【20日】
リノで本来の予定をこなす日。
でしたが、午前の会合に向かうバンの中で、午後の会合がキャンセルされたことを知りました……。
ランチミーティングでおいしいドネルカバブをいただき、
そのまま街の北東方向に走ります。
あまり大きくない街が終わると、もう荒涼とした風景の中。
忘れがちですが、街の中でさえ標高1400m近い高地です。
あまり背の高い植物はありません。
ネイティブアメリカンの居留地域に入ります。
目指しているのは「ピラミッド・レイク」という湖ですが、そのあたりに入るために、途中の売店で許可証を買います。
釣り具やスナックのほか、工芸品も置いてました。
「ドリームキャッチャー」を買いました(20ドル)。
クモの巣を模した形をビーズで作ってあり、これで悪い夢を捕獲し、真ん中の小さな穴から良い夢を通すのだそうです。寝床の近くにつり下げるのがいいが、車の室内ミラーに下げるなど、どう使ってもいいとのこと。
売店を出ると、ほどなく湖に到着。
ひとけもなく、強い風が吹き抜ける低い丘陵地帯に、巨大な湖面。
色合いの印象はだいたい写真の通り。夢の中のように寂しい。
水に触れるくらい近づくこともできます。バンの運転手さんの娘さんが桟橋から石を投げ入れて遊んでいるところ。
近くにはネイティブアメリカンのコミュニティがあります。
自治を行っており、警察も自分たちで持っているそうです。
中学・高校と、博物館と、小さなコンビニが見えました。
博物館には太陽光パネル(写真下部に見切れてるやつ)が据え付けてあります。
博物館の客は弊管理人らだけ。開けてもらっておじさんから説明をお聞きしました。
白人が来てから150年、ここで生活していたのは1万年。つい最近のことだがこの間の変化はすごかった。最近の150年と、その前の1万年についての展示。
松の実をつぶす石臼、ビーズでカラフルに装飾された、赤ちゃんを入れておんぶする籠、湖で獲れるCui-uiという魚(このあたりの人たちは「Cui-uiを食べる人」と呼ばれているらしい。自称か他称か聞いたけど忘れた)、渡ってくるペリカン、ベトナムやイラクの戦争に出て行った人たちも。
おじさんがネバダの文化交流団体の役員をしていたこともあって、世界各地からこの博物館に人が訪れているそうです。ロシア(おそらく極東)の少数民族が、頑としてこの地から動かなかった彼ら部族に「権力とどう渡り合ったらいいか」を聞きに来たり、日本から工芸品を買い付けに来たりと、いろいろ。
草木に至るまで魂を認める、そういう日本の考え方にも共感を示していた。
太陽光や地熱といった自然エネルギーに賛成らしい。「太陽光パネルを導入してから、月250ドルかかっていた電気代が25ドルの事務手数料だけになった」と満足げでした。
なんて、いろいろお話をうかがっていたら、すっかり辺りは暗く。
お礼を言って博物館を後にしました。
【21日】
土曜日。暖かかった前日までとはうって変わって、朝は雪が舞っていました。
遠出はやめとこう、ということで、昼前にのろのろと出発してスパークスという隣町のアウトレットモールへ。店内に観覧車がある!
昼飯はモール敷地内のイタリアンレストランで。サラダ+スープ、いずれもおかわり自由で7.5ドル。健康的で安上がり。こういう食べ方はポピュラーなのだそうです。
宿に戻って、地元の商工会が毎月第3土曜日の午後2~5時に開いている「ワイン・ウォーク」という企画に参加しました。
(1)この企画に協賛する、近くの34のレストランやバーのいずれかで、まず20ドルを支払って、参加証明となる紙のリストバンドと、オリジナルのワイングラス、さらに協賛店の地図を受け取ります。
(2)そのグラスにワインをもらって、店内で飲み干します(州法で歩き飲みが禁じられているため。グラスは必ず空にして店外に出るよう注意書きがあります)。
21歳未満の飲酒もアウトなので、店によっては身分証明書の提示を求められます。弊管理人は4回ほど未成年かと尋ねられました。
(3)地図を見ながら次はどの店に行くか決めて、また次の店でワインを飲みます。店を訪れると、上のようにスタッフさんが待っていて、ワインをついでくれた上、地図についている店のロゴにサインをしてもらえます。
ワインの銘柄は店によってまちまちで、赤とロゼはあるけど白がない店や、オリジナルのワインをふるまうところもあります。
(4)幹事は協賛店が持ち回りでやりますが、最後は幹事の店で抽選が行われます。5店以上回った(各店でもらえるサインは回ったことを証明するもの)参加者は抽選に参加でき、協賛店の金券が当たるという仕組み。
この企画はとてもよくできていると思いました。
・参加費の20ドル(から、おそらく経費を引いた残り)はチャリティに回されます。寄付の先は毎回違い、今回は北ネバダ地区で活動するHIV啓発団体に回されるとのことでした(各店でワインをついでくれるスタッフの一部は、この団体から来ていたのではないかと思います)。テーマを変えていくことで、街の外からも含めて、多様な問題に関心を持つ人たちをこの企画に呼び込めそうです。
・34も店があるので、地元の人にとっても観光客にとっても普段行かない店に気軽に入れて、メニューや雰囲気を確かめることができる。客から見れば「ちょっといい店」を新しく見つけることもできるかもしれないし、当然店にとっても新規の客の獲得チャンスになります。
・普段は人通りの少ない、ちょっと寂れた観光地のようなこの周辺ですが、この企画をやっている時間帯はワイングラスを持った人たちがいそいそと店を回っており、活気づいた感じになっています。
・各店ではハッピーアワーのようなことをやっており、ワインをもらっておつまみを買ったり、ちょっとビールも飲んだりと、土曜の昼から楽しくお酒を飲むこともできる。
・さらに、抽選が終わるとそろそろ夕飯の時間ということで、協賛店のうち気に入ったところに戻って飲み足したり、ご飯を食べに行ったりできる。
とかく近隣にできたインディアン・カジノ(部族が運営するもの。面白そうなのでこれから調べますが、税制などで優遇があるみたい)、隣のカリフォルニアや、遠くはマカオのカジノと厳しい競争を強いられており、かといって他の産業も特にないようなリノにとって、地元の商売をどう元気にするかは大きな課題。ワイルドカード的な解決策では決してありませんが、人を呼び込み、楽しくお金を使ってもらう、そして「次につなげる」仕組みも織り込んだ、草の根の活性化策。
ところで、立ち寄った店のうち一つでチケットをもらったので、夕飯を食べてから小さな地下劇場に行ってコメディを見てきました。
こちらのコメディは2人でやる漫才やコントではなく、基本的に1人での「しゃべくり」だそうです。
今日は4人のコメディアンを観ましたが、日本に比べて尺が長い(4人で1時間半)。喋りが速いのと、笑うためには背景知識が必要なので半分くらいはついていけませんでしたが、シモネタ(ドライブしながらオナニーする話など、どぎつい)、自虐(2年に1回しか議会が開かれず、主要交通網からも外れてあまりに寂れているネバダ州都のカーゾンシティをカリフォルニアと比べながらけちょんけちょんにするネタなど)、「あるある」系(うちのばあちゃんの面白い話など)あたりに収斂しているように思いました。
コメント (2)
写真が絵みたいだねー。
一生行けないところだから、けっこう楽しみに読んでます!
投稿者: e-com | 2012年01月25日 00:16
日時: 2012年01月25日 00:16
>一生行けない
えっ、なんで?
アメリカはメシがまずいとか言ったのは誰だ!と怒りながらカロリーを過剰にとってますw
投稿者: 管理人 | 2012年01月25日 17:38
日時: 2012年01月25日 17:38