GWの札幌はピーカンに次ぐピーカン!
でも……
■湯浅誠、河添誠編『「生きづらさ」の臨界―〝溜め〟のある社会へ』旬報社、2008年。
会社に転がっていたのをお借りしてきて読みました。
ちょうど湯浅さんが直前に読んだ『不平等の再検討』に言及してまして「おっ」と思ったのですが。
今年の年越し朝生を見たときに「貧困問題」の複雑さ(論点の多さ)に圧倒されつつ、でもこの人たちの本を一冊は読まねばなるまいと思ってたんですけど、このとっつきやすそうな鼎談本でさえ「正規だが低待遇、と、非正規」「社会問題と個人の問題」「適応力の問題と精神疾患の問題」と、そうしたセットのはざまに落ちたケースへの目配り、など複雑に絡まり合って頭が過熱気味でした。
最後にそうしたいろいろな分野の活動をネットワーキングしていくことや、そういう活動に人が集まるための条件(参加しなくてもいい「退避場」のようなものの必要性)について言及されていました。
感じたことは大きく2つで、
(1)特に湯浅さんは「社会科学にもっと頑張ってほしい」ということを何回か言われてました。「学問対現場」みたいな、どちらかといえば味方同士の分断を回避する智恵って大事だなあと思ったのが一つ。
(2)もう一つ、救済の対象が「働きたくても働けない人」から「働く意欲がない人」にまで拡大しても、さらに「働く意欲を喚起するような救いの手を払いのける人」みたいな外部が生まれる、その「より遠いところにいる他者」はやっぱり救済するのか/どうして(how and why)救済するのか、みたいな疑問がもやもやっと浮かびました。それは「そんなヤツラはほっとけ」と思っているからではなくて、もし自分が支援側の当事者だったらどうしたらいいんだろう?という当惑。