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功利主義入門

■児玉聡『功利主義入門―はじめての倫理学』ちくま新書、2012年。

沖縄から帰ってくる飛行機と、昨日ちょっと買い物に出たときの電車の中で一気読み。
これ、たぶん中学生でも十分読める本だと思う。ものすごく親切に書いてあります。ベンサム(ベンタム)やミルの時代に提唱された「最大多数の最大幸福」というシンプルな原理がその後、どんな批判にさらされて洗練されながら、どんな流派を生み出してきたか。厚生経済学や社会哲学といったお隣の領域とどんな関係を持っているか。最近の脳科学などが「幸福」の中身をどう明らかにしてきたか(そしてまでできていないか)、といった、「功利主義の現在」がざっくり分かる。巻末のブックガイドも、易しいものからちょっと難しいものまで厳選して並べてあっていいですね。
個人的には公衆衛生政策(喫煙、予防接種、メタボ検診……)と倫理の関係に触れた第5章にすごく関心がそそられました。いま、この問題を扱った本を書かれているようなので、出たらぜひ読んでみたいと思います。

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2012年08月04日 10:05に投稿されたエントリーのページです。

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