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魔法の箱のはなし

閑話。

amazonて昔(成田に住んでいた4~6年前)、頼んだ次の日に着いたりしてて「すげえ」と思ったものだけれど、久しぶりに関東圏に戻ってきてみると、注文してから3日くらいかかったりするの、これなんで?本当はさっさと発送できるのにお急ぎ便と差別化を図っているのかしら。それとも気のせい?

閑話休題。

また審議会の話なんですが、学校教育って、そこにいろんな問題を投げ込むと解決する魔法の箱のように扱われることが多くて面白い。

臓器移植について学校で教えるべきだ(じつは保健体育で教えることはできるらしい)
予防接種について学校で教えるべきだ(教えた子が親になって自分の子どもに打つまで覚えてないだろうという気が……)
感染症について学校で教えるべきだ(よく知らない。でも性感染症は教えてるっぽくない?)
リスクコミュニケーションを学校で教えるべきだ(教えるほう、大丈夫かなー)
メディアリテラシーを学校で教えるべきだ(やってそうだけど、大学でよくねえか)
うんぬん、かんぬん。

だいたい何の話してても、人口に膾炙しないときの言い訳として「メディアの伝え方が悪い」と「学校で教えないのはけしからん」というのは出てきますね。大人になっちゃうと一堂に集めて教え込むというのはなかなかできないので、その中でもまだ大人が曝露することの多いマスメディアが思うようなトーンでニュースなどを作らないとイライラするというのはわかる。さらに大人になっちゃう前に教えときゃ効率がよかろうというお気持ちもよくわかる。

しかしま、新聞紙面もテレビの放送時間も読者や視聴者の時間も意外と限られてますし、日々の出来事も盛り込まないといけません。その点、雑誌ってこってり上手に一つの問題を扱うのに適しているんだけれど、「みんなが読む月刊誌とか週刊誌」って意外にないのが難点。あと、「メディアがメディアが」という批判の仕方は、応答責任を負う人がいないので、実は誰にも届いていない(「日本人てやつぁ」と言われてもムッとはしても国民を代表して応答する権限はないようなものです)。逆に、反論が来ないので手軽に溜飲が下がっていいかもしれませんが。

相対的にまだ言うこと聞いてくれそうな教育のほうを見ても、しかしメディアの場合と同じようなキャパシティ面での理由と、同じような代表者の不在の問題によって、教育という箱に向かっていろいろ投げてもなかなか入らないなー、というのが見ていて思うことです。文科省でやってる会議でないと、文科省の人が同席していることがそもそもほとんどないですしねえ。

ではどうしたらいいか、なんですが、よくわかんない。そもそもざくっといって過半数の国民が知ってることってそんなに多くないよな。
それはおいておいても、テレビコマーシャルはまだアリかなという気はします。予算のない中でやるならACジャパン(前の公共広告機構)の枠が取れると強いみたい。HIV/AIDSの分野は、これがなくなったせいで検査が伸びなくて悩んでいるという話もあります(ほんとかね)。特にHIVや結核など、状況が少しずつよくなってる(とともに、ハイリスクグループが特定されて社会全体の問題といえなくなってきている)案件で、大変だ、何とかしなきゃ、と思ってくれる人を開拓するのは本当に大変だと思う。
逆に、昨シーズンの新型インフルエンザのように、なんか(空騒ぎであってもいいから)大騒ぎする機会があると、意外にいろんなものが進んだりする(ワクチンの小児用量見直し、妊婦への予防接種推奨、国内ワクチン産業育成の必要性、感染症発生監視態勢の強化など)。
教育に取り入れられて何か進んだ例ってあるだろうか。思いつかないな。ええと、ええと、首痛い(まだ痛い)。

コメント (2)

e-com:

つ『「子ども」語りの社会学』w
教育というのは、子ども/大人のタイムラグを使って、問題を先送りにするレトリックでございます。

管理人:

手紙が届いた!w
本はやっと半分くらいまで読み進めてるよ!www

誰でも馴染みはあるけど、それがどうやって動いているか総体的に知ってる人は少ない→ブラックボックス化か。
あとは実務の人たちにどう言うかだなー(コワイ人多いし言う立場でもないから言わないけど)

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2010年11月01日 22:26に投稿されたエントリーのページです。

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