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家を売った

昨年11月の中旬に異動の打診を受けて、持っていた部屋を売りました。
結論からいうと、仲介手数料を引いても若干の利益が出るくらいの値段で売れました。5年間タダで住めて、おまけまでもらった形になってしまった。

以下その記録。主に胡散臭い不動産屋の説明と、それに対する感想です。

* * *

【11/22】不動産業者大手2社に連絡、実地を見ての査定予定を2件入れる

【11/23】M社の売却担当と賃貸担当が訪問

・マンションの査定は、その物件の特徴を点数化したものと、近隣の成約状況を一定の計算式に当てはめて行う
・直近この建物だと5階の向かい側がリフォームした上でxxxx万(値段伏せます)で売られている
・少し離れたところで6月に売れた部屋もxxxx万、そこよりここは立地がいいのでこれより高くは売れるはず
・この部屋は向きがいいのでxxxx万くらい。言い値で売り出すがxxxx万くらいかと
・居住用のマンションを売却する場合、利益(売却費用から購入費用などを引いたもの)3000万の特別控除があるので税金はかからないはず。手数料などが引かれた金額が手元に残る
・転勤後は空室になるので鍵を預けてもらえば内見には業者で対応する
・手続き上、本人がいる必要があるのは残金決済の時と売買契約の時のみ
・業者との契約は3種類の形態があるが、1社との契約を勧める
・契約すると広告を出して浸透まで2週間くらい。媒介は3ヶ月が1クール。それで売れないと価格を見直そうかという検討に入る
・物件が動くのは例年年明け~3月。それ以降は厳しい
・端数を負けることがほとんど慣習になっていて(xx80万ならxx00万で売る)、それを織り込んだ価格設定をする。つまり「実際はこれくらいが妥当」と思った価格に80万か180万乗せて売り出すことが多い
・セールストークになるが、先日フラット35で「居住用として買ったものを賃貸に出している」という問題が発覚してローン審査が厳しくなっている。これからさらに厳しくなる可能性があるので売却は早いほうがいいと思う
・マンションの値段は3.11後から上がり続けて、ここ2-3年は高止まりが続いている。2020年の五輪後に下がるかというと下がらないと思う。ただし物件は時間がたつほど古くなっていくことは考慮が必要

・賃貸はどうかというと、査定したところ月xx-xx万。ここから5%+振り込み手数料を引いた額が月々の振込額になる
・売却と違って築年数はほとんど関係ない。駅に近いというのが大きい
・いかに空室の期間を短くするかが焦点。通常2-3週間で契約に至る
・初期投資もかかる。例えばガス給湯器が古ければ使用中の故障は問題になるので先に替えるなど。エアコンは10年がめど
・壁紙は6年で価値が0になる

【11/27】D社の担当氏来訪

・長期譲渡 税率は利益の20.315%。次にローンを組む予定がなければ3000万の特別控除が受けられる。現に住んでいる状態から3年以内だと受けられる。3年以内にまた買うと住宅ローン控除(築25年以内、50平米以上の場合)が受けられない
・1~3月、特に1月中旬から3月初旬は物件が動く時期。探す人が多い。探す人は既に11月中旬~12月下旬にかけて物件を探している。この時期動く人は計画的なので実際に買う人が多い
・昨年12月に同じ建物でxx00万が出ている。年内はxx80万くらいで出したらどうか。xxxx万を超えると探す層が変わる(算定の根拠は示さなかった)
・視点:今近隣で売り出している物件で極端に安いものはあるか?→競合しそうな価格帯はない(1件あるが定期借地権)。タワーは別に考える。タワーというだけで上がるし、売れなくてもいいからゆっくり売るという発想で出している物件が多い
→適切な価格で出せば売れる
・売る形態は3種類(専属専任、専任、一般)。割合は専属専任が多い。一般は手数料が確実に取れないので広告に載りづらい、ネットで複数社から広告が出ていると見る側に「高いから?売れてないから?」と警戒心を抱かせる
・2000年代初頭くらいのマンションは今の新築より設備がいい。1000万で室内を作れたところが、今は1300万くらいになっている。バルコニーの壁にタイルを貼っていないなど経費削減で対応している。不動産屋自身も新築を買う人はほとんどいない

【12/7】専任媒介契約と写真撮影

・一通りの手続きが終わったあとで最後に「xxxx万はチャレンジ価格。下げるならがくっと下げたほうがいい」と言い出して疑問を持った。D社が「(高い値段を示した業者には)売る気あるのかと思う」と言っていたのに対して電話では「売る気しかありません」と威勢が良かったのでM社に傾いたのだが
・電話では「少し前に新宿御苑でここより狭い物件がxxxx万で売れたので現実的な価格だ」とも。こうなるとその見立ても妥当かどうか
・ということで再度電話した。「チャレンジ価格と言ったのはそこから値引き交渉があるという意味。伝え方が悪かった。xxxx万で売れたのは新宿御苑のxxx(伏せる)、31.58平米、2014年築。さきほど示しかけた見積もりは前の契約案件で違う話」と弁解あり。しかし「チャレンジ価格」ってそういう意味じゃないだろうよ
・あと、3000万の特別控除を受けるのに手続きは必要ないんですね?と確認すると「税理士に確認したら必要だった。来年引き渡しした場合は再来年の確定申告で、それは大阪でやればいいとのこと」との回答。これも話が違った。この担当氏、かなりテキトー。要警戒
・しかし契約はしたので、D社に断りの電話を入れる

【12/20】M社から買い手について連絡

・これまでに個人から1件問い合わせがあったが、資料送付後に連絡がつかなくなったとのこと
・それとは別に法人から1件の申し込みがあり、xxxx万を提示された。瑕疵担保責任を問わない、つまり売ったらそれでおしまいで、後から「風呂が」とか「水道が」とか言われないという良い条件つき。
・選択肢は「蹴る」「受ける」「交渉する」で、50万上げられるかどうかと聞いたら「10-20万では」との答えだったので、20万で交渉してもらう。ただし相手が「xxxx万以上なら断る」とならないようにという条件を付けた
・というのも、実は何件か「この値段なら」という打診があり、ほとんどがxxxx万台後半からということでこちらには知らせないでいたとのこと。xxxx万はD社の上限を超えていることもあり、実際のところこれくらいならという気がしたのでここで決めたいという気はした

【12/21】

・買主となる会社から担当の方が内見に来訪。エアコンと洗濯機は置いていっていいとのこと。中はきれいで問題ないとの評価
・不動産を仕入れて売ったりしている会社で、今年の仕入れが若干足りていないため今年中に契約したいとのこと。過去に取引実績があるかと聞いたら「ある」。信頼性のある会社ではあるそう
・契約は「社印が持ち出せないので会社に来てほしい」だそうでM社の最終営業日の23日に行くことになった
・ちなみに、12月末契約、引き渡しは2月末を希望された。いいんだけど、この日程の場合確定申告はいつやればいいのかという問いに「2021年でよい」との答えだったが、また訂正が入った。税理士に確認し、2020年と2021年が選べるとのこと。つまり、契約時をとるなら2020年だが、全額を手にして引き渡した時をとるなら2021年で、どちらと解釈してもよいということ。どうも知らないことをぱっと答えてしまう危うさのある担当者だと思った

【12/23】

・買い手の会社に行って売買契約。出がけに通帳記入したら手付けが入っていた
・2時間と案内されていたが30分で終了。M社の担当氏が契約書類の説明をばんばん飛ばすので「読まなくて大丈夫?」と聞いたら書類を2つ忘れてきていることが判明。「あとでレターパックで送るので、サインと捺印して直接買主さんに送って下さい」ほら出たよ……
・大丈夫かなと思いつつ第一段階は終了。引き渡しの2/28に東京に来ることになった

【2/28】

・2月後半はむちゃくちゃ仕事したが、決然と大阪から東京へ。M社の担当氏から当日朝になって「行けなくなったので別の人間が立ち会う」と連絡。もう驚かないけどな

・代わりの担当氏と待ち時間に立ち話
・M社は物件やネットワークがいろいろあるので、取引のあった法人にも「こういう物件が出た」という通知をする。今回はそれで、わりと高く買ってくれる傾向のある会社が手を挙げたという次第(もちろん満足して契約しているが、しかし、それでもあの調子のいい担当者が出した見積もりより若干低かった。つまり相当盛っていたのだ。媒介契約を取るためだろう)
・例年物件がかなり動く時期だが、新型コロナでかなり鈍い。外国人が行き来できなくなっている影響がある。このところの物件値上がりは外国人によるところが多かったので
・正直、これで五輪を迎えるとどうなるかは分からない。どーんと下がることはないと思うがじりじり下がっていくのかもしれない
・偶然ではあるが、いい時期に売却されたと思う、とのこと。弊管理人もそう思います

・で、手続きは司法書士に登記の委任をし、引き渡しの書類にハンコをついて、鍵を渡して、買主さんからの振り込みをその場で携帯で確認して40分ほどでおしまい。
・で、新幹線に乗って帰ってたらM社の担当氏から電話が来て「レターボックスの開け方を聞くの忘れたので教えて」と。「新幹線なのでメールする」と伝えて回線断。で、メールしたら返信で「宅配ボックスの開け方は……」ほんと最後まですんなり行かないな、この人
・新宿の部屋は2014年11月に買って5年ちょっと。とても便利な立地なのと、廊下がほとんどない合理的な間取りが好きな部屋でした。もっと住みたかったんだけどね。さようなら

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2020年02月28日 20:45に投稿されたエントリーのページです。

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