« エピジェネ | メイン | アンコール・ワット »

本を読む

弊管理人と本とのおつきあいを、自分用メモを兼ねて書いておきたいと思います。

【なぜ読むか、何を読むか】

弊管理人はもともと本を読む習慣はありませんでした。中学の時にはあまりに本を読まなすぎて国語の成績を下げられたほどです。親は結構活字を読む人なのですが、どうしたことでしょう。

それでもするっと大学に入りました。ところが、周囲の、特に東京の私立・中高一貫校から来たような同級生たちが、入学直後の自己紹介で「好きな作家はジェイムス・ジョイスです」「ポスト構造主義に興味があります」などと意味の分からないことを言っていたのに衝撃を受けました。

文献を読んで発表をする練習となる必修の授業でも
  せんせ「では感想をどうぞ」
  弊管理人「えっと、難しかったです……」
  せんせ「あ、はい。次の方」
  次の方「この議論にはマイノリティという視点が欠けていると思います。云々」
という教養とお作法の差を経験し、とりあえずいろんな本を手に取るようになりました。

しかしそれで最終的に追いついたかといえばそんなこともなく、放任気味な大学生活の中で勉強やアウトプットの仕方を習得せず、必読書とされるものをきちんと読まないままテキトーな卒論を書いて卒業してしまいました。
結果、不足感とか、やるべきことをやらないで通過してしまった後悔が残った。それが今に至るまでなんとなくページをめくっている動機かなと思っています(追記:動機「の一部」です、たぶん、反芻してみると)。でもま、それでも本好きというほどの読み方ではないんですけど。

在学中や就職してしばらくは、次の理由から、新書や新進の著者の本をよく読んでいました。
・新しい本は、古い本を踏まえて書いてあるのだから、新しい本のほうによりよいことが書いてあると思った
・概説書は、必読書を要約して書いてあるのだから、概説書を読むほうが効率がいいと思った

これはこれで速効性の利益はあったのですが、しかしどうも自分のものになってない感じもしていたように思います。特に日本語の本には碌な要約がなかった。

で、わりと最近になってやっと、古典は古典でちゃんと読もうという「忘れ物回収プロジェクト」を始めました。就職してから、何か情報を得るのに又聞きは危ない、本人に直接聞いたほうがいいという経験が重なったせいもあるのかも。何年続くか分かりませんが、
・特に分野を限らないで、ある本を読みながら「次はあれかな」と思った本を渡り歩いていく
・いい解説、いい訳、値段がお手頃、あたりをゆるく優先する
・でも偶然勧められた本やその時々に話題になった本との浮気を恥じない
・ついでに、ちょっと人に見せたい本棚を作るつもりで本を選ぶ
・焦らない、早く読むことを偉いと思わない
・ただし、一語一語にあまり拘泥せず、それなりのスピードで進むことも理解のためには大切
・どーしようもない本に当たってしまった時も、半分くらいまでは頑張ってページをめくる
というのを基本線にして進めています。

【本を1日どれくらいの時間、読むか】

生来まったく本の虫ではないので、手持ち無沙汰の時にしか読みません。
平日は通勤電車に乗っている間(20分×往復)が標準で、面白く読んでいる本なら仕事中にちょっとできた待機の間にも読みます。
休日はどこかに出掛けようと電車に乗った時に読みます。ただし初めての土地の場合は車窓の風景に見入ってしまうので読みません。電車以外ではあまり読みませんが、ときどき喫茶店に入って読むこともあります。

通勤電車のペースに慣れたせいか、1回読み始めて注意が持続するのは20分くらいです。
それ以上読む時間がある場合でも、ちょっとツイッターを見たりとか、別のことをしてから再開します。

読むのも結構遅いほうではないでしょうか。文庫本の場合、電車の片道20分で10~15ページくらいです。

【どうやって読むか】

弊管理人が本を読む機会は大抵メモが取りにくい(電車の中とか、ふとできた時間とか)ので、妥協して次のような手順を取るようになりました。ほんとはメモがいいんですけどね。

1 助走として、解説、あとがきを先に読む
2 本文を読み始める
3 この際、付箋を鋏で縦に3等分し、裏表紙の前のページにまとめて貼り付けておく
4 大切だと思ったところ、変だと思ったところに付箋を貼りながら読む(3、4は下の写真参照)
140622hon.jpg
5 頭の中にポンチ絵を描きながら読む。読み進めながらポンチ絵に修正を施す
6 解説、あとがきをもう一度読む。解説が役に立たない場合、手頃な解説書を別途1冊読む
7 弊サイトの管理画面を立ち上げる
8 ポストイットを貼った箇所に注意しながらを最初からもう一度ざっと読み、エントリを書く
9 書く内容は:本をどう理解したか(ポンチ絵を字にする)、どこが面白かったか、どこにイライラしたか、これまでに読んだ本と何か関連することがあったかどうか
10 本棚にしまって次の本を通勤カバンに入れる

この方法には、話の筋とその時の心境をざくっと掴み、それを記憶として固定し、後でもうちょっとちゃんと参照したくなった時に辿る、という作業がしやすい利点があるかなと思っています。
弊管理人は、1冊に深く関わるより、浅い読書を重ねながらイメージをだんだん濃くしていくタイプの理解をする癖があるようなので、こういうスタイルになったのかもしれません。1冊1冊について弊サイトに書きつける作業はインデックス作りのようなものと考えています。

ただし仕事用に読む本や書類はこの限りではありません。大抵の場合は厳密さとスピードが求められるので、頭の中ではなく、デスクでお絵描きし、シソーラスのようなものを作りながら読みます。あと、分かってる人と話して確認するという作業も結構やります。

弊管理人は「小説もビジネス書もほとんど読まない」「目的を持って読んでいない」「いつもぼっちで読んでいる」と、本とは結構特殊なつきあい方をしているので、誰かの役に立つとも思えませんが、一応こんなところです。ここ改善するといいよ、というような助言がありましたら是非教えて下さい。

* * *

2010年の終わりから3年半にわたって弊管理人のさまざまな悪事の片棒を担いできたiPod Touch、先週アスファルトに落とした際に画面にいっぱいひびが走ったのを機に引退となりました。実のところOSのアップデートが重なったせいか動作はかなり遅くなっていましたし、バッテリーもへたっていたので、いいきっかけだったのかもしれません。

後継は現行の第5世代iPod Touch。第6世代がもうすぐ出るんちゃうかという思いはありながらも、アップルのウェブストアで整備済み品(外装とバッテリーを交換した中古)が安く出ていたので買ってしまいました。深センから3日かけて来るのな。へー。
これで引き続き外でのメールもネットもiPodでできるので、ガラケーユーザーは当面継続です。iPodが軽い動作、ちゃんと1日もつバッテリーに変わって新たな悪事に手を染めることになりそうです。

* * *

夏至の土曜と今日は静かに過ごしました。
雨の朝だと明るくならないので長めに寝られていいっすね。

About

2014年06月22日 23:44に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「エピジェネ」です。

次の投稿は「アンコール・ワット」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35