六本木に先月オープンした国立新美術館に行ってきました。
黒川紀章氏の設計になるという建物の内外では田吾作どもがこぞって写真撮影。
そしてワタクシも。
開館記念展「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」を見ることにしました。
20世紀を「モノ」の世紀と位置付け、「モノ」をめぐる諸相をけっこうな物量の展示でたどってます。絵画ばかりでなく、映像や立体などの作品も多くて楽しめました。
むかーし読んでたポストモダン系の本でよく言及のあったデュシャンの「泉」を初めて見て、あ、そうか、便器は寝そべっていたのか、と今更な発見。それから、リキテンシュタインのデザインは、スクリーントーンとかにありそうな模様をちゃんと手書きしているのに感心。
あとは、石が床に並べてある作品とか、七色に塗ったガラクタが床にちりばめてある作品は、これって並べ方の仕様書とかがあるのかしらんと興味深かった。250トンの重さでプレスした食器などの銀製品が床から10センチほどのところに吊られている作品(コーネリア・パーカー)はなんかきれいで好きでした。
それにしてもなんで静物っていうと瓶ばっかなのかね。まあいいけど。
「モノ」がキーワードになったのは、記念展の会場に入ってすぐ目につく挨拶文にもあるように、この新美術館が独自に美術品(=「モノ」)を持たない美術館であるということと深く関わっている。友人はまさにその点について、「田吾作に美術品を見せるのが美術館の主目的ではない。自館の収蔵品の保存・修復によって文化遺産を守ることが美術館の存在意義なのに、なんなんだ金かけてこの”ハコモノ”は」と嘆いて見せた。正しいと思う。