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2019年07月 アーカイブ

2019年07月28日

短い週末記

土日は職場の人たち7人で富士山に登るはずだったのですが、台風6号が直撃しそうだということで2日前にキャンセルし、土曜夜に水道橋の居酒屋「富士山」で残念会をしてきました。

そのあと一人で久しぶりにいっぱい酒を飲み、3時半就寝。

日曜はなんだか何に関してもやる気が起きず、洗濯した以外は特に何もせず過ごしてしまいました。残り物とベーコンエッグで昼飯にし、夕飯は吉牛という手抜き。
年に1度のマンションの配管清掃が部屋に入るのが今日で、富士山に行っていたらパスになってしまっていたところ、中止になったおかげでできたのだけが、この週末の収穫だったかも。

8月あたまにとってある短い夏休み、うかうかしたまま、まだ何をするか決めていないのと、その後に秋まで続く面倒な仕事のことなどあり、気分が上向かないのだと思います。

* * *

少し前に友人と話していて、自分のことをまだ「若い」と捉えていることに気付いていなかったことに気付かされたことがありました。
それで、おととしの春、20年近くぶりに会う大学1,2年時の同級生たちとお花見をしたとき、子持ちも含めて驚くほどみんなおっさん/おばさんになってないことに強い印象を受けたことを思い出しました。あの界隈の人たちはひょっとしたら歳を取るのが遅いのかもしれません。

なぜなのかは想像ですが、みんないまだに「別の生き方なんて今からだってできる」とどこかで思っているんじゃないか。もうちょっというと、現状を当座生きながら、しかしそのほとんどを「そういうもんだ」と心底受け入れてはいないというか。で実際、わりと本気になればいつでも現状を脱ぎ捨ててしまえる知識と知恵がある人たちなので、そういう態度を持ち続けられている気がする。

2019年07月18日

週末いろいろ

土曜、中近傍より友人来たりて、高田馬場のラミティエ。
夜は初めてです。2800円のコース一択。前菜とメインを1品ずつ選ぶのはランチと同じ。
前菜はキッシュいきます。
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そんでメインに鴨のコンフィ。
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追加でデザート。ミルクとフランボワーズのアイス。
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友人は前菜がハム、サラミ、パテとリエットの盛り合わせ、メインは牛ほほ肉の煮込みで、シェアしながらいただきました。どれもうまかった。おなかいっぱい。

* * *

しかるのち、「天気の子」を見ました。

* * *

明けて日曜は天気予報を見て、なんとかもちそうということで横須賀・猿島へ。
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夏は初めて。むちゃくちゃ湿度が高くて、むちゃくちゃ暑かったです。
海が汚くて対岸が霞んだ感じ、写真にするとマレー半島近くのどっかの島って感じ。

おいしかったのは、よこすかポートマーケットのジェラート屋。
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2フレーバー(400円)を選ぶ際、スイカと海軍コーヒーという取り合わせにしてしまうセンスのなさ。
でもそれぞれはおいしかったです。
加えて、フードコートが涼しいというのが素晴らしい。

* * *

思い出せないくらい前(少なくとも15年)から使っていたデスクチェア、しばらく前からずいぶん背もたれのリクライニングが大きくなったなと思っていたら、とうとうバキバキっと180度開いてお亡くなりになりました。

後継者はアマゾンで12000円。ロッキングの可否がレバーで決められるのがなかなかよい。
しかし、6000円ほどのでもそんなに変わらない気はします。
一方、コクヨとかのメーカー品だと数万円。いまひとつ機能と値段の関係がよくわからないカテゴリーです。
とにかく早く着くことを重視して買ったので、若干高いものになってしまいました。注文してからヨドバシのほうが安いやつが速く来ることに気付いたものの、既にキャンセル不能になっていてアウト。まあいいけど。

* * *

■イ・サンヒ、ユン・シンヨン(松井信彦訳)『人類との遭遇』早川書房、2018年。

借り物。とても読みやすかったです。
・人類史の描写はどんどん変わってる
・ゲノム革命の影響甚大。にしても、やっぱりいろんなことが推測で議論されてる印象
・人種や性役割など「その時代時代の研究者が見たいものを投影してしまう」という危険といつも隣り合わせだな
・それでいうと、女性、アジア人の視点から見たこの本て実は貴重かも

2019年07月16日

ケナー

ケヴィン・ケナーが1990年のショパンコンクールで1位なしの2位になって、次の年だったか、英語の自由作文の授業で彼のことを書いたんですよね。ああいうピアノ弾けたらいいなって。
その後しばらく聞く機会がなかったところ、去年の秋、NHK-FMの「ベストオブクラシック」でケナーのピアノ、チョン・キョンファのバイオリンでフォーレとやフランクのソナタをやっていたのを聞いて、ケナーがナマで聞きたいと検索してたどり着いたのが日曜のコンサートでした。

IMCミュージックという興行主が同じ6月のナモラーゼに続いて、また東京文化会館の小ホール。ナモラーゼのときは空席が目立っていたが、今回はさすがにパンパンでした。
曲目は:

・ショパン(ケナー&ドンベク編曲)の室内楽版・ピアノ協奏曲第1番
・ノヴァコフスキのピアノ五重奏曲

ショパンはルイサダの室内楽版の録音を含め、ほんと何回聞きましたかねっていうくらいよく聞いた曲です。でも今回の編曲を聞いてみて、この曲の本来の姿は室内楽だなと確信しました。オーケストラの分厚い音であの伴奏をやるべき?と思ったことがあったのですが、その疑いは正しかった。弦とピアノが落ち着いて掛け合いできるのはこの規模だよ。それはパンフにも書いてあった通り。

それにしても、ケナーはよく指の回るピアニストではありますが、華やかさもちゃんと出ていて、とてもいいんですね。ワルシャワのホールで演奏されるような若々しさとスケールを感じました。一方、緩徐楽章ではこぶしを効かせるようなディレイをかけた場面もあって面白かった。で、華やかな部分は初めて聞いたノヴァコフスキでもさらに発揮されていて、長い曲ですが全く飽きませんでした。楽章ごとに表情が違うのも楽しかった。

特筆すべきは弦のワルシャワ・ソロイスツです。バイオリンは一部不安定なところがあってヒヤヒヤしたけど、チェロと、コントラバスの山崎裕幸さん(ブレーメンフィルの首席なんだそう)が低音からがっつり下支えして合奏を豊かにしていました。特にバスがとても表情に富んでいるのに突出しないの、すごくない?そう、ネーミングからしてソロイストの集まりなんだと気付くべきでした。溶け合うのではなく、個性的なままに調和しているのだ。

なんかもう近年ないくらい楽しみました。(近年ないくらい考えさせられた、のは去年のポゴレリチ)

* * *

そんで上野から戻った夕方、仕事を終えた2人+自営の1人+弊管理人の「連休なのに働く友の会」(弊管理人もなかびに14時間シフトをやった)で埼玉の「雅楽の湯」に行きました。
1580円でビュッフェつくの、納得感高い。
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むっちゃ食ったあと、1時間半くらいお湯につかって喋って、東京に帰り着いたのは24:30でした。
2人は飲みに行き、弊管理人も行こうかと思ったものの、雨だったのですたこら帰りました。

今年はずっと曇ってて、まぶしいのがだめな弊管理人はとても助かってます。あと7月にしては寒い日ばかりなのでよく寝れて疲れも少ないのでした。

2019年07月14日

小胞体

ちょっと必要がありまして……

■森和俊『細胞の中の分子生物学』講談社、2016年。

▽1950~60年代:細胞生物学第1世代(クロード、ド・デューヴ、パレード)
 =1974ノーベル医学生理学賞受賞
・タンパク質を合成するリボソームが2種類あることが判明
 (1)細胞質にいる「遊離リボソーム」
  →合成したタンパク質は細胞質に放出され機能
 (2)小胞体の膜の外側に付着する「小胞体膜結合性リボソーム」
  →合成したタンパク質は小胞体内に入り、ゴルジ体を通って細胞外に分泌

▽1970年代:第2世代(ブローベル、1999医学生理学賞受賞)
・タンパク質を構成するアミノ酸の配列には、機能配列の末端に「シグナル配列」がある
 →シグナル配列を荷札として識別タンパク質が結合、翻訳停止
 →正しい小器官(この場合小胞体)の識別タンパク質受容体がキャッチ
 →シグナル配列が切り取られる(核行きだと切り取られない)
 →翻訳再開、小器官内にタンパク質が入る
 =働く場所に届けられるという「シグナル仮説」
 →すべての小器官についてこれが正しいことが示された

▽1980年代:第3世代(シェクマン、ロスマン、2013医学生理学賞受賞)
・タンパク質が小胞体に入った後
 →小胞体内で立体構造をとる
 →「小胞輸送」でゴルジ体へ
 →ゴルジ体で仕分けされ、最終目的地のリソソーム、細胞膜、細胞外へ
 *各移動の際は小器官の膜がちぎれてできる袋(輸送小胞)に入って運ばれる
 *ゴルジ体を出た小胞のv-SNAREと目的地のt-SNAREが結合するので迷子にはならない

タンパク質の折りたたみ
・アンフィンゼン(1972化学賞)のドグマ「タンパク質は勝手に最適な形になる」
・タンパク質濃度の高い細胞内では、タンパク質「分子シャペロン」が折りたたみを助ける
・2種類のシャペロン
 (1)結合・分離型
 (2)閉じ込め型(シャペロニン):容器状で、中に隔離して構造をとらせる
  →シャペロニン研究のハートルとホルビッチは2011ラスカー賞
*形がおかしくなると→異常プリオン
  スクレイピーの研究でプルシナーが1997年医学生理学賞

不良タンパク質の処理、二つの分解系
(1)ATPを使わない分解処理
 リソソーム(40種類の分解酵素を持ったゴミ処理場、ド・デューヴが発見、ATP不使用)
*オートファジー
 オートファゴソームにリソソームが融合、酵素が流入
 新生児は飢餓状態の中で自食し生き延びている

(2)ATPを使う分解処理
 ユビキチン(APF-1とも)が付着(ハーシュコーら、2004化学賞)
 =プロテアソームが分解(田中啓二、ゴールドバーグ)
 プロテアソームがユビキチンを把持
 →タンパク質をひもに戻す
 →ユビキチン外す
 →分解

▽1980年代後半~:第4世代(ゲッシングら)
・小胞体で正しい構造をとったタンパク質だけがゴルジ体に行けることを発見
・正しくないタンパク質は細胞質に排出され、プロテアソームが分解(小胞体関連分解)

・小胞体ストレス応答(メリージェーン、ジョーが1988命名)
 タンパク質がリボソームから小胞体に入ってくる
 →シャペロンが高次構造形成を手助けする(90%は成功)
 →異常タンパク質が増えるとシャペロンが増える(転写誘導)
 →修復を頑張る
・応答に必要なもの:森がすべて解明
 (1)センサー
 (2)シャペロン転写を働きかける「転写因子」
 (3)センサー(小胞体)と転写因子(核)を取り持つ仕組み

1989 メリージェーンとジョーが酵母にも小胞体ストレス応答があることを報告
1992 森、シャペロンの転写調節因子を酵母で決定
   酵母遺伝学。ランダムに傷を付けて小胞体ストレス応答ができないものを選抜
1993 森、IRE1の機能喪失がセンサーだとCellで報告
   (ピーター・ウォルターも同着)
1996 ウォルター、転写因子HAC1報告
1997 森、スプライシング後のHAC1タンパク質が転写を実行するという解釈を発表

・つまり
 構造異常タンパク質が小胞体に蓄積
 →センサーIRE1を介して情報が核へ
 →転写因子HAC1がシャペロン遺伝子の転写を活性化

*場所によってストレス応答が違う
 細胞質に構造異常タンパク質が蓄積した場合、修復のためシャペロン動員
 小胞体に蓄積した場合は小胞体ストレス応答
 ミトコンドリアでのストレス応答→詳しく分かってない

▽ヒトでは
1998 カウフマンとロンが独立にヒト遺伝子内にはIRE1に似たものがあると報告
   (HAC1はヒトにはない)
   吉田らが転写調整配列を発見、さらに転写因子ATF6とXBP1も発見
1999 ロンが第2のセンサーPERKを発表
   土師がATF6を第3のセンサーと特定
   =ヒトはIRE1、PERK、ATF6という三つのセンサーがある
2001 吉田がヒトXBP1が酵母HAC1に相当すると発見、Cellに発表
   (ロンはNatureに一歩遅れて出した)

酵母とヒトの違い
・酵母はセンサーがIRE1しかない
 →小胞体シャペロンも小胞体関連分解も同時に転写誘導される

・ヒトはまずPERKが翻訳を抑えて既存シャペロンに修復の余裕を与える
 →その後、ATF6が応援シャペロンを呼ぶ
 →だめならIRE1でシャペロンとともに小胞体関連分解を誘導する
 *せっかくATPを使って作ったタンパク質をいきなり分解しない「もったいない」対応

小胞体ストレス応答の不全と病気
・PERKが働かない→質の悪いインスリンが作り続けられる→β細胞の恒常性が崩れてアポトーシス→インスリンが作れなくなる→糖尿病(ウォルコット・ラリソン症候群)
・ほか、肥満、インスリン抵抗性、アルツハイマー病、パーキンソン病、ALS、炎症性腸炎、心不全、心筋症、動脈硬化などにストレス応答が関与していることが判明
・がんでは新生血管できるまで飢餓状態→構造異常タンパク質が蓄積→小胞体ストレス応答を動員して対処。ということは、ストレス応答阻害薬が抗がん剤になるかも

今後
・ヒトはほかにセンサーを5個持っている。それぞれ使い時があるらしい
・臓器・細胞特異性
・どの時点で修復を諦めて細胞死にいくのか?

「三つのハッピーな出会い」―ラスカー賞スピーチ
(1)分子生物学との出会い
(2)小胞体ストレス応答との出会い。地方時代、それまでのテーマをやめて渡米したこと
(3)ワン・ハイブリッド法。エイチ・エス・ピー研究所の由良所長、吉田さんとの出会い

2019年07月06日

安定の咳

エアコンのコントロールが悪かったか喉をいためてしまい、夜間に咳で起きるくらいになったので、会社のビルの地下にあるクリニックで薬をもらってきました。

毎食後:ロキソプロフェン(消炎)、デキストロメトルファン(咳止め)
夕食後:アンブロキソール(たん排出促進)、アジスロマイシン(抗生物質)
寝る前:エンペラシン(アレルギー改善)
頓服:リン酸コデイン(強い咳止め)、トローチ

「あそこは薬漬け」「頼めばシャブも出てくるのでは」と評判のクリニック。医師は循環器内科で、上司は降圧薬によって最高血圧100と強力に管理されているそうです(余談)。いやもうほんと。しかしこれって何を疑われたんだろう。気管支炎?
一晩寝たらだいたい軽快しました。寝る前の薬が結構強く効いたのか、朝ちょっとぼーっとしてました。

日記を見返すと、2015年、16年にもこの時期に喉をやられていた様子。ただしそのときは鼻も一緒だったっぽいですが、今回は鼻はちゃんときいてますのでご飯はおいしいです。

* * *

■北條芳隆編『考古学講義』筑摩書房、2019年。

14人14講。可読性の低い文章が多いと思ったのは、こちらが筆者の想定する読者ではなかったからだろうか。でも古墳=ポトラッチという見方とか、使いやすさでは日本海>瀬戸内海だとか、うーん面白いと思うくだりはいくつかありました。

* * *

先週かっとなって書いた日記の件は結局、若者職位の当人とお話する機会があり、まあこれで雨降って地固まる感じになったらいいなという収束の仕方をしました。梅雨だけに。とかいうてますが、まあ一度雨が降る必要はあったものの、弊管理人もいいだけ大人げなかったと思うので、あちらから話す機会をもちかけてくれたことはありがたかったです。

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