最終日、5時間ほど間ができたので、バスに乗って北方博物館に行ってきました。
仕事先から、さまざまな博物館がタダで見られるパスをもらっていたので。
道すがら、トラックの荷台に載ったお子様たちが音楽かけながらわーわー騒いでいました。
高校生が卒業式のあと、ビール飲んでこうやって練り歩くんだそうです。
「やめさせてえんだけど」と市役所の人、苦笑。
さて、スウェーデンの500年分を見せちゃうよ、という博物館。
1907年オープン。ネオ・ルネサンスの重厚な建物です。
入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、グスタフ・ヴァーサ王(位1523-1560)の像。
横から見たら片桐はいり。でもデンマークからの独立を果たしたヒーローらしいです。
ちなみにこの人、現行1000クローナ紙幣になってますが、6月30日をもって新デザインのハマーショルドに取って代わられるそうです。
こういう看板もgoogle翻訳で読めちゃう世の中って便利。携帯端末を持たずにオーストラリア半周とかしてた大学時代、一体どうやって動き回っていたのか思い出せない。
閑話休題。9世紀くらいからヴァイキングがいろんなところに出掛けていって(でも出掛けてた人たちは人口の1%程度で、ほとんどは農民だったとのこと)、17世紀までにどんどん版図を拡大。でも18世紀になるとロシアに負けだして、19世紀にはもう国内のことに集中することにした。第1次、第2次大戦では中立を維持したことで、戦災を被ることもなく産業を伸ばすことができたとのことです。
館内では、調度、食、装いなど、あらゆる面から生活の歴史を紹介しています。
どこの民族もそうだけど、この人たちは特にデコってる気がする。
先住民のサーミについても、かなり大きな展示がありました。
ウプサラにracial biologyの研究所が設立され、国主導で人種主義に基づき、頭の大きさなどさまざまな計測がされたことをサーミの側から告発するビデオも流されています。こういう黒歴史がちゃんと首都で見られることは大きいと思う。
食のコーナーでは、コーヒーがフィーチャーされていました。
仕事ではいっぱいミーティングがあったのですが、どこに行っても「まずコーヒー」という雰囲気でした。現地をよく知っている人に聞いても、確かにすごくコーヒーを消費する人たちらしい。パーティもコーヒーとビスケットで、という展示が上記写真ですが、その歴史は意外に浅く、20世紀初頭くらいからだということです。
街中にもコーヒーショップがいっぱいありましたが、仕事で飲み過ぎたのであえて買って飲む機会がありませんでした。
受付で音声ガイドがタダで借りられます。
結構な説明量で、途中から飛ばし気味に見ましたが、たっぷり3時間。
午後3時になったランチは博物館内のレストランで。
イワシのマリネ、冷たいニンニクと香草のソースを試しました。
臭くて酸っぱくて塩分きつめでした。
(その反動で、夜はグリーンカレーにしちゃった)
隣にあるスカンセンという野外博物館も駆け足で見学。
古き良き時代の建造物を集めた「江戸東京たてもの園」みたいなところです。
でも、どっちかというと弊管理人は動物園として楽しみました。
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あと、スウェーデンの人たちはほんとに英語がよくできます。
前の滞在の時にも誰かに聞いた気がしますが、昔はテレビで自前の番組があんまりなくて、英語のドラマや映画を字幕なしで流していて、そういうのを見てみんな英語を習得したのだということでした。まじか。それから、スウェーデン語はもともと英語と結構似てるというのもあるそうです。確かにアナウンスなんかを聞いていると、朝鮮語の中に日本語っぽい言葉が聞こえる程度には英語っぽい言葉が聞こえます。
いずれにしても、自国の人以外はスウェーデン語を喋ってなどくれないので、自分で”世界語”をできるようにするしかない、という事情もあるのでしょう。結果、ずいぶん世界が広がってるように見えます。
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現地のホテルは、ご招待下さった元が用意してくれていて、それが多分結構いいところでした。
各国の同業者が集まる機会だったのですが、弊管理人だけは本来の予定にちょっとミーティングを追加したので滞在を1日延ばしました。
折角ならということで、その延泊分は自分で宿を探してみようと思って見つけたのが、中央駅からわりと近いのにリーズナブルだったColonial Hotelというところ。
9000円以上するお部屋がこちらになりますw
2人用のホステルを1人で使う感じです。バス・トイレは共用。
ストックホルムのホテルの高さは異常です。「中心部のまともな部屋で2万円以下っていうのはありませんね」と半笑いで大使館の人が言っていたのは本当だった。
でも、窓からは向かいのアパートが丸見え(カーテン閉めない人ばかり)で面白かったです。
ベランダにテーブルセットを置いてる家が多くて、よく人が出てくる。
朝飯の部屋では、あんましお金持ちじゃない層の白人、というのも見られました。
メシそのものは結構よかったです。前日まで泊まっていたホテルは、この基本線にパンケーキとかオーガニック野菜とかの余計なものが加わった感じ。やっぱり卵はみんな食べたいのね。
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福祉国家としてのスウェーデンを見る機会はほとんどありませんでした。
国が面倒見てくれると思うと、勤労意欲はどうなんすかねと聞いてみましたが、「働かないと年金も出ないので、みんな結局わりとちゃんと働く」とのことでした。所得の2/3は税金と社会保障費に持って行かれるものの、いっぱい稼ぐとそれなりに老後のリターンがあるというシステムだそうです。
ただ、「仕事が残ってても時間になると帰っちゃう文化だと、いくら効率的にやるといっても、できる仕事量には限りがありますよね」とも。
道端に座ってる人も結構いました。
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■高岡望『日本はスウェーデンになるべきか』PHP研究所,2011年.
行きの飛行機で読んだ。さっと読めすぎて、大半の時間はメール書いたり資料読んだりしてました。
外交官(のちょっと高めな視点)から見たスウェーデン。今回の仕事には直接関係なかったものの、歴史、気質、社会保障の仕組みなど参考になりました。
■池内恵『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』新潮社,2016年.
■ジョイス,J.(バラエティ・アートワークス画)『ユリシーズ まんがで読破』イースト・プレス,2009年.
こちらは帰りの飛行機。
これもさっと読み終わってしまいました。
そういえば、スカンジナビア航空のメシはそこそこよかったです。
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で、時差ぼけによって2時に目が覚め、この時間↓にこれ書いた次第。