アジアカレーハウス
「錦糸町・丸井の真裏にある『アジアカレーハウス』がアツいんですよ」
敬愛してやまないアキンボのマスターからそう言われたら行かぬわけにはいきません。
とはいえ、営業時間は20時から。普段はこの時間までに退勤できるなら帰り道にメシを食ってしまいますし、帰れないなら社食で食べてるころ。しばらく行けないまま時が経ち、今日。
わりと女性一人とかだと恐い感じの道にあります。
といっても別に歩いていて襲われるわけじゃないので、気にしなければなんともないんですけど。
小料理屋みたいなカウンターに小料理屋みたいな椅子が五つ。
メニューがないので座ると自動的にお料理(1000円)が出てきます。
水曜と金曜がスペシャル、あとの日は普通のカレーが出てくるんですと。
バングラデシュの方が、この界隈で働く人たちのためにやってるらしい。
現地に行ったことがないので現地の味だとかは言えませんが、日本人に出せない味。
しかしうまい。確かにこれはアツイ。
カウンターは日本人ばかりで埋まってしまいました。
もうちょっとすると行列作るようになるんだろうか。ぐぐぐ……
* * *
■カフカ, F.(丘沢静也訳)『変身/掟の前で 他2編』光文社、2007年。
放送大学に「世界の名作を読む('11)」というテクスト分析の入門編みたいなラジオ授業があって、ここ何日かそれを聴きながら通勤したり外回りしたりしてました。
工藤庸子、柴田元幸、池内紀、沼野充義という大御所(というか駒場の地域文化界隈の友達だろう、この顔ぶれは)が名作を周り番で紹介します。それぞれ面白いのですが、実際に読みたいと思わされたのは池内紀の「変身」語りでした。そんなわけで出張先の京都で購入、帰りの新幹線で読み始め、新横浜くらいで1冊読み終わりました。
(それとは関係なく、柴田元幸のテンションを7割増くらいにすると菊池成孔になりますな)
「変身」は高校くらいの時に読んだような気がします。しかしディテールは忘れていました。
勤め人になって読み直してみると、これは出勤前の寝床で「会社行きたくねーなー」と思いながら、このままミスマッチだとかいって会社やめちゃって、引きこもって、家庭が壊れそうになって……とふくらませた空想のように読めますね。不条理劇なんかじゃなくて、とても身につまされる寓話というか。