■岡田弘『有珠山 火の山とともに』北海道新聞社、2008年。
仕事絡みで読んだ本。
著者は北海道大学の名誉教授です。ついでに高校の30年以上先輩です。ネプチューンの堀内健が歳いったらこんな顔になるかなー、と思ってます。どうでもいいけど。
1977年の有珠山噴火のときに、当時プレートテクトニクスの研究者だった岡田氏が偶然現地入りしたことから火山学に転じ、以後国内外の噴火災害に触れながら減災の研究にハマっていく様子がものすごく細かく書いてあります。それが臨場感を醸していて、自伝というよりは良質のルポルタージュだと感じました。写真も迫力のあるものがかなり盛られてます。
2000年の有珠山噴火のときに、「一両日中に噴火する」と予言して住民を避難させた学者として有名になった人(昨年度に定年退官)。当時はテレビでその会見部分だけ見ていたのでわからなかったのですが、本を読んでみるとそれは霊感でもなく科学に基づいて出した判断だったということがよくわかります。
語り下ろしを字に起こしたのでしょうが、一般向けというには専門用語の解説がなかったりとちょっと不親切な部分もありますね。あと誤字も。まあこれは著者というよりは編集側の甘さ。