神保町の岩波ホールで「ハンナ・アーレント」を観てきた。
正午ごろ、のそのそとチケットを買いに現地に行ったら、14:30からの回があと4人で売り切れるところだった。「開場は13:45ごろです」と告げられたので、その辺の本屋をぶらぶらする(1冊買ってしまった)。
13:45ごろホールに行くと、10階の階段踊り場から6階まで入場待ちの列ができていた。
なんか年齢層が高い。あと本読んでいそう。
内容は『イェルサレムのアイヒマン』のメイキングです、みたいな感じ。
ナチの役人に悪の凡庸さを発見することが当時どれくらい反発を招いたかという温度感は分かった。
悪の一翼を業務として担った(おそらく時代状況からして担わざるを得なかった)一つの歯車がなぜ責任を問われるのかについては、「思考停止したから」で終わってしまった。ちょっと食い足りない。
思考停止してるとかいって他人を詰りたい人たちの引用を待っている作品(と言った瞬間にその背後を取られるのだ)。
では、あの時代のあの社会に参入したとして、そして少なくとも良心は起動したとして、縛り首を回避するためにどんな手段が取れたろう。
多分抵抗は実を結ばない。
無能な人として隅っこに追いやられるのが一つの解ではないかな。
これは程度は違っても、無理筋なミッションを果たそうとするどの組織にも通用する気がする。
* * *
早くも目の血はだいたい引きました。
まだ引いてない部分はまぶたの下に隠れてます。