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答え合わせ2011

今年ああだこうだと書いたこと、結局どうだったか。

1月23日

で、きのう、とうとうバイクにETCをつけました。 夏に、支払い用にポケットに入れていた1000円札が高速走行中に飛んでいってしまい悔しい思いをした時から、取り付けを考え始めていました。年末には高速道路料金に関する国交省案が出ましたが、どうも一律無料とか一律料金とかに完全にはならないために、曜日や車種による複雑な判断を避けるとの名目で引き続きETCは割り引きを受けるために必要そうな雰囲気だったことに背中を押された気もする。 「とうとう」というのは、バイクの場合はETCの機械に耐振動とか耐水とかの機能が必要になるのと、おそらくマーケットが小さいために、取り付けにかかる費用が四輪の倍以上(3万-4万弱)になるため、それなりの決断がいるからですw

↑結局高速無料とかは絵に描いた餅になってしまい、ETC導入の経済的メリットはあまりなかった。しかしちょいちょい財布を出さなくていいのは楽なので、まあつけてよかったかなと。

2月24日

・日本でこんなことがあったら、個人情報保護がうんちゃらとか言って死者・行方不明者の情報が出てこず、安否確認が進まないんじゃないかとちょっと不安。

↑ニュージーランド・クライストチャーチの地震についてこんなことを言ってましたが、そのすぐ後にあった東日本大震災では個人情報保護どころではなかったですね。

4月18日

空気を読む力が自分にどれだけあるのかはかってみるため予測をここに書いておきますが、 今回の原発事故を経ても、日本はすぐに脱原発をすることはできない気がします。

↑さあて、今年一番の問題作。

・現時点では汚水をだらだら流しながらではあるが、水を原子炉に注入して徐々に炉を冷やすことができている。想定外の事故でポカが続いても、それでも一定の対処ができることは示されてしまった(電源喪失が長く続いても、指をくわえてメルトダウンを待つことにはならなかった)

↑メルトダウンの可能性は地震の翌日にはもう言われているので、たぶん上記日記は勘違いしてる。ただ手が付けられない状況→首都移転、みたいな状況の回避は確かにできたね。1基で格納容器爆発あるいは燃料プール瓦解で近づけなくなる→そのために他号機での作業もできなくなり、連鎖的に手が着けられなくなる→首都移転、みたいな「最悪の中でも最悪の状態」への分岐点はいろいろあったが、そこまでにはなってない。

・どうやら津波という一つの要因で複数の非常対応システムがイカレてしまったようなので、逆にいうと津波の対策をしっかりやればより安全だという論理が通ると思う。

↑推進の役所と事業者は結局、全くもってこの通りのことを言った。

・事故の検証は求められているしそのうち始まるだろうが、当然役所がその場を設定するので、「だからもうやめとこう」という結論ではなく「ここを改善すれば安全性が高まります」って話になるに決まっている。

↑確かに政府事故調はまさに「政府」が場を設定したものの、実務を担ったのは司法官僚だったので、出てきた中間報告書は刑事事件の冒頭陳述さながらの「そこまでいうか」的な後知恵による批判のオンパレードでした。弊管理人の見方が甘かったといえるが、しかし期待以上のものはでてきたともいえる。

・そのうち絶対誰かが「一人の命も奪われないまま得られたこの貴重な経験によって、原発の安全対策はさらに完璧に近づいたと、私はあえて非難を恐れず言おう」って言う。

↑おおっぴらにではないが、ある学者が言った。

・脱原発がいくつかの国で進むと、新エネルギーを利用できるほどの基盤整備ができてない国はとりあえず原油や石炭の争奪合戦に走るので、不安になって「やっぱり原子力」っていう合意は(一応役所と事業者をスケープゴートにしつつ)形成されやすくなる。

↑再生可能エネルギーのポテンシャルをやや侮ってた感はありますな。でも石油依存の度は、展望のないまま上がってるのが現状。経済界はもちろん、被災地から遠いところへ行くと「そうはいっても原子力」って言う立地自治体首長もいますね。

・福島第1はいま冷温停止の5、6号機まで含めてジ・エンド、だが福島第2はヘタすると再稼働(知事をどう説得するかが鍵)。5年以内の動きは、西日本はあまり危機感を共有していなさそうなのでいくつかの新規建設は話が進む。一方、東日本では新規建設はたぶん話題にもできない(作らない、のではなく予定地の心情的要因で無理)。でも動いてるのを止める話にはならない。

↑かなりハズレ(恥)。福島の知事が県内全原発の廃止を言った。「こんなことがあってまだ原発を容認する県」というイメージが復興の妨げになるという考え方はなるほどだ。新規建設はもう無理。動いてた中でも、浜岡が政治の力で止まった。ほかも順調に定検停止してますが、ストレステストを経た来年の再起動がどうなるか。

・ついでに、暮らしはちょっと地味になるかもしれないが、大きな社会変動が起きるかについても弊管理人は懐疑的です。あいかわらず各セクターのお金くれコールで今年度並みの規模の予算が来年できたら「ムリ」が確信になります。

↑悲観的だねー。この日の日記は全体的に悲観的すぎたけど、予算規模をみると現実のものになる気がする。東京の夜はすっかり明るくなってしまい、その周辺にまだ残る灯りのなさが見えなくなってきている。

9月25日

9月に入って、たいへん調子が悪い。 こういうときに大事な案件の意思決定をしたり、頭を使う仕事を引き受けたりするのはとても危険。でもあまり先延ばしにもできないことが多いので、早く脱することができればと思っています

↑11月くらいまであまり調子が出なかったけど、そのあと回復した。「できなけりゃできませんでいいわな、時には」と思えることが大事と。

■10月31日

昨夜9時半からけさ8時半まで11時間寝た。 天気よし。

  も の す ご く 体 調 が 良 い 。

↑全体的に元気に過ごした今年の中でも、飛び抜けて快調だった日wwwww

12月4日

■東浩紀『一般意志2.0―ルソー、フロイト、グーグル』講談社、2011年。

ついこのあいだ、ラジオで鈴木謙介さんが「この本は、政策立案などを担う少数の人たちが、内輪ウケではなく外部の他者の目に耐えうる議論をしているのかどうかを、”一般意志”に晒されることでテストしてみろや、と主張しているものと思って読んだ(大意)」と話しているのを聞いて、うまいと思った。そう、ローティに触れてる部分で明確にそう言ってましたよね。
この本を読んでから、ナイーブに「熟議」を称揚する本をするっと読めなくなった。なんか物知りな人からは「へっ」って鼻で笑われそうですが、それでもやっぱり重要な本だと言っておく。

■全体的に

「あれ食った」「ここ行った」ばっかですな。
意識的にそうしてたんですけど。
なぜかというと、弊管理人が独りであれこれ考えてることって大体当たってないので、そんなこといっぱい書いといてもしょうがないからですw

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2011年12月27日 11:27に投稿されたエントリーのページです。

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