散歩がてら、新中野の銀龍まで。
も、ほんとに街の中華屋さん。チャーハン650円。
いや、これでいいんですよ。
どうたらこうたら蘊蓄たれながら高いチャーハン売ってるところもありますが、弊管理人はこれで十分です。というか、好き。もうちょっと近かったら通う。
* * *
今週は平日に1日休みをいただき、上野へ大英博物館展を見に行ってきました。
同行友人に連れて行っていただいた肉の大山で、メンチカツバーガー。
アハーン、うまい。あと、夕方までサワー半額の160円でした。立ち飲み。
そこから大統領に流れ、19時には沈没。
* * *
話は前後しますが、昨日土曜は趣味:仕事=7:3くらいの気分で東大先端研のキャンパス公開を見にいきました。工業デザイナーの山中俊治氏の研究室が3Dプリンティング技術を使ったスポーツ用義足の展示をやっていて、それを見るのが一番の目的。もちろんこちらもお仕事の下心込み。
ちょうど、ソニーエンジニアリングでJust earという個々人の耳の形に合わせたイヤホンのプロジェクトをやった松尾伴大氏と山中氏のトークイベントをやっていたので、聞いてきました。
以下、記憶頼りなので不正確かもしれないメモ。
3Dプリンティングを使ったスポーツ用義足は、足の形をデジタル計測してデータに落として作るので、個々人の足に合った義足を比較的簡単に作れるだろう。しかも美しさを伴わせたい。そういうプロジェクトで、現在はナイロン製の試作品ができた段階だが、これからアスリートの疾走に耐えられるくらいの強度を出すなど、改良をしていく予定のようです。
Just earも発想が似ていて、耳の形がどうも既製品のイヤーピースに合わない人が結構いるらしい、そういう人達に向けた高い装着性のあるテイラーメイドのヘッドホンとして開発されたそうです。
それで思い出したのですけど、うちの父も「カナル型のヘッドホンは耳にはめてもぽろっと取れちゃう」といって古ーいやつをずっと使っていたのでした。山中氏も合わないほうの人らしいです。
耳の形はほんとに色々、しかし製品はだいたい標準的なところを狙ってデザインされているために、合わない人がそれなりに出る。弊管理人はSONYのヘッドホンを使っていますが、製品に付いてくる大中小のイヤーピースのまさに「中」がぴったりはまる非常に標準的な耳(?)をしているため、全くこういう問題に気付かなかったのでした。しかも実際合ってない人が身内にいるっていうのにね。
Just earは型をとって職人が成型して、と結構な手間をかけるため30万円とかするらしいのですが、3Dプリンター方面のものづくりは今後、もっと安価になるのではないでしょうか。似通ってはいるけれども多様な形をした人間集団を前にして、しかし一応これが標準的だろうという層を狙って作り、あとの「不適合な人達」には製品の形のほうに体を合わせてもらう、というちょっと無理のある製品作りから、一人ひとりに合った製品作りへ、という流れが加速すればいいねと思いました。
そしてこういう取り組みは、マイノリティとマジョリティの関係を変えていくことになるんではないでしょうか。
マイノリティがそもそも不可視だった段階から、「合わない人がいるのは分かるんだけどなかなかね」との諦めを経て、現在は「合わない人にもできるだけ対応しようぜ」というくらいまで来ているような気がする。
でもこれではまだ、気を遣われるマイノリティ/気を遣うマジョリティ、という二分法から脱出できていない。
もし技術的な困難によって先に進めていないのだったら、今後カスタムメイドが容易になって、個人間の微細な差に対応できるようになれば、「みんなそれなりに違う」という考え方が浸透して二分法が解体し、やがて差異そのものが意識されなくなっていくんじゃないかと夢想します。
フロアとの質疑応答は時間がなくて1人だけだったのですが、それが非常にいい質問でした。
つまり、カスタムカスタムというが、人の体は日々変わっていく。子供は育つし、筋トレすれば膨れるし、使わなければ退化する。カスタムメイドはある一時点の人の体に合わせたもので、その一時点を過ぎれば次第に合わなくなるのではないか。むしろ、高さを変えられる机や椅子のように「アジャスタブル」な製品のほうに分があるのではないか。そんな質問。
松尾氏の回答は、カスタムを暫くやることで形の多様性に関するデータを積み上げる、それが将来的なアジャスタブル製品の開発に活かせるのではないかという回答。
山中氏はまさに義足でその課題を意識しているところで、しかし当面は「身体が変化したら変化した結果に合わせてガンガン製品を作る」という対応ができるんではないかというもの。
弊管理人は、スーツに吊し/イージーオーダー/フルオーダーがあるように、標準品/アジャスタブル/カスタムメイドは、お値段と使い勝手のバランスを考えて各人が選ぶべきカテゴリーとして併存していくんじゃないかな、と思いました。松尾回答はアジャスタブルをもっと使いやすくするためのアイディア、山中回答はカスタムをどうやって使っていくべきかというアイディアを語ったように思います。ただぱっと聞いた限り、なんとなくアジャスタブルが一番便利そうな印象を持ちました。もっとも、製品によってアジャスタブルに適したものとそうでないものがありそうですが。
* * *
仕事は忙しいわりにアウトプット低調。
かかってる手間のほとんどが「調整」という脇筋のことなのが悲しいところです。