■長倉洋海『フォト・ジャーナリストの眼』岩波新書、1992年。
下のエントリーと同じく、北東北旅行中に能代の古本屋で仕入れたもの。
エルサルバドルからアフガン、フィリピンへ、そして山谷へ。そこで見たもの、撮ったものについて。
個人的には、良質のルポルタージュというのはただ見たもの、聞いたこと、それについて感じたことを書き連ねるだけではなく、その背景にある社会・思考の構造にまで一歩以上踏み込んだものであるべきだと思っているんですが、その意味ではこの本はあまり良質だとは思いません。新書という分量の制約もあったかもしれませんが。
それはそうとして、他人の行かないところに行く、他人のしない工夫をして取材対象に迫っていく、その情熱はどばどば溢れている著書だったと思います。
ネットの危険性、肖像権とかプライバシーとか、いろんなことで人を撮ることがますます難しくなる日本で、フォト・ジャーナリストはどうやって仕事をしていくのか。著者に伺ってみたい気がします。何て答えてくれるでしょうか。