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現代美術史

咳とガラガラ声が遷延してます。久しぶりに咳で目が覚めた日があって、咳止めを飲んで寝るようになりました。
これは早めに抗生物質をキメるのがいいパターンだったかもしれない。

* * *

著者若いな-(1986年生まれ)。
若干羅列的な印象ですが、大量のキーワードを位置づけるにはよいと思う。

■山本浩貴『現代美術史』中央公論新社、2019年。

【はじめに】
・1960s コンセプチュアル・アート:作品の物質性(色、形、素材など)<思想性
・メディウムの多様化:
  1970s~のインスタレーション=配置した空間そのものが作品
  プロジェクション・マッピング
・プロセス:
  2000s~ アート・プロジェクト
・反ギャラリー/美術館
  1950s 美術館は芸術作品の「墓場」(アドルノ)
  1960s コマーシャリズムの横行←→前衛(フルクサスなど)
  2000s ソーシャリー・エンゲージド・アート(SEA):公共空間での芸術実践

【前史】
・アーツ・アンド・クラフツ
 ラスキン&モリス@イギリス、19C後半
 工業化、資本主義への対抗としての伝統的な手仕事の復興、協働
・民芸
 柳宗悦、1920s~。アーツ・アンド・クラフツの影響
 ただしモリス商会のステンドグラスのような「美術的工芸」には批判的
 自然中心的「民衆的工芸」を対置する
 朝鮮の陶器や焼き物、台湾の竹細工や織物に関心、植民地主義への反発も
 ただし、朝鮮や沖縄の周縁化=オリエンタリズムも
・ダダ
 ツァラら@1910s~、ヨーロッパ
 破壊と否定、強烈さ、無意味、反科学的理性・反進歩史観
 「偶然性」の取り入れ
 →後継はシュルレアリスム(フロイトの影響)、レトリスム(言語の解体)
・マヴォ
 「戦前日本のダダ」、村山知義ら
 関東大震災後のバラックに装飾を施す「バラック・プロジェクト」、近代化批判

【欧米】
1960s~
・芸術の自立性・モダニズムへの反発
 フルクサス(マチューナス、1962)「何でもアート、誰でもアート」
 日常と芸術の壁を取り払う。オノ・ヨーコ、武満徹、一柳慧らも
 (←→天賦の才を持った芸術家による芸術という営為)
・ランド・アート
 グリーンバーグ:○アヴァンギャルドvs×キッチュ、フォーマリズム←→内容重視
 フリードのミニマリズム批判(鑑賞者による介入を求める不完全芸術として)
 ←これらは芸術の自立性を信奉していた
 ←→スミッソンの屋外彫刻など、場所を利用したサイト・スペシフィック・アート
・コンセプチュアル・アート
 美術制度批判、脱美術館(エリート主義、ブルジョワ文化批判)
・芸術労働者連合=芸術生産に対する正統な対価、両性の平等な表象
・パブリック・アート
 公共空間への芸術作品設置
 パブリック・プロジェクションなど
・ハプニング
 パフォーマンス、ゲリラ的展示など
 ←ポロック(アクション・ペイント)やケージ(イヴェント)の影響
・シチュアショニスト・インターナショナル
 芸術と政治の架橋
 「状況の構築」=反体制闘争を可能にする空間を都市に作り出す
 ドゥボール『スペクタクルの社会』(1967)の資本主義批判→五月革命へ
 「漂流」と「転用」

1990s~
・特定の名前を持った潮流が見つけにくくなる(メディウム、アプローチの多様化)
・リレーショナル・アート
 ブリオー『関係性の美学』
 鑑賞者の介入を求める作品。作品は見られるだけでなく社会性を創出する
・ソーシャリー・エンゲージド・アート(SEA)
 作品を通じた社会問題へのアプローチ
 ビショップ←シャンタル・ムフの闘技的多元主義
 参加型アート
・コミュニティ・アート
 集合的創造、特権的な芸術家=個人的創造性への懐疑
 アート・アクティビズム

【日本】
1960-80s
・前史:アンフォルメル絵画、読売アンデパンダン展、批評誌の創刊
・九州派
 地方発の前衛。俣野衛
・大阪の「具体美術協会」
 吉原治良
 芸術の脱神秘化、日常のモノへの回帰
 オリジナルとグローバル化
・名古屋発の「万博破壊共闘派」
 テクノロジー、近代的管理への批判
・ハイレッド・センター
 計画的反芸術
 赤瀬川原平→ネオダダ
 共同性志向
・もの派
 自然素材、日常素材の使用、ミニマルな加工で展示する
・美術家共闘会議
 美術権力(国立美術館など)、表現の中央集権(日展など)の粉砕
・ダムタイプ
 京都、領域横断的

1990s~
・「潮流」からアーティストの緩やかな集合体へ←ポストモダニズム
・シミュレーショニズム
 ボードリヤールの影響
 村上隆
 再現芸術
・アート・プロジェクト
 アート・フェスティバル
・3.11以降

【トランスナショナル】
・ブリティッシュ・ブラック・アート
・移民、女性、右傾化、黒人、帝国主義、在日コリアン、韓国、沖縄、台湾
・未来派とファシズム、ポール・ヴィリリオ『速度と政治』
・リーフェンシュタールとナチズム、ソンタグの批判
・戦争画

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2019年12月05日 23:58に投稿されたエントリーのページです。

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