■三浦綾子『氷点(上・下)』角川文庫、1982年。
下のエントリーのとおり、北東北旅行の最後、青森港で延々とフェリーを待ったときにイッキ読みした本です。
人生においてよく本を薦められるということがありますが、あまり多いので2人以上から薦められたら読むことにしています。この本が久しぶりのそれ。「笑点」のタイトルは番組開始当時にブームとなっていたこの本のタイトルをもじったものだそうですよ。へえええ
娘を殺された夫婦が、殺人犯の自殺によって孤児となったかれの娘を引き取って育てるおはなし。病院を経営する夫、美貌の妻、利発な息子と娘、という一見非の打ち所のない家族のなかで、「殺人犯の娘が家族にいる」という秘密をめぐる苦悩と愛憎が描写されていきます。テーマは「原罪」とのこと、それがどういう意味かは読み通したときに初めてわかる気がします。