今年も靖国神社の夜桜を見てきました。
2013年3月31日、2010年3月28日と同じ場所ですが、この写真は反対側を向いて撮ったものです。
朝から気温は高いのに嵐のような天気だったものの、午後には雨が上がって風もほぼ止み、この集まりでは初めて「暖かい中で」「満開の」桜を楽しむことができました。お酒を飲みながらぼーっと上を見ていました。
来年は桜が見られるだろうか?と根拠のない疑問がわいた今年でした。
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■黒岩麻里『消えゆくY染色体と男たちの運命:オトコの生物学』学研メディカル秀潤社、2014年。
遺伝子と性ホルモンの作用によって男、女がどう作られていくのか、イクメンやらイケメンやらはどの程度生物学的に説明できるのかといったことをチラ見させてくれる本です。「男」をつくるY染色体は退化を続けていて、いずれ消滅してしまうといわれていますが、既に消滅しながら男が生まれ続けている動物種もあり、そこにどんな裏技があるのかについても紹介されています。
このあいだ読んだバトラー本を思い出しつつ読むと、「精子を作るのがオス、卵子を作るのがメス」とばっさり定義づけてさっさと話を始めるのが妙に印象に残ります。これを踏み台にすると、性染色体をXXで持っているのに、性決定遺伝子が乗ったY染色体の一部がX染色体にくっついているために体がオスになっている状態を「性分化疾患」と名付けることができる。「疾患」もまたもっともらしい定義ができるはずで、いずれにしても言葉によって現実にまとまりが与えられていく。そう指摘したところで「はあ。そうですね。それで?」という感じがしてしまうこちら(生物学)の世界。隔たった二つの世界というよりは、ぴったりくっついた二つのレイヤーのよう。