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死別の永遠さに較べれば2週間は次の一瞬とさえ思えやしないか

思いがけず2週間を空けてまた東京に行くことになり。
2週間かあ長いねえという人に対して、自分の頭にこんな言葉がひらめいた、「死別の永遠さに較べれば2週間は次の一瞬とさえ思えやしないか」。
結局言う機会はなかった。言ったとしてそれが内在的に理解してもらえる確信はない。

とても個人的な考えだが、人生において別れとは死別のほかにないと思っている。
仲違いも転勤も怠惰で会おうとしないのも、いずれもその気ひとつで再会を可能にする、一時的な別離にすぎないと思っている。
出会いと別れを対としてとらえるなら、出会いは無が忽然と有になることで、別れは有が忽然と無に帰することだ。

とても卑近だけれども、会社で行う送別会に―それが送別される側としてもする側としても―とても居心地の悪い感じがし、最近はそういう集まりに一切出ないことにしていた。それがどういうわけかは自分でもよくわかっていなかったが、先日降りてきた「死別の永遠さに較べれば……」の言葉をゆっくり咀嚼したとき、その理由がわかった気がした。

2週間をさえ一瞬と感受する。そんな時間感覚は、死別の経験以前にはありえなかった。そしてそのことに気付いたのは、「2週間かあ長いねえ」という言葉。いずれも自分の外部からもたらされた変化だった。

人と関わることはプラス・マイナス両方の感情の源泉であり、まあどっちにせよ消耗するのであり、しかしそれは必要な刺激でもあり、しかしひょっとしたらいずれにせよ他人を使った自分探しをしているのにすぎないのかもしれない。なんて思いながら牛乳を飲む夜ですばい。

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2008年09月16日 23:18に投稿されたエントリーのページです。

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