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解剖男

■遠藤秀紀『解剖男』講談社現代新書、2006年。

時期的に電車男のパクリかね、このタイトルは。どうかと。

ええ非趣味読書です。
いまは東大の総合研究博物館の教授やっておられます遠藤先生による、「遺体科学」の紹介本。
筋肉などの軟組織や骨などの硬い組織からわかること。その第一歩は「系統=その種の来歴」と「適応=その種の工夫」という視点。たとえばヒトの頭骨に脊髄の出口がついているのは系統、それが四足歩行動物と違って真下についているのは二足歩行への適応、そんな感じでしょうか。
形態と機能はとても密接に結び付いている。なにをするためにこの形なのか、この形だとどう動くのか、そもそも動物の体の構造はどうなっているのか、そういう知を膨大に積み上げていく営みが遺体科学ということのよう。

で、筆致は濃ゆい。へえと思う知識の記述も多いですが、いろんな人(個人名はない)の悪口が書いてあります。こんなに必要なのかと思うほどですが。まあ個性でしょう。
ちょうど今月から博物館でこの先生が監修した展示「命の認識」が始まります。

コメント (2)

e-com:

うへえ。展示も濃そうだなあ。。。
ある意味見てみたい。
(↑快楽に照準した商業主義へのアンチを、歪んだ快楽にて消費する、的な。)

管理人:

1月24日の解剖見学、いってみる?

しかしこの展示の案内書きも含め、ちょっとウザめな陶酔を感じるのです、この人の文章。

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2009年12月07日 20:48に投稿されたエントリーのページです。

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