この陰鬱で無機質な場所がワシントン首都圏を走る地下鉄の中心駅、メトロセンター駅です。
装飾が豪華で、駅ごとに趣が違うウズベキスタンと違って、各駅この通り。そして駅によってはもっと暗かったりする。ちょっと乗ると$2.50とかになるのに、それでもだいたいお金のなさそうな人たちが乗っていて、スマホからガシャガシャ音漏れさせながら音楽を聴いていたり、汚いズボンはいてぶつぶつ喋ったりしてたりする人たちと目を合わせないように見るともなしに見ていると、ロールズが「無知のヴェール」をかけてみようと思った気持ちが窺えた気がした。自分があいつだったかもしれないならば、どういう社会がいいだろうかと。日本だとみんなが同じ顔をしすぎていて、あいつと私の差をあまり感じないんだよね。
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なんて考えながらレッドライン(日本の首都圏でいうと、足立区あたりから東京駅に入ってきてまた大宮のほうに抜けてく感じの線)に乗って歯医者に行ってきました。
10月に折れた歯は、セメントで応急的にくっつけてもらって英国出張も無事乗り切り、工夫してなるべく負担をかけないように食事できるようになっていたところ。今回はそれをまた外してクラウン(人工の歯を残ってる歯にかぶせる)治療をしました。何か芯のようなものを入れたそうで、仮歯をかぶせるところまで。次回に完成品をかぶせて終了だそうです。
もともと歯並びがあまりよくなく、その上いつだか顎を強打したときにダメージが行ってたんじゃないかなあ。さらにガツガツ食べるほうなので硬いサンドイッチをほおばった時に最後の一押しをしてしまったんだと思う。かなり根本からぼっきりいったので、クラウンはかぶせたとしても強度を考えればそういう食べ方はもうできなくなった。歳を取ると他の歯もだめになっていって、クラウンをかぶせた歯もそのうちまただめになって、体じゅうだめだめになって不健康な老人になるのでしょう。
歯医者の椅子で型を取るための固まるゼリーみたいのを噛みしめ、ピーカンの空を見ながらそんなことを考えてました。歯茎周辺をいじられて結構痛いのと、鼻くらいまで麻酔が効いていて変な感じ。ただ日本の歯医者と比べて対応が繊細だと感じた。なぜこの治療をするか、リスクは何か、術後の注意点は何か、といった説明文書と金額を先に紙で渡されてサインすると治療が始まるというのがいかにも当地っぽい。
夜には雨になりました。天気予報当たった。折りたたみ傘は常時携帯につき、鉄壁の守りで退勤しました。
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前回の日記だったか、社会人になるための手続きだいたい終わりと書きましたが、免許の手続きは「immigration statusが即座に確認できなかった」とかで少し待つことになりました。これも「え~」と思ったけど、翌日にはいったん忘れつつ待つ諦めがつきました。
仕事先で会った他社のおじさんと話をしていて、その人は2回目のワシントン赴任だったのだけど、会社の周りに飯を食えるところがない、朝起きて食べるものがないとがっくりする、中古車でなかなかいいのがない、と大変そうで、みんなそうなんだな~、2回目でもそうなんだな~と思います。「この国に歓迎されてないことがよく分かる」とおっしゃっていて、それは本当にそうだなと。
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2日連続、会社で夕方にうっかり瞼が閉まった。疲れてると思う。ちょっと早寝しよう。