7月だ。7月。今年前半、何をしてたか思い出せない。
そんなにびゅんびゅん過ぎた感じはしないけど、これ以上速かったらすぐ死んじゃいそう。
在DCの公的な立場の人たちは異動の季節です。
6年という長期にわたって、ある世界に君臨してきた人の送別会は事務所のルーフトップで催されました。150人くらい集まったとのことです。
アポイントとろうとしても会えなそうな人もちらほら客として来ていました。
当日着いたばかりという後任が挨拶。米国勤務経験はあるようだが、やはりまだ英語モード・アメリカンスピーチモードになっていなかった。「着いたばかりでよくわかりませんが仲良くしてください」ではなく、自分は具体的に何ができる人か/あなたがたと具体的にどういう案件で関わると認識しているか/それは日本とアメリカの協働という広い文脈にどう位置付けられるか―を簡単でいいから一言ずつ言ってさっと終わったほうがいいんだろうなあと思いながら聞いていました。
英語堪能、明るく社交的、クリスマスはパーティー行脚、えらい人たちとカラオーキー、と余人をもって代えがたい人脈を築いてきた今日の主役に、はなむけのスピーチしたい人~?という呼びかけに、次々とマイクが回された。
スピーチしたアメリカ人の客が、後任に「big shoes to fillだけど頑張ってね」と言った。そこまできつい訳が適当かは分からないが、要は「この人の跡があんたに務まるか?」ということ。人ごとだが弊管理人は震えました。優秀な人の後任というのは、かくも厳しい。
あと、弊管理人含め、日本人は全体的に汚い(主役はさすが、ちゃんと華美でないがきれいな服を着ていた)。髪をきちんと整えていないし、歯が黄色いし、肌のケアをしていないし、上着を着ていなかったりする。しかし比較対象はアメリカの中でも上の方の階級の人で、特に互いを値踏みするコミュニティの中だということから、必ずしもフェアな比較ではないことも分かる。アジア諸国の同業者とか見ているとそんなすごいきれいにしているわけでもなく、以上のことは何か特殊な地域の特殊な階層の話なんだろうなとは推測します。
建物1階のパブで、もう1組の新旧交代者と一杯飲んで帰りました。
もうすぐ帰る人、着いたばかりの人。2年数ヶ月前、もうすぐ帰る人に「ここはホームになりますかね」と聞いたら「なりますよ」と答えられたのを思い出しつつ、両方の気持ちが分かる立場になったなと思いました。
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翌日も小さな送別ランチをやりました。ネパール料理屋で、モモとダルバート、あとネパールビールという名のマッコリみたいなお酒。
仲良くなったのか、そうでもなかったのか。よくわかりませんが、あちらから「最後にランチを」と言ってくれたので仲良かったのだろうと安心しておくことにします。
「ではまた半年後に東京で」といって別れました。
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3日。
5月に折れた歯の治療は、クラウンを取り付けて終了しました。
やっぱり合計2000ドルくらいした。できるだけ長くもってほしい。
前回回収し忘れた、折れた歯。「記念にくれませんか」と言ったら「あ、もうないです」と言われました。腕はいい先生なんだけど、そういうとこな。
そのあと出社したんですが、なんかすごい疲れていて、あまりちゃんと仕事をしないまま帰って、前日より少し早めに寝ました。
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大統領選挙の討論会のあと、振るわなかったおじい周辺がわさわさしています。
・歳なのは前から分かってたじゃん。大人の事情に囚われすぎ
・と同時にみんな目の前のことに囚われすぎ、で流れを作ったらなんとしても押そうとするのこわ
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◆栗田治『思考の方法学』講談社、2023年
同じ講談社現代新書の『創造の方法学』にタイトルを借りたかな。
モデルとかオペレーションズリサーチの話題を扱った本。原理と応用がコンパクトに示されていて参考になりました。
モデルの類型:
定性/定量
普遍(理学)/個別(工学)
マクロ/ミクロ
静的/動的
と、その使い方。ほかに、
使用上の注意につながるいくつかの概念:
正味現在価値法
埋没費用
パレート最適
伝統主義
フェティシズム(目的と手段の転倒)
官僚制の順機能と逆機能
ある程度経験のある人にとって、見聞きしたこと、考えたことを整理する手助けになると思いました。
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滞在33カ月満了、34カ月目。残り7カ月。