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もうダマ

■菊地誠ほか『もうダマされないための「科学」講義』光文社新書、2011年。

シノドスの人たちによる科学論講義集。地元図書館から「予約してた本が入ったよ」という報せをもらったので、借りてきて1泊出張の行き帰りで読みました。買わなくてもいいかなと思ったので借りましたが、まあそのとおり借りればいい感じでした(つまらなかったという意味ではない。それなりだが面白かった)。

科学と疑似/ニセ科学の線引きとか、科学報道の足りてないこととか、科学コミュニケーションが「あんたモノを知らないから教えてやるよ」から脱却するにはどうしたらいいかとか、そんなお話。やっぱりScience Studiesは実例に寄り添って展開すると頭に入りますね。これを難しくしたような『科学論の現在』(勁草書房)を並行して読んでたところですが、その理解の助けにもなります。
ところで、この本はかなり配慮されてるほうだと思いますが、報道批判は具体的に問題の記事を特定してやるべきで、「メディアは」とか「マスコミは」というのはなるべく避けたほうがいい。マスコミっていうのは代表者のいない多様性をはらんだ集団だし、メディアっつうとさらに広くなっちゃって話がもやっとしますんでね。

で、別にこれは本の価値を損なうものではないのですが、「斑目春樹」だの「表現系」だの「脅威の生命力」だのといった誤字は恥ずかしいのでちゃんと直してほしい(って前にもこんなこと書いたエントリがあったな)。弊管理人は一時期シノドスのメルマガを購読してたことがありましたが、ほどなくしてやめたのは、あまりに校正が甘くてイライラすることも理由の一つでした。

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2011年10月29日 23:13に投稿されたエントリーのページです。

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