« 2015年11月 | メイン | 2016年01月 »

2015年12月 アーカイブ

2015年12月28日

戦後入門と70年暮れ

■加藤典洋『戦後入門』筑摩書房,2015年.

『敗戦後論』が出たのが大学生のころ(1997)で、何やら弊管理人の出ていた授業界隈がとても騒がしくなったのを思い出します。「国内の300万人の死者への弔いことを土台にすることで、アジアの2000万人につながることができる」という加藤の主張に論争を仕掛けたのがその授業をやってた先生だったためか。ドミニク・ラカプラのテクストを読んでacting outとかworking through(徹底操作)とかのことを習った記憶があります。それは面白かったのですけれど、弊管理人は論争を丁寧に辿ってはいなかったな。そんなことを懐かしく思い出しながら。

第一部の始めに書いてあるように、この本は(1)日本の対米従属の起源」、それを「日本人がなるべく考えない/語れないようにしてきた経過」を探り、(2)で、どうすればいいかを考えるのに割かれています。
それは、ごく短く言うと、
・帰依する先として「普遍の皮をかぶった特殊利害=米国」を選び続けてきた戦後を脱すること、
・しかし、戦前とのつながりを復活させるローカルな方向、ナショナリズムに向かうのではなく
・ほんとうの普遍→国際主義の理念→国連を国際社会への窓にするべきだ
という話と読みました。

こうした米国の描写は、大澤真幸の「帝国的ナショナリズム」を想起します。「超越的な第三者」をどこに求めるかという話かもしれない。話の流れとしては腑に落ちます。というか、第一次大戦からの流れが整理・解読されていく様子がとても勉強になります。しかし、提言部分で期待が表明されている当の国連は、その期待される役割に相応しいものかどうか。あるいは、相応しいものに改革できる可能性があるのかどうか。

2015年最後の本になりました。11月末に出張先の福岡で何気なく買った600ページの新書は、仕事納めをした28日の帰りの電車でやっと読み終わりました。
それにしても、通勤中に読んでる本に「対米従属」「憲法九条」などの言葉がちりばめられていると、多少周りの目が気になります。そういう「気になる」の淵源もまた、この本の中に解説されていた、のかな。

* * *

2015年はあまり古い本に手を付けず、時事問題に関係のある本と新書(特に分厚いやつ2冊)にかかずらいながら過ぎてしまいました。

2015年12月27日

年末

昼飯は新宿御苑駅の近くの「カロッツァ」。
前菜3品とサラダ、パン、コーヒーか紅茶が付くパスタのランチが1200円(前菜つかないやつは900円)。
おじやに見えますが、ホタテとほうれん草が入った、つぶつぶのパスタです。
151227carozza.jpg
なんか手の込んだものが食べたい気分の時によいです。
内容的にもなかなか値打ちなのでは。
近くにあるwillという有名なハンバーグ屋は長蛇の列でした。一方こちらは食べログの評価が高くないのでゆったり飯が食えます。

* * *

昨日の夢は卒業した小学校が舞台で、核爆弾が破裂して火傷するというお話でした。なんだそれ。
今、原子力関係の本を急いで読んでいるので、そのせいでしょうな。

今日の夢は、久しぶりに亡母が登場。既に療養中の場面でした。でも結構元気でした。

* * *

クリスマスが過ぎると急に年末になるのを忘れてました。

2015年12月19日

お弔いなど

4月の日記に書いた友人が今週、亡くなりました。享年32。

がんの再発が分かってから入院して薬物治療を受け、しかし夏にはそれも終了し、退院して自宅療養になっていたようです。だいたい亡くなる3カ月前が投薬をやめる判断の時期だという腫瘍内科医の意見を聞いたことがあります。ひょっとしたらそのころ、余命がついていたのでしょう(余命は当たらないことも多いのですが)。

ちょうどその前後に病院にお見舞いに行き、退院後も、経営している飲食店に本人が短時間顔を出したところに鉢合わせたりもしました。ツイッターは亡くなる3日前まではやっていた形跡がありますし、LINEもわりと最近まで会話に混ざったりしていたので、ご無沙汰だったところに突然の訃報、というタイミングではありません。頭のどこかで「いつかは」と思い続けていたことがとうとう訪れたという感じ。
最後はお店の関係者や恋人が駆けつけて、彼はそれらの人々の顔を見てから息を引き取ったそうです。

本人については当然、極度に切ないです。しかし、仕事を抜けて行ったお通夜で、初めて見る彼のお母さんが棺桶をのぞき込んだシーンが、弊管理人には最もきつかったです。こぢんまりした斎場には友人たちが入りきれず、外に列が伸びていました。誰もショックがでかかったようです。それはそうだろう。健康とか気にせず食って飲んで、10年後、20年後のことを普通に案じることもできる年代でまさか、というね。

一方で、周囲からのケアと励ましに包まれて最後の数カ月を過ごせたことはいかにも幸せだった、といってはいけないでしょうか。弊管理人も棺桶を覗きましたが、うまく顔を作ってあったであろうことを差し引いても、安らかな表情に見えました。180センチ強、120キロ強の巨漢でしたが、闘病闘病でやつれた感じでもなく、「顔を近くで見るのは久しぶりだけど、相変わらずでかいね……」とちらりと思ってしまいました。

* * *

お弔いのあと、コミュ障仲間のお友達と、門前仲町の斎場の裏にある「ディデアン」に行きました。
結構前から行きたいリストに入っていたのですが、門仲に来る用事がなかなかなくて。
正調のマルゲリータ。
151219didean.jpg
うんめ!

なぜかカレーはインドカレーっぽい外見のタイカレー風味。
これも大変おいしかった。ケフィアがつきました。

* * *

別の日のランチは東京駅近くの東京ビルに入ってるタンメン「トナリ」で。
151219tonari.jpg
太麺と濃いめのスープがグーーーー。
これまで、このビルはほぼインデアンカレー一択(つるとんたんは毎度行列していて入れない)でした。選択肢が増えた。よいことだ。

2015年12月13日

渋谷餃子

日中20度になって街に3月下旬のような匂いが満ちていた金曜、朝から翌日未明まで職場にいたため外の記憶がない土曜を経て、日曜はしとしと寒い雨が降ったり止んだり。
昼飯、何か……と思って新宿西口方面に出ました。
適当に入ったお店、「渋谷餃子」でW餃子ランチ、780円。
151213shibuyagyoza.jpg
焼き、揚げ、水から選びます。「半分ずつ焼きと水にできます?」って聞いてみたらOKでした。
薄皮餃子、好きです。ニラ、ニンニク抜きもあるのですが、そんなもん選びません。
夜に至るまで自分の呼気がおいしそうな匂いになるので、長く楽しめるランチです。
新宿御苑のほうの福包は応分以上に混むことがあるので、バックアップとしていいな、ここ。

* * *

さて、どうして西口方面に行ったかというと、ヨドバシカメラで腕時計を買うためでした。
先週、泥酔して自転車に躓いてこけて膝から流血したりしていたのですが(ダメなじじいになってきた)、翌朝、腕時計がなくなっていたのでした。方々探したのですが見つからず、といって結構時間を気にする生活をしているので不便で、急ぎ買うことにしました。

今までスイスのMONDAINE(モンディーン)というメーカーの時計を使っていました。
すごく視認性がよくて、ゴテゴテしてないので大変気に入っていました。しかし、電池式なので2年に1回は3000円くらいかけて交換せねばならず、なぜか飛行機に乗ると遅れるという不思議なことも起きるなど多少の「問題ね」もありました(←笑うところ)。

2代続けてMONDAINEだったので少し目先を変えたいと思い、今度はSEIKOが海外で売っているSEIKO 5というシリーズの自動巻を選んでみました。欲しかったカレンダーもついていて、ちょうどいい。
151213seiko5.jpg
店員氏によると、自動巻って、誤差が結構出るそうです。そこ注意点。
でも、いきなり電池が切れて止まってました、電池交換に1週間、みたいな事態は避けられるので、まあいいか。

メンテナンスいらずという意味では、最もいいのは国内メーカーが作っているソーラー+電波なのですが、ちょっとケースが分厚くなるんですよね。CASIOにはまだスリムなやつがあったものの、腕に当ててみてもどこかしっくり来ませんでした。

というか、知らないうちに物をなくしてるのはだめだな。気をつけよう。

* * *

今月の「現代思想」の特集は見田宗介=真木悠介でした。
この方、孫弟子いないのかな。

2015年12月06日

エリックサウス

大阪に住んでいる大学時代の友人から、仕事で東京に来ると連絡があったので、東京駅で待ち合わせして、八重洲地下街のカレー屋「エリックサウス」でランチをしました。
151206ericsouth.jpg
うーん、おいしいし、おなかいっぱいになります。近くにあるダクシンは休日のランチがかなりの強気価格なのですが、こちらは1000円ちょいで収まるのでいいと思う。あと、地下街のかなり外れのほう(日本橋寄り)にあるせいか、あまり無意味に混んでないところも有り難いです。
このお店の名前はずっと知っていて、行きたいと思っていました。一体誰に教えてもらったんだっけな。

友人は仕事で画像認識関連のことをやっているので、今年随分盛り上がった人工知能について聞いてみると「言われてるほど新しくないんだよ」と。いわく、新しい分野は

 ・英語で本が出たらピークアウトの兆候
 ・日本語で本が出る頃には、おいしいところはもうやり尽くされてる
 ・ブルーバックスが出たら、まとめ

とのこと。ははあ、このメルクマールは分かりやすい。
それで思い出しましたが、一昨年だったか、物性物理をやっている大学時代の別の友人(私大准教授)に、日本人がノーベル賞とるかなって騒がれている分野のことを聞いたら、

 「あれはもう先がないことがはっきりしたよ」

とバッサリいかれたことがありました。
仲間以外を褒めない人種だと思っているので割り引いて聞いてはいます。でも、こういうことは雑談ベースでインサイダーに聞かないとわからんです。

食べながら話していると、友人は「最近、友達が減ってきてる気がする」とこぼしました。
大学のときの友人たちと疎遠になっているということのようでした。このランチも旧交を温める機会の一つだったのでしょう。
そういえば弊管理人もここ2~3年、ずっと会ってなかった学生時代の人たちと会ったり、留学中の仲良しと会ったり、よくしてました。なんかそういう「暫く会ってないし、折角なら」と思う時期なのかね。

* * *

11月下旬のことですが、おいしかったものいろいろ。
151206ringonado.jpg

実家から送られてきたリンゴ、今年は当たりでした。
甘みと酸味のバランス、歯触り、すべてハイレベル。

友人からのお裾分けで「治一郎」のバウムクーヘンも良。

片面が黒い焼き芋用アルミホイルを使って、トースターで安納芋を焼いて食べてます。
この冬はこれで焼き芋を楽しみます。

* * *

割れた顎は結局、膿んだりすることもなく1週間後に糸を抜きました。
患部が自分で見えないので何針縫ったのかは分からないのですが、パチン(糸切った)スー(抜いた)を数えていたら3回でした。多分3針。ということにしておく。

さらにその後の1週間でかさぶたが一部できて、指で触っても大丈夫になってきました。
肉がまだ硬くなっている?感じがします。

そうしたら昨夜、今度は酔っぱらって歩いていて、路上に倒れていた自転車に躓いて膝から流血しました。懲りない。
絆創膏を貼るくらいしか必要なさそうな怪我です。顎も骨や関節には特に影響なかったようで、いずれも不幸中の幸いといえるでしょう。
しかしこれはハインリッヒの法則でいうところの「軽微な事故」相当なので、この流れで大けがをしないように注意しようと思いました。


* * *

細かい仕事にちょこちょこと手を着けすぎて、わりと疲弊した1週間でした。
しかしやることを箇条書きにして大体さばき、懸案だった大きめの案件は「お断り」することでリストから抹消し、週後半には一息。土曜に入れてしまっていた朝からの仕事も、金曜の夜の仕事が未明に及ぶことが分かった時点で果敢にキャンセルして正解でした。午後には新しい仕事を入れちゃったけど。

About 2015年12月

2015年12月にブログ「すべりどめblog」に投稿されたすべてのエントリーです。新しいものから過去のものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2015年11月です。

次のアーカイブは2016年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35