2007年01月10日
メトネルのピアコン
メトネルのピアノ協奏曲を収めたCD(BIS-CD-1258)、2か月ほど前に買ったんですけど、意外に引き込まれてヘビロー中です。
ライナーノートによれば、メトネルNikolai Karlovich MEDTNER(1880-1951)はロシアの作曲家。モスクワ音楽院を金メダルを得て卒業して以来、ピアニストとしての活躍を期待されていましたが、作曲への興味は捨てがたく、ピアノ曲を中心に60余の作品をのこしました。ちなみにスクリアビンやラフマニノフと同じ師匠についたそうです。
1915年には音楽院のピアノ教授になりましたが、革命後の1921年にドイツへ、そのあと米国、パリと移り、1935年にロンドンに落ち着きました。
インド・マイソール藩王国の最後の藩王(マハラジャ)だったジャヤ・チャマラヤ・ワディヤールJaya Chamaraja Wadiyar(1919-1974)の資金援助を受けて自作品の録音を開始。心臓疾患により全曲を録音することはできませんでしたが、楽譜には現れない作曲者のニュアンスを伝える貴重な資料です。こちらのサイトによると、ワディヤールは20代からヨーロッパへの外遊を行い、ロンドンでの人脈もあったようです。哲学や音楽に興味を持ち、著書もあるそう。1949年にはメトネル協会を立ち上げたほどだそうですから、よほど気に入っていたんでしょう。メトネルはピアノ協奏曲第3番「バラード」を彼に献呈。
ハーモニーはラフマニノフっぽくありながら、ポップ寄りのラフマニノフよりも微妙に古風なロマン派の匂いがする。でも時々思いがけないリズム感が飛び出したりして面白いです。ピアノが上手い作曲家の作品によくあることですが、どれもよく聴くとピアノソロがかなり難しそう。
投稿者 b-men : 2007年01月10日 23:41
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