■鷲田清一『大事なものは見えにくい』角川ソフィア文庫、2012年。
そのことばかり考えていた仕事が山を越えたところでやっと荷物から取り出して読み始めました。心のマッサージを期待して。そしてはっとさせられること多し。
一方、報道記者やお笑い芸人など、さまざまなしがらみ・力関係・構造に抗えないまま仕事をこなす小さきアイヒマンたちへの視線は厳しく、救済はそこにない。自分で自分のことを決められる幸せな人同士が共有すべき美学、と割り切ればいいのですけれど。
■ダーウィン(渡辺政隆訳)『種の起源(下)』光文社古典新訳文庫、2009年。
・現在の遺伝学から見てこの本に書いてあることがどれくらい合っているかという星取り表はどこかにないかな。
・ダーウィン以後のキーワードを超スピードでさらった末尾解説がイイ。これ、ふくらませて1冊にしてほしいくらい。