々を食べられる)、ヨーグルト、コーヒーやジュース、シリアル、付くところはスクランブルエッグとソーセージかベーコン、というラインナップで、それは数十ドルのところでも200ドルのところでも変わらないので、朝飯あるだけいいや、という期待値です。

地図を見ていてたまたま見つけたHistoric Wendover Airfieldに行きました。車で数分と近い。
旧・米陸軍航空隊の基地のようです。今でも飛行場として使われているようで、小型ジェットが着いたりしていました。
写っているのは第二次大戦当時の管制塔、両脇は博物館です。全部で8ドル。
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管制塔、登っていいんですけど、足元がグレーチングで下が丸見えなのと、手すりが腰くらいの高さしかなくてむちゃくちゃ怖かったです。
ウェンドーバーの街の方を見渡す。
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こっちは飛行場。
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実はエノラ・ゲイが広島に落とすリトル・ボーイを積んでテニアンに向け出発したのがこの飛行場だそうです。全然知りませんでした。ほんとにたまたま見つけた。近代戦争の幕開けを受けて1939年に爆撃・射撃試験場として構想され、1941年の真珠湾攻撃で「外国勢力による攻撃」の可能性に目覚めて爆撃部隊の訓練が盛んに行われたようです。都市から離れた都市ということで、そういう活動がしやすかったらしい。
オリエンテーションのビデオが見られる部屋のすみっこにある、日本にまいたチラシ爆弾Bomb Leaflet。
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「私たちの目的は日本の民間人を殺すことではなく、軍部の能力をそぐことです。このチラシは無用な殺戮を避けるためです。見たら逃げてね。……って言ったけど日本政府はこのチラシを民間人が保有することを禁じました~残念!」みたいな説明書き。で、手続きは踏んだので心置きなく空襲するわけですね。

リトル・ボーイのレプリカがあるなど……
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これは冬のオペレーションに関する展示。リメンバー・パールハーバーに引っかけてPURL HARDER(編み物を頑張れ!)。冬は寒いのだな。そういえば前の日に通ってきた塩の大地は標高1400メートルって書いてあった。
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エノラ・ゲイの格納庫は直してる最中で、中は見られませんでした。
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確かに秘密の作戦をやるところは遠隔地が向いてますね。しかし遠隔地すぎて、歴史的建造物になってしまうと維持は大変そうです。盛んに支援を募っていました。いつできるのかな。
「長く苦しい戦争を終わらせるため」という原爆投下の物語は相変わらず説明に出てくるけど、特に高らかに称揚している感じでもありませんでした。落とされた側の様子は当然のように展示されない。でも広島のペアとしてこういうのは見ておくべきだなと思いました。ダグラス・マッカーサーの名前は、アメリカに来てここで初めて聞いた。「ウェンドーバーで訓練された砲手サイコー」と褒めてくれたとかなんとか。
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この荒涼とした街にあって、目標となる極東の都市を想像するのは極端に難しかろう。でもめちゃくちゃ縁のある土地なんだよね。
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意外と見入ってしまった。これ、仕事にできるかもしれない。
東に戻りますか。

途中で寄りたかったのが、ボンネビル・スピードウェイです。塩湖の跡地で、スピードレースが開催されるところ。I-80を降りて、一応舗装された道を数マイル走ると、どん詰まりに駐車場があります。地図で分かりにくいので、所在地40°45'45.3"N 113°53'46.3"Wにピンを落として向かいました。
ここだ。
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照り返しでめちゃくちゃまぶしかった。
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I-80に再び乗る手前のガソリンスタンドにはインド料理屋が併設されており、ターバン巻いたお客さんたちが出入りしていました。
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絶対うまいだろと思ってチキンカレー(12ドルと良心価格)を注文。持ち帰りの人が多そうでしたが、車で食べるのも嫌なので「ここで食べてっていい?」って聞いたら快くOKでした。フォークとお皿と、あとペットボトルの水までくれた。そして予想通りうまかった。
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さあて戻るぞ。
ドライブはずっとこんな。小学生のころ、MSXでやったドライブのゲームを思い出します。途中100個くらいインターチェンジがありますが、そこを降りて何があるの?というくらい何もないインターばかりだった。
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中間くらいの集落にあるガソリンスタンド併設のコンビニにソフトクリームがあったので買いました。2ドル。なんかこういう、ちょっとした買い食いとかトイレ休憩とかを特に考えずに挟んで旅ができるようになると、馴染んだなって感じがします。(しかしトラブルを解決する能力はなさそうだし絶対嫌なのでアグレッシブな運転はしない)

ちょうどいい時間に空港に戻って車を返しました。
市内に出るのには路面電車が使えて2.50ドル。やす~。たすかる。
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アレな人がいるのは中心部の駅にちょっとだけ、で全体的にはきれいで使い勝手がよさそうでした。
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街もなんか妙にきれいでした。
たぶん一番のスポットであるモルモン教の協会地区はめっちゃ直してました。
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宿はスイートがなぜか120ドルくらいで取れて、快適だったのでもう観光はいいかなって思いました。宿のジムでちょっと運動して、シャワー浴びて、Arloという近くのレストランでごはん。
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こじゃれたレストランのカウンター席に収まりました。味は、うん、まあ、おいしい。くらい。

腹ごなしの散歩で州議事堂だけ。
やはりこういう建物になってしまう。
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1847-1869年にかけて、主にモルモン教の人たちがミズーリ→イリノイと迫害されつつ移住してきてできた街。議事堂前の公園には、この世代最後のおばあちゃんが1968年に亡くなったときの碑が建っていたり、指導者ブリガム・ヤングが土地を見渡した山はこの先です、みたいな碑があったりました。
歩いてるとワイシャツにネクタイ(時に名札)のよく自転車に乗って聖書配ってる感じの人たちがいっぱいいてすれ違いざまに挨拶してくるの、ああここが輸出元なんだなと感慨深かったです。中国・杭州の近くの街で全世界のおみやげ(ペナントとか置物とか)を卸してる会社を見たときのような……

で、翌日は特に観光もせず、ゆるっとデトロイト経由で帰ってきました。やっぱり遅れたけどな。乗り継ぎ地で2時間くらいのバッファをとってあったので焦らずに済みました。疲れたけどいろいろ見られてよかった。夏休みパート2へシームレスに移行。

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