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2005年10月20日

ピアノを見る視点

もうクソ眠い思いをしながらもあいかわらずショパンコンクールの実況中継を見てるわけです。今週は週末にバイク仲間とツーリングに行くので早寝早起きの生活を送る予定だったのに…。まあいいや。

昨日から本選が行われていて、特に今日はイム・ドンヒョク(韓国、1984-)が出ているので一度は見ておかねばならないというわけで、こんな時間まで起きているわけです。
以前、彼がN響と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をNHKで見て、こいつぁすげえと思って以来注目してました。若いんだけど何か既に雰囲気を纏っているのと、技巧系のピアニストの中でも頭一つ抜けているので、CDで聴くよりも映像で楽しむべき人なのではないかと思います。

といって特に彼の場合は表情豊かなので、
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こんなアングルのショットでも全く飽きさせません。情感こめるところなんか梅干し食いましたか、みたいな皺とか、ほとんどオルガスムみたいな表情を見せてくれます。
NHKなんかはこの、ピアノのフタの方向からピアニストの正面を捉えるカットを多用するんだけど、これは手もとが全く見えないので、普通は手もとが気になる人(多くはピアノ弾き)から歓迎されないはず。恍惚の表情が画になると思ってるとしたらNHKのスイッチャーはよほど音楽の素養がない。

んじゃあ、どこのアングルがいいかというと
051020lim2.jpg
これですね。やや背後で斜め上からのショット。右手と左手がかぶらずに見られるのと、鍵盤のフタの表面がツルツルしているおかげで左右の手の鏡像まで見えるのがよい。練習室なんかでひとが弾いているのを見守る視点ともいえる。
さらに本選のカメラワークでは
051020lim3.jpg
こういうアングルもあります。これは実際会場にいる、S席(あるのかどうか知らないけど)に座っている人の視点に近いですね。ステージ下から見上げるアングル。これも実はけっこう指の動きが見える好位置といえましょう。動きよりも音を楽しみたい人はもうちょっとステージ向かって右寄りのほうに行くんでしょうけど。

さて、本選に出場した12人のうち、協奏曲の1番を選んだのが10人、2番が2人。抑揚がより豊かな1番がコンサート向きだということなのかもしれませんが、イムは2番を選んでました。
100のテクニックを持っている人が100要求される曲を弾くのと、150のテクニックを持っている人が100要求される曲を弾くのでは安定感と、当然見ているほうの安心感が違います。さすが別格扱いのピアニストだけあって(というかロン・ティボーで優勝しておきながらこの上何で称号が欲しいのかしらん)出てきてから引っ込むまでが堂に入ってましたです。はい。

投稿者 b-men : 2005年10月20日 02:15

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