2007年04月22日
資本主義から市民主義へ
■岩井克人+三浦雅士『資本主義から市民主義へ』新書館、2006年。
岩井克人へのインタビュー。同じ著者の『貨幣論』『会社はこれからどうなるのか』『会社はだれのものか』まで読んだ気になれちゃうお得なご本でして。
(1)言語・法・貨幣はいずれも神・宗教・労働といった超越や根拠をもたない社会的実在で(2)だからこそ何かの拍子で崩壊しかねないシステムでもある(特に貨幣=資本主義)。(3)その可能性を最小化するために法や貨幣に回収しきれない信任とか倫理=市民社会が要請される。
というようなことだと思うんですが、(A)言語によって作られる市民社会って、やっぱり法や貨幣と同じように自壊の危険は孕んでるんじゃないかしらんとか(B)市民社会って超越じゃないのかしらん、とかいう疑問は残り……(たぶん読み込み不足
といっても、この本の価値は言語・法・貨幣ってそもそもなんなんですか、ということをつらつら考える部分にあると思いますので、提言より考察を楽しむ感じで読むといいんじゃないかな。
投稿者 b-men : 2007年04月22日 15:45