■東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生―動物化するポストモダン2』講談社現代新書、2007年。
ライトノベルやゲームといった作品の中の世界と、作品を読む/プレイするひとたちがいる外の世界。2000年代に登場したいくつかの作品では、「中の世界」で完結するのではなく、「外の世界」の構造(プレイヤーというものの性格、プレイヤーが置かれているポストモダンの世界、オタクというものの特質)をその中に取り込んでいる。それをふまえれば、こうした作品群の批評では「中の世界」内での整合性や「外の世界」と対比してリアリティを語ったりしているだけでは不十分で、「外の世界」の構造・を・織り込んだ「中の世界」のあり方について分析する必要がある、ということ。かな。
いくつかの作品を具体的に分析しながら話が進んでいきます。あらかじめ読んだりプレイしたりしてから読むとすっと入れるかもしれない。自分は何年か前に本書で取り上げられている「AIR」というゲームを妹からもらって(!!)やったことがありましたが、それ以外については本書で紹介されたあらすじから内容を推測しながら進むことになりました。それにしても分厚いねー。