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ひみつのくらぶ

O株がますますやばくなっていた水曜の夜、いつもお世話になっている年下の知人のつてで小規模な飲み会に寄せてもらうことになり、DCの中心部から少し離れたお店を指定されました。ウェブサイトを見ると「上着必須ね」みたいなことが書いてありました。

朝から自宅で仕事をしていて、なんとか午後3時過ぎに焼き鳥丼を作ってかっこみ仕事続行、飲み会キャンセルも一瞬よぎりましたが、いや仕事ごときで人と会う機会を飛ばすのは愚かだと思い、東京にぶん投げて電話でやりとりしながらウーバーで向かいました。また出社するタイミングを逸したので、家にあった礼服の上着だけ一応リュックに入れて。

ちょうど建物の前で鉢合わせた当日初めましての主催者に誘われて中に入ると、まあ素敵。
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会員制のクラブで、えらい人が来た時などにご飯を食べるところなんだそうです。
客は他におらず。おいしい前菜とステーキ、ワインをいただいてしまいました。
話題はゴルフ、自宅で作れるビールキット、あとはハイソな世界の裏話。基本的にここでサバイブしている人たちは優秀でパワフルでナイスガイです。そしてたぶん非常にしばしば自分のお金でご飯を食べてない。

ひとしきり喋ってお礼を言って帰りのウーバーに乗ると、運転手さんが「今日は寒いねえ。20度台らしいよ」と。華氏32度=摂氏0度なので氷点下か。寒いわけだ。お風呂に入って寝ました。

* * *

結局今週は月曜しか出社せず、あとは在宅でもりもり仕事をしていました。
月曜の出社も必要はなかったんだけど、少しは歩かないとという運動目的で。
しかし全体的に運動不足で、住んでいるアパートのジムに行けたのは木曜になってからでした。

* * *

常用していない携帯に入ってるLINEに、東京にいる6つ上の友人から「手術終わったけどまだお腹痛い」というメッセージが来ていて、何のことかと遡ったら「大腸がん3期で手術を受ける」という話で「えええええ」となりました。どうも会社の健診で再検査になって見つかったらしい。

いやまあ健康な体型ではないけどお酒もタバコもやらないし、まだそんな歳でもないし。ああでも肉は食う人だな。しかし結構衝撃です。老母が近くに住んでいて恋人もいるけど独身だし、本人はいろいろ大変だったことでしょう。しかしお見舞いに行けない。

* * *

そんな不便を感じつつ、渡米から3カ月になりました。
年内まだまだ断続的に仕事があるんですが、一応例年のようにまとめておきます。

1月 疫病の嵐が吹き荒れていて、週末のにしやまさんだけを頼りに仕事してた
2月 息抜きで行った加太の温泉と離島がよかった。あと東京からの友人と遊べた
3月 なんで松山や壱岐に行ったんだっけ?と思ったらA株の疫病が一服したのか
4月 大規模ミス、職場のえらい人を怒鳴りつける、人事考課の文書で悪態と荒れていた
5月 とうとう米国赴任の打診。つい乗ってしまった。あと木津川市の寺巡りよかった
6月 ビザだ引っ越し手配だと面倒だった気がする。D株ってそろそろだっけ?
7月 紀伊半島、若狭湾、大台ヶ原とすごい出掛けた。さよならモードだったか
8月 児島が最後のお出かけ。そして大阪で荷出しして家なき子になった
9月 東京2週間だけ勤務、渡航準備、帰省、渡航とどんよりした思い出……
10月 生活の立ち上げ、仕事がいきなり爆発、歯が折れるなど最高に弱っていた
11月 なぜか英国出張を機に開き直り、自炊が軌道に乗ってやや回復
12月 気がついたら年末。としか言いようがない。あ、車買った

1年の日記を振り返ってみると、9月以前のことをほぼ忘れてました。
いいとか悪いとかではなく、とにかくhectic、忙殺されてた。
身体的に疲れがたまっていると達観することもできなかったけれど、少し回復したところで「いま悩んでも仕方ないことに悩まない」というモードに少し入れた気がします。それは過去を悔やまないことでもあり、未来を案じないことでもあり。

* * *

弊管理人より少し早い7月に赴任した同僚が、藪から棒に「僕、朝ご飯食べると元気になるんですよ」と言いました。何?と聞き返すと、

「朝起きた瞬間って、ああ今日もあれやらないといけない、これもやらなきゃ、と思って気分が沈むんですけど、朝ご飯食べると元気になるんですよ」

すげーわかる。というか弊管理人の他にも同じことを感じてる人がいるんだなと思って勇気づけられました。まあ多分彼は奥さんが朝ご飯作ってくれるんだろうけど。お互い来年はもうちょっと元気だといいよね。

* * *

といって、5月に転勤を断っていたらどうだったかと空想すると、たぶん「ああ嫌だ嫌だ」と思いながら週末の小旅行を繰り返し、そろそろ東京の出身部に戻る日取りが決まって心ここにあらずな感じになっている頃。東京は友人がいっぱいいて、行きたい食堂も行きつけの飲み屋さんもあるけど、その先にフロンティアはあったかというとなかったと思う。

一方で「そんなフロンティア求めてたか?」という自問もある。9月、DCの前任者から引き継ぎを受けてるときに「(弊管理人が)3年前におじさん職位になる時、『実はもう現場仕事はやりきった気がしていて、二度といいかなと思ってる』と言ってたよね」と言われました。完全に忘れてたけど確かにそう思ってた。

大阪の仕事があまりに合わなかったせいで判断が歪んだ面は否めない。
しかし、大阪の時に抱えていたストレスは今どうかというと、そこまでではない。
まだ評価が収束しない今日この頃です。

* * *

こちらではHave a wonderful and safe Christmas!といういかにもご時世な挨拶が交わされています。

* * *

きょうの使いたい英語は

"[Expletive]!"

です。これは「ファ○ク!」を出版コードに触れないように書くやり方のようです。

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2021年12月25日 07:11に投稿されたエントリーのページです。

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