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2012年04月 アーカイブ

2012年04月27日

分析哲学講義

■青山拓央『分析哲学講義』ちくま新書、2012年。

2012年04月18日

偶然の科学

■ダンカン・ワッツ(青木創訳)『偶然の科学』早川書房、2012年。
Watts, Duncan, Everything is Obvious: Once You Know the Answer, Crown Business, 2011.

それにしてもどうして、社会科学は社会のことを予測できないのだろう。
というのが、弊管理人の抱いている素朴で根強い疑問でありました。

「なんかおもしろそう」で特に内容も知らず古本購入した本書ですけれども、偶然にもこの疑問に共鳴してくれているような内容で、面白く読みました。

条件を統制して何回も行える実験や、比較的パターン化して何回も起こる出来事と違って、社会のことは大抵は条件を統制できず、成り立ちが複雑で、しかも歴史上に一回しか起きない。
何かが起きたあとにそれがなぜ起きたかを後付けで説明するときでさえ、起きなかったことと比較したりするのは困難なので「それが起きたのはそれが起きる条件が揃っていたからだ」というほとんど当たり前のことしか言えないことが多い。過去に起きたことをうまく説明できたとしても、それが未来に当てはまる保証がない。未来を予測しようにも、何が予測に値いする重要事項か(いつからいつの間に起こる何を予測したらいいのか)は事前に分からない。予測すべきことが分かったとして、ミクロのレベルのわずかな違いがマクロのレベルのとんでもない差を生んだり、予測したこと自体が結果に影響して予測が確定できなくなったり。とどのつまり生成していくのは「偶然起きたこと」と、それを追いかける「そう当てにならない後知恵」―。

で、じゃあどうすればいいかというと、今起きていることを測定し→対応すること。つまり現場に分け入って、よく調べて、その変化に迅速に対応するということだという。このアプローチをとっている衣料品小売のZARAの例。そして、ツイッターだのフェイスブックだのと、ネットでのデータ蓄積が進んできた近年だからこそ可能になった、膨大な情報の収集と解析。この技術状況は、測定だけでなく、低コストでサンプル数の多い「サイバースペース上で行う実験」さえ可能にしつつある。そこで得られる知識というのはすべてを支配する法則ではないが、少なくとも些末な個別の事象の記述よりは包括的な「(時間的にも空間的にも)中くらいの範囲が説明できる理論」なのかもしれない。そしてそのようなものであっても、ぼくたちがとらわれがちで、よく間違ってもいる「常識」を手放す道具になってくれるのかもしれない。

ダンカン・ワッツは1971年オーストラリア生まれ。理論応用力学で博士号。「スモールワールド現象」(世間は狭いって話)に関する研究で脚光を浴びた。コロンビア大学社会学部教授。

※訳、いいです!

2012年04月15日

Nokishita

まるで冬に戻ったかのような寒い雨の土曜日。
朝は駅前のマックでホットケーキ。
昼飯は味噌汁と、残り物のサバみりん、ほうれん草の胡麻和え、あとはシソ昆布と、キャベツと塩豚の酒蒸し。
食って歯を磨いて、本など読んでいたらそのまま午睡。

夜は本屋に行って、そのあと外食です。
Nokishitaのカウンターでひとり、唐辛子トマトソースのアスパラベーコンスパゲティ。
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これは初めてだけど、ここは何を食ってもうまいね。
今日は楽しく過ごしました。

2012年04月11日

老麺

神戸に日帰り出張。

とにかく時間がなく、昼飯は三ノ宮駅の喫茶店でカツカレー(特にうまくもなかった)、
夜はちょっとぶらぶら歩いているうちに元町「丸玉食堂」に着いた。

入り口にサンプルがなかったような気がするんだけど、見落としだろうか?
メニューもないので、店に入ってキョロキョロ。
古いけれどもカウンターや床はきれいにしてる感じ。厨房にはしなしなの野菜とか脂のこびりついた換気扇とか、そういう。
「何にしますか」
「何がありますか」
「何って……ご飯もの、焼き物、あとは麺とか……」
「麺だと?」
「汁そば、老麺とか……」
「じゃあ老麺」
といった要領を得ない感じで注文。
で、これ。
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くったくたの平麺に卵のあんかけがかかった食べ物。
はあ。ふーん。550円ならねえ。

2012年04月09日

だめ押しの桜

新宿中央公園

下から
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上から
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2012年04月08日

担々麺と桜

カメラ忘れたので携帯で撮影。くぅー(悔)

都内中心部のソメイヨシノはこの週末に満開を迎えたものと思われます。
というわけで六義園のデモーニッシュな夜桜。
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入場券を買うのに長蛇の列でした。結構寒かった。
ライトアップは8日まで。
ほんとうに短い、花の季節。

転戦しまして、
足立区は東武梅島駅の駅前、「担々麺と餃子 ふうりゅう」。
120407tantan.jpg
ごまの味わいが濃くて深いどろどろのスープが太めの麺にからみついて、とんでもなく調和した一つの食べ物になってしまっている担々麺800円と、種がぎっしり詰まった餃子、5粒550円。
おそらく担々麺に関してはこれがひとつの極致といっていいと思います。こんなとこにあったか。ううむ。

2012年04月04日

カレーと桜

押上駅から10分ほど、カレーの「スパイスカフェ」。
カレーに関しては弊管理人が最も信頼している錦糸町の「アキンボ」のマスターさんから、以前お聞きしたお店です。ちょっとアクセスに手間取るところにあるのでこれまで行けておりませんでしたが、今日はとうとう。

古いアパートを改装したお店で、道から玄関までの細いパッセージには鉢植えなど緑がいっぱい。
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14時までのランチタイムを外しましたが、それでも到着時は満席。
でもちょっと待って窓際のテーブル席に案内されました。
2種類のカレーとサラダがついてるセット(1350円、ライス大盛り無料)をオーダー。
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今回は辛口のドライカレーと、辛口のトマトのカレーをチョイス。
ドライカレーは秀逸です。もう一回言います。 秀 逸 で す 。
これは行ってその日のメニューにあれば絶対食すべき。
トマトももちろんうまい。
同行者は別の2種類を選んでいて、ココナツの野菜カレーとチキンカレーを味見させてもらいましたが、こちらもそれぞれに個性があって飽きない。
ここはいいなあ。そしてどっかの駅前などアクセスのいい場所にあったら絶対座れないお店。

大満足して、散歩しに隅田公園へ。
120404ohanami.jpg
一昨年の4月3日にも同じ場所に行って日記を書いたのですが、今年はやっぱりちょっと遅めかな。2年前にはこの半分強の高さだったスカイツリーも、はや来月オープンです。
今日の咲き具合は、花見には寂しいというほどでもなく、今週末には満開になりそうな、こう、勢いを感じる状態でしたね。

ところで桜といえば、一昨年に東大で社会学ワンダーランドという講義シリーズがあって、第3回では佐藤俊樹教授が自著『桜が創った「日本」』について話してます。iTunes Uで見られますが、どんな過程や方法で本を書いたかが明かされており、本を読んでからだとなお面白いです。ちなみに量的データの扱い方を話している第2回もお勧め。クリティカル・シンキング。今週前半、通勤電車の中で聞いてました。

今日は仕事を休みました。うんざりする仕事に区切りをつけたので、頭を換気しようと。

2012年04月02日

リスク

■Baruch Fischhoff and John Kadvany, Risk: A Very Short Introduction, New York: Oxford University Press, 2011.

去年はベックの『危険社会』がよく売れたらしい。
でもねー、5250円ですよ。文庫化してくれないかなあ。
それならamazon.comで……と思ったらこっちも結構高い。
それはそうだ。英語も翻訳版ですもんねw

リスクを定義し、測り、行動を決定する。
リスク認知はしばしば歪み、しかしそれを乗り越える方法もある。
危険を避けて、よいものを得る、ということは、まるごとその社会が何を大切で何が恐いと考えているかを反映しているのですね。
そんな論点をざっと見る本。

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