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2005年12月24日
『西洋音楽史』
岡田暁生『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』中公新書、2005年。
特に最終章が音楽版『近代化の理論』だなっと思ったのは富永本のすぐ後に読んだからかしら。
中世からバロック、古典、ロマンと通って、第二次大戦あたりまでの西洋音楽史を通観しとります。といっても、著者が意識しているように「誰が何年にどこで何を作曲しました」という史実の羅列ではなくて、そうした個別の史実を繋ぐ「時代性」みたいなものを描き出そうとしている本です。
宗教(中世)→貴族のカルチャー(バロック)→市民のカルチャー(古典)→「芸術」と「娯楽」への分裂(ロマン)→「実験」(12音技法など)と「名演」(ブーレーズの指揮転向など)と「大衆受け」(アングロサクソン系ポピュラー音楽)への分裂、(と、それらの統合例としてのモダン・ジャズ)
てな感じで、世俗化→広域化→専門分化というまさに「近代化」!のストーリーが非常に分かりやすく書かれてます。
で、本書に挙げられている名曲なり名演なりを実際にCDで聞くと楽しさ倍増というわけだ。パチパチ
投稿者 b-men : 2005年12月24日 00:01
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