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サブカルチャー神話解体

■宮台真司、石原英樹、大塚明子『増補サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在』2007年、ちくま文庫。

1993年に出版されたものの再刊となる本書を、2007年の刊行と(たしか)ほぼ同時に買って、ちびっと読んでは本棚に置き、また電車でしばらく読んでは本棚に置き、を繰り返してようやく読み終わりました。なにしろ550ページあるんですよ。
少女マンガ・音楽・性、の、70-80年代、を中心として、ものすごい物量と駆動力で読み解いていく本でして、その密度(1冊にいろんなことが書いてある度)からしてこんなところに要約を書けるものではございやせん。そのかわり何かほとばしってる若い俊英の風圧をびしびしと感じたということだけは書いておきます。

この増補版には初刊から14年を経て宮台さんが寄せた新しいあとがきと、たぶんそのあとがきまで含めて本書を読んでから書いたと思われる上野千鶴子さんの解説がついています。特に「この本には分析方法の開示が欠けている」と指弾しながらも、才気走る文章の全体と時代を見抜く目の鋭さを評価するあたり、そして「さてオッサンになって時代から遅れ始めた宮台はこれから何を見せてくれるのかね」と挑発混じりに期待してみせるあたり、気持ち悪い(いい意味で)愛を見た気がします。なにしろ弊管理人はこの解説に触発されて、15年くらい前――当時ブルセラやらオウムやらについて発言していた宮台さんについて「いいけど、あと10年同じことをやっていたらバカ」とやはり上野さんがどこかで評していたことがうっすら思い出され、その気持ち悪い(いい意味で)愛の持続ぶりにまたほっこりしながら本を閉じたわけです。

ところで、同じあとがきで「この本の続きを書くことは宮台さんの仕事ではなく、いま時代と一緒に走る体力のある若いフィールドワーカーのやるべきことだ」と上野さんは指摘しました。しかし今年の3月に東工大であった「クール・ジャパノロジー」シンポをみると、93年以降のことも考える気満々な感じがします。やはり続きは書かれるのでしょうか、そうだとすればどんな形で?

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2010年09月24日 22:22に投稿されたエントリーのページです。

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