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シカゴ(1)

夏休みはもともと8月下旬に12日間とる予定でしたが、仕事が二つ滑り込んできたため6日ずつ二つに分けました。
で、15日から最初のパート。どこへ行こうかなと考えていたものの、直前になると飛行機が若干高くなるのもあり、なんか面倒だなとか、でも家にいてもなと迷った挙げ句にシカゴに行くことにしました。あまり強い目的はなく、郊外にあるミース・ファン・デル・ローエの「ファーンズワース邸」が見られればいいかなくらい。でもシカゴはもともと建築が売りの都市でもあり、全面的に建築探訪になりました。
いろいろ回ったのをメモ。

【8月15日(火)】

朝ゆっくり目のアメリカン航空で出掛けたらちょっと早めに着きました。空港では「世界最大の空港で最低の賃金!」とプラカードを掲げた労働者のデモ中。
Lyftを使って、オークパークOak Parkという地区まで30ドル、30分。
フランク・ロイド・ライトの「ユニティ・テンプル」から始めます。
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地元にあったユニテリアン(プロテスタント系、三位一体否定、キリストの神性否定。わりとリベラルで女性聖職者、奴隷廃止など擁護)の教会の建物が1905年に焼失したあと、ライトに依頼がきて1908年に完成した建物だそうです。初期の作品の一つ。講堂はちょっと自由学園を思い出すかも。
外側はすごく堅牢なイメージ。要塞みたいでした。
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空港からオークパークまでの間、雨が降っていたのですけど、そのあと雲が取れてかんかん照りになりました。
でもたぶん20度ちょっとくらい。とても涼しい。
10分ほど歩きます。このあたり歴史のありそうないい家が多い。
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ライトの自宅・スタジオのツアーに滑り込み参加。こちら自宅。
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入ったところにある応接室かな。
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食堂。
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子ども(5人いて上から下まで13歳離れていたそうです。全員既に物故)用の遊び部屋。
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ピアノ。アップライトだった、たぶん。
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出窓と借景も特徴ですね。
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続いて隣接するスタジオへ。
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作業台などありますが、面積はそんなにないわりに高さ方向は2層になっていて上はドームなので、画面に収まりません。
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事務室。ヨドコウ迎賓館を思い出します。
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図書室を見ておしまい。
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ちょっとお腹がすいたので、近所で見つけたタイ料理屋さんに入ります。
ガパオあるじゃん!と思ったら結構な量だった。
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ちょっと残して包んでもらいました。捨てるの勿体なくてね。
車を借りにいきましょう。すっかり夏の日。でもやっぱり涼しいです。半袖シャツ1枚で歩いていて汗だくにならないくらい。歩きやすくていいな。
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Enterpriseっていうレンタカー屋まで30分。コンパクトカーを予約していたんだけど、着いてみたら「あ、コンパクトはないや。ピックアップトラックでいい?」と。極端すぎるわ。「もうちょっと小さいのがいい」といったらDodge Challengerというスポーツカーになりました。「やったな!スポーツカーだよ!いいな~」とヒスパニックっぽい店員さん。いや、それもちょっと手に余る。でもまあもういいや。面白いし借りてみようということで借りました。これ万一のことがあったら免責分だけでも結構な額になるのでは?と気付いたのでDamage Waiverという免責ゼロのオプションをつけました。30ドル。まあ安心料ね。
(写真はホテルに着いてからとったので夕方です)
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横幅が広くて最初、車体感覚が掴みにくかったです。(上の写真も、駐車スペースにめちゃくちゃ左寄りに停めてしまっている。広い駐車場なので面倒だしこのままにしたけど)
午後4時。まだちょっと時間があるので、どこかのガイドブックで見たバハイ教のお寺を見に行きましょう。と軽い気持ちで北に向かったら1時間くらいかかった。
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どこやねんここという。中にも入れますが撮影は禁止でした。巨大な礼拝堂です。後で調べたら発祥の地・イランで弾圧を受けている非イスラムの少数宗教でした。19世紀に始まった一神教とのこと。ミシガン湖を望むすごいきれいな立地ですが、物腰柔らかなスタッフと、案内係に子どもがいたりして、だいぶカルトな雰囲気でした、ごめんだけど。

そんで宿に向かいます。ヨークヴィルYorkvilleという南西に1時間半くらい走ったところの街までいきました。トウモロコシ畑とジャガイモ畑が無限に広がってる。で平ら。そうか中西部の大平原ですやね。

ホリデイ・インは前日に見たら100ドルくらい、それでもすごい安いんだけど、当日料金を見たら90ドルまで下がってました(弊管理人はBooking.comを使いすぎてステージが上がっているのでその値引きもある)。部屋は広くて快適。田舎はいいな。
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近くの居酒屋でハンバーガーとビールで夕飯。居酒屋は女性がすっごくよく働いてました。この辺の人たちは何が娯楽なんだろう。客は男性2人組とか4人組、あとは中年の夫婦。
最近珍しくよく歩きました。

【8月16日(水)】

ミースの日です。宿から車で15分くらいのところにあるエディス・ファーンズワース邸(1951)。
シカゴ大の腎臓内科医の独身おばさんが週末滞在用の家としてミースに発注したものです。ガイドさんによれば「金持ちだが、(昨今のテック企業社長みたいな)ものすごい金持ちというわけではない階層」とのこと。ミースは校長を務めていたバウハウスがナチによってお取りつぶしになったので、イリノイ工科大の建築学部長として移住してきていました。洪水を避けるために高床にしたが、設計~建築の費用がかさんでファーンズワースと訴訟になったらしい。しかも住んでるのに建築ファンとか学生とかが見に来たりして迷惑だったとか。お気の毒です。

結局、売却の広告を新聞に出したら、英国の不動産屋ピーター・パランボ卿の目に止まって1972年に持ち主が変わることになった。造園を熱心にやって野外彫刻もいろいろ置いたそう。現在はその大半がおととしの冬に行ったペンシルベニアのケンタック・ノブ(フランク・ロイド・ライト建築)にあるそうです。あれか!!

2003年からは歴史保存財団が取得してツアーをやっているそうです。
ツアーは1日3回、10時、12時、14時にやっていて、弊管理人は近くに泊まったので10時の回に参加しました。全体で10人弱かな?(最大25人だそうです)その中に日本人3人……おひとりは本職で、日本から夏休みでニューヨークに来て、ピッツバーグまで飛んでケンタック・ノブと落水荘を見て、そんでさらにシカゴに飛んできたそうです。すごいな。
で、これだ。うわあ。やっと見られた。
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居室の床は地上から1.5mくらい浮き上がっているそうです。
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上のデッキに立って下を見てみました。港の岸壁から海を見ているようです。反対側は木が繁っていて、背の低い草が海面のように同じ高さの平面を作っているので、なおさら海っぽい。そして浮遊感があります。
中はこう。
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居室部分がここ、右手は物入れで、その裏に台所や風呂・トイレがあります。背後にはステレオなどを収納した物入れ、その隣が就寝スペース。
台所が見える裏からのショットってあまりないと思います。これはこれで面白い。
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高層アパートの1フロアを切り取って、スケルトンにして提示しているよう。
日本人の方にシャッターお願いしつつちょっと喋ったら「本職かと思った」と。そういえば弊管理人、なんでこんなに建築を回っているのだろうかと根本的な疑問を抱いてしまった。

鏡面のオブジェで自撮りなどした。
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堪能しました。オークパークに戻りましょう。
なんなら空と畑だけですが、ドライブ自体もかなり気持ちよかったです。
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お腹が空いてきたのと、車を返すまでには時間的余裕があったので、途中でデニーズに寄りました。いろんなところで見るけど初デニーズ。
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サケのグリルで14ドルくらいです。安いと思う。でもおいしかったです。この辺はほんとに客も店員も黒人とヒスパニックの人ばかり。
オークパークで車を返して、今度は電車で市中心部に出ました。
おーダウンタウンだ。
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投宿したのはIvy Hotelというちょっとオサレなところ。1泊160ドルで2泊予定。想定してたよりずっと手頃(意地でも円換算はしない)。国際会議とかのイベントごとのない平日だからかな。夕飯はまたタイ料理にして、あとは2日分の朝飯をスーパーで買って帰って寝ました。つづく。

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2023年08月19日 11:38に投稿されたエントリーのページです。

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