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オンリー・ワン・ゲノム

■鎌谷直之『オンリー・ワン・ゲノム―今こそ「遺伝と多様性」を知ろう』星の環会、2009年。

あと1カ月ちょいで突入する2013年は、ヒトゲノムの完全解読から10年、DNA二重らせん構造の提唱から60年に当たる年。たぶん科学館や書店なんかでいろんな企画が行われるでしょうから、その前にちょっと手軽におさらいしておけないかなー、と思っていて図書館で出会ったのがこの本です(しかしこれは買って手元に置いておくべき本だった、というのが読後のちょっとした後悔)。

何がゲノムを構成しているのか、遺伝の仕組みとはどんなものか、1990年から2003年まで行われた国際プロジェクト「ヒトゲノム計画」で分かったことと、その知識をもとにすることでできてきたことって何なのか。という、遺伝学Geneticsとゲノム科学Genomicsのミソの部分を初心者むけに、図や例え話なども使いながら解説しています。

この本のいいところは、必要な術語を省略せず、しかしちゃんと解説しながら使ってるところです。「連鎖解析」とか「全ゲノム関連解析」(あるいはゲノムワイド関連解析、GWAS)とかって、ググっても出てくる文書が難しくて、かゆいところに手の届く解説にはたどり着けません(でした、弊管理人は)。が、この本の数ページで「あ、こういうものだったんだ」とアイディアを掴むことができた。著者は理化学研究所で最前線の研究を引っ張ってきた人なので、おそらく普段は正確だが相当難しい言葉で喋っているのではないでしょうか。でもそこにサイエンスライターが入って噛み砕き、構成をして、難しいけどゆっくり読めば分かる本に仕立てているのが成功の秘訣ではないかと思います。

このところ、近所の図書館に行ったときは青少年向けの本棚をさっとチェックすることにしています。特に理系出身でない弊管理人くらいだと、結局この棚のレベルが一番しっくりくるので(もうちょっと知るために教科書を読んだり、さらに細かいことを調べるために専門書に当たる足がかりにもなる)。
その際、ちゃんと実績のある研究者が著者になっているものを選ぶことが大切だと思います。

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2012年11月23日 15:03に投稿されたエントリーのページです。

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