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おうちをさがす(長文)

この中途半端な時期の土日に、ちょっと実家に帰ってました。
夏の帰省の際のエントリにもちょっと書きましたが、田舎の公務員宿舎に独り暮らししている父が1年半後にひかえた退職後に住む家を探しています。で、父の高校の先輩かつ役所の先輩(既に退職)が住んでいる北アルプスのふもとの町にいくつか斡旋できる土地があるので息子と一緒に見に来ないかと誘われたそうで、お呼びがかかった次第。

父は亡母の側の籍に入っている婿養子です。もともとは将来、母方の実家に夫婦で入って暮らす心づもりはあったのではないかと思いますが、しかし予定外なことに母は故人になってしまい、そのうえ、母方の実家に独り暮らしのばあちゃんを見によく母の姉(弊管理人から見て伯母)が訪ねてくるのが嫌で寄りつきたくない気分になっている(ただ弊管理人が見るところ、まだ現役で働いている父の職場は母方の実家からは離れたところに住んでいるので、伯母はばあちゃんの様子を見てくれるのは有り難いこと。父はたぶん伯母と根本的にフィーリングが合わない)。

父は高校を出て大学に入ろうと東京に出てきたものの、新聞奨学生をやってる間に体をこわして郷里に戻り、19で就職して23で結婚、25で長男(弊管理人)を設けて50前に手が離れ、50過ぎてやもめになるという駆け足の人生イベントをこなしきり、ここ数年でまだある収入の使い先ががくんと減って貯金もできたらしく、退職金もあてこみつつ、退職で宿舎を追われたあとの住み処を探していました。やれあちらの物件はどうかこちらはどうかという話はここ何年かメールや電話で聞かされていましたが、弊管理人と同じ、意外と気のつくAB型の父がこちらの仕事中に電話をかけてきて「一緒に見に行こう」なんて話をするものだから、今度はかなり本気度高いぞ、とこちらも身構えました。

まず、弊管理人は結婚する予定もする気もないので今後家族が増える可能性は相当低いこと、仕事は在東京あるいは全国転勤なので郷里に定住するとしてもおそらく30年後であること(老老介護がひたひたと……)、知り合いがいないなどデメリットはあるもののその気があれば退職後に東京で同居の選択肢もあること、母方の実家ももう一度検討すべきであることなど、焦って決めないよう諭すことも含めて弊管理人が数年来思って断片的に口にしてきたことをまとめてメールしておきました。

そしてわりと温かい土曜、山脈の麓の町でいくつかの土地を見ながら父の先輩の話をいろいろ聞きました。
近年、東京から移住してくる人らが増えて中学校がひとつ新設された、頭はいいんだろうが口ばっかりで地域の仕事をやらない、幼稚園でも役場でも要求が過多で困っているという新住民評。でもまあ、一方の土着民のおつむのレベルも低いと返す刀でばっさり。あそこの3軒、右端と真ん中はいい人だが左は意地悪。標高が低いこの辺は災害もないし雪も降らないからいいが、もっと山のほうにある温泉地のほうの別荘街は雪は積もるし、農業やっても猿が全部持っていってしまう。熊も出る。でも温泉の権利とかの絡みで地元不動産はまず山のほうを勧める。住んでみたけど合わなくて、あるいはローンが払えなくて空き家がけっこうある。など、など。リトリートっていざやるとなると大変ですねと思いながら、まあ世話焼きで時々うるさいかもしれないけど、こういう知り合いがいる土地なら買ったっていいんじゃない、という気にもなってました。

その町を辞して父と宿舎に戻るともう夜。動けなくなっていくことを考えれば市街地がよかろう、畑がやりたいなら通えばよかろう、どうせ畑に通えなくなるくらい弱れば耕作もできなくなっているだろう。でもまあ、あの土地を買うのもアリっちゃアリ。そんなことをいろいろ話しているうちに「まあ年金がフルに出るまでの5年くらいは息子のところに転がり込んでもいいかなー」「諦めて今ある家(母方実家)もありかも」などと言い始めたのが意外でした。
誰にも頼らないと意地をはって高い金出して家を買って生活費を案ずるより、息子を頼ったり伯母対策をした上で母方実家に住んだり、買うとしても中古の安い家にするなりして、お金をソフト面の消費に回したほうがQOL高いんちゃうか、という話もしましたが、そのあたり少し沁みてきたのかもしれない。

そうこうしているうちに秋が深まり、冬が過ぎて早春にはタイムリミットは1年になります。来年末あたりには2LDKに引っ越しかなー。

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2010年11月15日 23:14に投稿されたエントリーのページです。

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